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群馬帝国国有鉄道に籍を持つ者  作者: Kanra
物語の始まり
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外の世界

 三条神流は仕事が休みの日、群馬帝国国有鉄道本部に出向き、先日の報告書を提出する。報告書の内容によっては報奨金が出ることもある。

 三条神流も、群馬帝国国有鉄道に籍を持つ者と同様、日本で起きている事が気になっている。

「鉄ヲタ艦隊」という団体の存在である。

 日本は群馬と違い自由に鉄道の撮影が出来るし鉄道好きも自由に活動できる。

 だが、それだけに法を犯す者も多い。

 問題なのは、法を犯す者がチヤホヤされている事である。特に、「鉄ヲタ艦隊」と名乗る芸人達が、テレビで鉄道を紹介しているのだが、その様子は酷いものである。

 列車を馬鹿にするには飽き足らず、一般人を押しのけて撮影。道路を不法占拠。立入禁止区域への侵入。これらを平気な顔して放送しているのだ。

 群馬帝国国有鉄道では「このような者を受け入れてはならない。」とし、入国審査を厳しく行っている。特に、観光目的の入国者は厳しくチェックされ、鉄道を無断で撮影したら重罪に処せられる事もあると警告していた。

 だが、この手の話は鉄道に限った話ではない。

 三条神流が外遊中、東京都内でタクシーに乗車中、高級車に追突され更にぶつかった本人が逆ギレし、三条神流に法外の慰謝料を請求してきた。

 その件については、群馬帝国議会に報告済みであり、今頃、ぶつけた本人は群馬帝国臣民保護法によってまもなく極刑が言い渡されているであろう。

(新潟生まれで群馬育ち。ハーフエルフのような俺だが、群馬帝国は帝国臣民として丁重に扱ってくれている。他所に対しては激しい弾圧を行うがな。そういう意味では、俺は帝国に守られているのだよな。)

 と、三条神流が思っている所へ、群馬帝国議会から連絡が入る。

 件の高級車を運転していた男の処刑が言い渡されたようだ。

「金髪男だったからね。金髪は帝国のゴミだ。」

 群馬帝国は他所に対しては人権など無視である。金髪という理由で、いきなり処刑されかねない。帝国に住む者に、金髪の者がいないのもそういう理由だ。

 金髪というのは都会人の証しであると言う理由である。例え籍を置いていても、入国許可を貰っていてもお構いなく殺害される。

 かつてはここまで目くじら立てては居なかったのだが、近年、群馬は東京等の都会人から「田舎」「未開の地」とバカにされる事が多い。

 理由は不明だが、都会人の中で「群馬=田舎」と言う方程式でもあるのだろう。そのようなことから、都会人への制裁のため金髪というのは都会人の証しであると言う理由で処刑されるのだ。

 これも、群馬帝国国民を守るためである。

 国民保護は、他所への強固な弾圧の元に成り立つ地。そのため、かつて日本で嫌な思いをした三条神流も、この地では安心して暮らすことができるのだ。


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