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レスティア物語  作者: マリア
第二章 王都センスティア
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それぞれの関係

 カイルを横にさせたいということで、一同は続きの部屋である寝室のベッドにカイルを運んだ。相変わらず熱は高く、呼吸も浅く早い。わずかにしかめられた眉が、負担の大きさを物語っていた。

 国王はそんなカイルの犠牲によって保たれている聖剣の模造品を布に包みなおしてしっかりと持つ。この秘密だけはこの場にいる者達だけの秘密にすると誓って。カイルに関しては、信頼できる側近達には打ち明けている。そうしないと身動きが取れない場合もあるからだ。各々驚きつつも、みな納得してそれを受け入れてくれた。


 今回同席したのがこの二人だけだったのは、あまり多くなると秘密を知らせていない者に何か感づかれる可能性もあるし、なにより王妃をはじめとする王族にも知られてしまう可能性がある。トレバースはカイルのことを家族には打ち明けていなかった。

 第一王子のこともあるし、言えば王妃はじめ子供達はカイルに会おうとするだろう。みな、教育課程で剣聖ロイドのことを聞いて英雄視している。その子供であると知ればカイルに迷惑をかけるほどに付きまとう可能性もある。気苦労が多いのに、家族のことで面倒をかけたくなかったトレバースは家族には秘密にしておくことにした。


「……いつも、カイルにばかり負担をかけてしまうな」

 キリルはカイルの枕元に椅子を持ってきて、見守りながら自嘲する。何か大変なことがあったり、重要な場面になるといつだってカイルがつけを払うようにその身を犠牲にする。必要なことであり、またそれがカイルという人物なのだと分かっていても、忸怩たる思いを感じてしまう。


 今回は駄目だったが、クロのように負担を分担できればどれほどよかったかと思わずにはいられない。様々な困難や運命がカイルに収束していくように集まってきて、いつだってカイルはそれに必死に立ち向かっている。はたしてキリルはそれに対してどれだけ貢献できているだろうか。

 共に歩むことを誓いながら、どれだけカイルの力になっていられるだろうか。


「その通りだが、あまり思い悩むと深みにはまるぞ。俺がそうだった。運命を振り切ることはできない。それが納得できないものであるなら、立ち向かうしかないんだ。カイルも言っていただろう? 俺達はカイルに出来ない、見えない部分を補ってやればいいんだ。少なくともカイルはキリルに感謝をしている。最初に、カイルの手を取ったのはキリルだ。剣を教える約束をしたのも。だから、俺やレイチェルより、むしろキリルに頼っている部分も多いと感じる。違うか?」


 ダリルに言われてキリルは考える。一緒に住んでいることもあるが、剣の分野などにおいてはレイチェルやダリルに聞くより、あまり説明もうまくないのにキリルに聞くことが多い。キリルは気付いていないが、まるで兄を頼る様にカイルがキリルに信頼を寄せていることは誰の目にも明らかだった。


「キリルは、カイルのお兄さん。わたしは、お姉さん。ダリルは、ライバル? トーマは、悪友。アミルは、唯一世界を共有できる友達。そして、レイチェルは……何?」

「なっ、そ、そこでわたしに振るのか! わ、わたしは、その……わたしは、カイルの騎士だ! うん、そうだ。そう、なんだ……」


 なぜか自分で言って自分で落ち込んでいるレイチェルを、どこか楽しそうにハンナが見ている。アミルは素直ではない友人に苦笑を浮かべていた。誰の目にもレイチェルがカイルに対し好意を抱いていることは明らかなのに、当人であるレイチェルだけはそれを認められないらしい。

「兄……そうか、カイルには兄妹もいないから。ドワーフの養父母に兄と、同じくドワーフのクオーターの兄、ドルイドの姉か。カイルらしいな」


 なぜかひどく納得できてしまい、キリルにも笑みが生まれる。そんなふうに思ってもらえるなら、同じようにキリルも弟としてもカイルを守らなくてはならない。これまで以上に、カイルに対して親しみが生まれた気がした。

「俺はライバルか。まぁ、確かに……そんなふうに思わなくもないが。そうだな……、これからカイルが勉強をするなら、俺達も時間が空くということだ。ならば、俺達も上を目指さないといけないな。俺達の指導だけではなく、他の人に学ぶこともいい経験になる」


 ダリルはそう言ってレナードの方を向いた。この国において、魔力を持たずに騎士団団長にまでなった実力者。レイチェルを育て上げた人物であり、またカイルに対して様々な思いを抱いているであろう人物だ。

「そうだな……。彼の体調が落ち着いたなら、俺からも教育を施してもいい。これでも、ギルドではXランクだ。団長として騎士達を教えている以上、君達よりも適任だとは思うが……彼は納得するのか?」


「そのあたり、心配いらないと思うぜ。カイルって、こう見えて強さっつうか、目的や夢のために必要な力を身に付けることに関して、俺らより貪欲だから。下手すりゃいじめになるような俺らの指導にもいつだって食らいついてくる。無力だってことの辛さを知ってるからか、妥協ってもんをしないんだ」

「そのせいでついつい教育に熱が入ってしまい、いつもカイルが動けなくなるまで指導してしまうのですわ。そのおかげか、上達も早いのですけれど……」


「親方や祖父さん達も同じだな。教えた分だけ返ってくるから、ドワーフの血が騒いで叩きまくってる。あのまま続ければ、カイルは生産者としても超一流になるだろうな……ドワーフも妥協を知らないから……」

 キリルは夜遅くまで、時に怒鳴り合いをしながらも必死で技術を学んでいるカイルを見ていた。キリルには生産者としての才能があまりなかったので、そうそうに諦めたのだが、カイルは人でありながらドワーフと同等かそれ以上の才能があったらしい。


 名匠と呼ばれる祖父が目の色を変えて自らの技術の全てを詰め込もうとしている様を見れば、それを感じられる。厳しい環境は、カイルの天性を確実に磨き上げていたのだ。発想の柔軟さや生活魔法の巧みさもあり、技術の向上も甚だしい。

「ははは、カイル君は色々と大変そうだね。これから先の人生は、わたしには想像できないくらい長いんだろうに、短期間で実力を身に付けないといけないなんてね」


「ですが、この努力は必ず彼のためになります。我々も彼のサポートができればいいのですがね。本当に、大臣どもの思惑が外れてよかったと思います。あんな俗物どもに、翻弄されるなど許せることではありませんから」

「能力的には優秀な方なんだけど、いかんせん欲も強いからね。ロイドの息子を使って何をするつもりだったのか……」


「大臣達にもカイルを利用する思惑があったのだな……」

 レイチェルは改めて、探索任務を受けた時に感じた疑惑がよみがえる。半数はレイチェルのことを認めてくれているが、半数は未だ魔力なしのハーフエルフとして見てくる。どれだけレイチェルが実績を積もうと功績を上げようと、認めようとはしない連中だ。


 そんな連中に、剣聖の息子などと言う餌を与えてしまったらどうなるのか。自分達の人気取りや外交手段、下手をしたら例の組織の取引材料に使われてしまいかねない。そんなことは絶対にさせられない。

「今の段階で彼奴らの心配をする必要はないでしょう。孤児院の悪行が明らかになり、自らの火消しに、剣聖の息子どころではないでしょうから。彼奴らが推薦して王宮に上がった孤児院上がりの者達も皆取り調べを受けております。裏との繋がり……たとえ脅されていようと取引に応じたのであれば信用度はがた落ちですから」


 そう、今は王宮でも大幅な人事異動や人材の入れ替えが起きていた。裏の手入れの資料の中に孤児院の悪行もまた記されていたことから、裏取引があったことが明らかになり、現在の孤児院の経営者や職員はこぞって逮捕された。孤児院の体制も大きく見直されることになり、新たに抜擢されたり選出された職員や院長が派遣されている。


 子供達は突然変わった様相にしばらくは混乱が続いていたようだが、徐々に落ち着いてきている。ただ、選民思想を吹き込まれた子供達は未だに馴染めず、問題を起こしてもいるようだ。ギルドでも同様のことが起きているため、エドガーもなかなか解放されないということだ。


 そして、大臣達の中にもそうした関係で利益を得ていた者達もおり、今必死になってその繋がりを消そうとしているところだ。もちろん、そこにはトレバースによって派遣された影が見張っており、証拠がそろい次第更迭ということになるだろう。長年の膿を出すいい機会でもあった。

 だが、その分きっかけとなった孤児達やカイル達に危害が及ぶようなことになってもいけない。そのため慎重かつ取りこぼしのないよう水面下でことが進められているのだ。そうした経緯もあって、信頼のおける側近達は皆忙しいということでもある。トレバースもいつまでもこうして付いていてあげるわけにはいかない。


「そろそろわたしも戻らないと。食事は手配させるよ。寝室はここを使って、浴場も使ってくれて構わない。直ぐに世話をしてもらう使用人をよこすから、それまでは飲み物なども自分達で面倒を見てもらうと助かるよ」

「何か気になることや、容体に変化がありましたら医者を手配できるようにも準備をしておきます。あとはよろしくお願いします」


「レイチェル。彼の騎士であることを誓ったなら、これから先何があろうと彼を守り抜け。身命をとし、生涯を通じて彼を支え続けるんだ。……きっと、母さんも喜ぶ。お前があまりにも女を捨てているから、心配していた」

「母様が……。父様、共に国を守る騎士でいられなくなったこと、申し訳ありません」

「……気にするな。お前は自分で自分が仕えるべき相手を見つけることができた。それはわたしにとっても誇りだ。だから、最期まで貫き通す覚悟を見せろ。それに……、いつか彼が息子になるかもしれないと考えるのは、それはそれで楽しみに思える」


「なっ、と、と、父様……わ、わたしは……」

「いつか、の話だ。彼の意思もある。だが、俺はお前の応援をしよう。つかんだ手を離すなよ? 今はそうでもないかもしれんが、彼はモテるぞ? うかうかしていると、横からさらわれるかもしれん」

「そ、そんなことはさせない! それに、た、例えカイルが他の誰かを選んでも……わたしは彼の隣にいる」

「いい覚悟だ。守るべき相手の幸せを願えないようでは騎士失格だ。何、彼はいい男だ。長い人生のひと時、お前に寄り添ってくれることを期待しよう」


 真っ赤になりながらも、決意の目をするレイチェルをレナードが優しくなでる。愛しい娘の心を救い、女だということを思い出させ、大切な思いを抱かせてくれた憎たらしくも、憎めない男を見ながら。

 レイチェルも時々からかわれながらも、なかなか認めることのできなかった自身の感情を受け止めることができた。そして、それをとても大切なものだと認識できた。これから先がどうなるかは分からないが、少なくとも生まれたこの思いは大きくなることがあっても消えることはない。そう確信が持てたのだ。




 昼を過ぎ、夕食の時間に近くなった頃、カイルは目を覚ました。未だに体は熱っぽいし、息苦しさや痛みは感じるが、眠りに落ちる前ほどではない。ゆっくりと体を起こしてみると、部屋でそれぞれにくつろいでいたレイチェル達の視線が集まってきた。


「あー、ここは?」

「陛下と面会した隣の部屋だ。気分はどうだ? 症状は?」

「気分はそう悪くはないかな。症状も、少し落ち着いたみたいだ。今は、汗が気持ちわりぃ」

 熱は微熱程度に下がったようだが、高熱を出していた間にかいた汗が服を肌に張り付かせていて何とも言えない気持ち悪さだ。剣や防具、靴などは外してもらっていただけありがたい。


「そうですわね。熱は大分下がったようですわ」

「痛みも軽減してる? 息苦しさは?」

 アミルが同じように額に手を当て、ハンナは胸や背中をさする。

「痛みはまだあるけど、我慢できないほどじゃない。息苦しさもそうだな。大分、楽になった感じだ」

「聖剣が体に馴染んできたということか。薄々感じてはいたが、すさまじい速さで適合するものだな」


 わずか半日ほどで、あれほどの力の塊をある程度受け止め受け入れてしまった。今も模造品の維持に力を使っているはずなのに、その負担はかなり軽減されているようだ。

「明日になれば、もう少しましになってるかもな。……みんな、あれからずっとここにいるのか?」

 カイルは窓からの景色で、もう日が暮れ始めていることを知る。朝に面会だったため、ずっとここに詰めているなら半日以上ということになる。


「敵地というわけではないが、完全に安心できる場所でもない。気にするな、もともと今日は一日潰れても構わない予定でいた」

 キリルはカイルの心配や気遣いを先回りするような形で告げる。カイルはそれを聞いて、安心したような意外そうな顔をする。


「そっか。ならいいんだけど……キリル、なんかあったのか? なんていうか、その……前より身近になったって言うか、柔らかくなったというか……」

「あえて言うなら、兄としての自覚が出たというだけだ」

「! 参ったな、俺、そんな顔してたか? 確かに、キリルの事……兄さんみたいには思ってたけど、キリルは俺のつるぎであることにこだわってたから、迷惑かなって」


「何も一つの肩書きにこだわる必要はなかったと気付いただけだ。俺はお前の兄であり、剣。それでいいか?」

「俺も、そっちの方がいいな。兄弟ってどんなのかよく分かんねぇけど、これからよろしくな」

「カイル、わたしは姉。姉さんって呼んでもいい」

「いや、ハンナはどっちかって言うと妹みたいな……」

「姉! わたしはカイルのお姉さん。分かった?」

「お、おう。わ……分かった。相変わらず、強引だよな」

「姉の特権」


「わたくし達はお友達ですわね。同じ精霊を見る者同士ですもの」

「そうだな。アミルには俺と同じものが見えてるもんな」

「俺らも友達、いや親友だよな!」

「トーマが?」

「トーマはカイルの教育によくない」

「なっ、お、俺を駄目な奴みたいに言うなよな! 反面教師ってのもあるだろ!」

「トーマ、それ自分をけなしてるぞ?」

「何っ! えっと、その、あれだ竹馬の友だ」

「知り合ったの、ついこないだだけどな」

「時間なんて関係ないんだよ。俺はお前の親友。それだけだ!」


 なんだかわけがわからなくなって、それでも高らかに宣言するトーマにカイルは笑顔になる。トーマといるといつだって笑わずにはいられなくなる。

「俺はライバル……らしいぞ。似たような戦闘スタイルになるから、間違いではないだろう。互いに高めあえるという意味では」

「そう、だな。ダリルの動きって色々参考になること多いし。負けたくないとは思うしな」

 どこか通じるところを感じていたダリル。カイルにとって一つの目標であり、参考になる部分も多い戦い方をする。そのため、ライバルという関係は言いえて妙だと思った。


「か、カイル……聞いてくれるか? わ、わたしは……カイルの騎士であることを自分自身にも、そして陛下や父様にも誓った。そ、それに……それに、だな。わたしは、その……カイルのことが」

 レイチェルがカイルの真正面に進み出て、胸の前で手を組みながらも、頬を染めながらも言いかけた言葉を、カイルは手で制して止める。レイチェルはなぜか拒絶されたようにも感じ、切なげな傷ついたような顔をする。


「悪い、レイチェル。その、だな……レイチェルの気持ちは、その、分かっているつもりだ。あれだけ真っ直ぐ思いを向けられて、気づかない方がおかしいだろ? だから、その先は言わなくても分かってる」

 レイチェルは自分自身ですら父と話すまで認められなかった思いが、すでにバレバレだったことに動揺する。だが、レイチェルの思いを知らなかったのは本人だけだ。周りには筒抜けだった。もちろん、それを向けられていたカイルにも。


「レイチェルの思いは、嬉しいよ。色んな意味でレイチェルは綺麗だと思うし、俺もレイチェルに対して思うところがないわけじゃない。つーか、まあ、好きだとは、思う」

 カイルは頬をかきながら、少し照れたようにレイチェルを見る。レイチェルは告白しようとしたところを逆に告白されて、真っ赤になって思考停止しそうになる。どうしてこう、人の先を行くのかと少し憎らしくもなる。


「でも、今はその思いに応えられない。応えることが……できない」

 だが、続いた言葉に熱が一気に引いて、頭の中が冷静になる。これにばかりは、いつもはカイルを好意的に見ている面々もどこか非難するような目を向ける。ここまで盛り上げておいて、それはないだろうと。


「そ、それは……夢の、ためか? それとも、色々と背負うものがあるからか? もしくは、その、わたしにはまだ、女としての魅力が足りないか?」

 どこか泣きそうな顔で言ってくるレイチェルに対し、カイルは申し訳なさそうな、それでいて揺るがない瞳で返す。

「夢なんて俺の一生の目的だし、背負うものなんてみんな持ってるだろ。それに、レイチェルは女として十分魅力的だと思うぞ?」

「ならなぜ! なぜ、応えられないのだ? なぜ、わたしを受け入れられない?」


「レイチェルを受け入れられないわけじゃない。できるなら、すぐにでも俺のものにしたいと思う。言ったろ、俺も男だって。好意を寄せてくれる子がいて、俺もその子に好意を持ってて、それなのに我慢しなきゃならない状況ってのは結構きついんだ」

「それなのに、どうして?」

「……このまま、なし崩し的に俺と関係を持ったりしたら、俺はともかくきっとレイチェルが後悔すると思うからだ」


「なっ! わ、わたしは……こ、後悔など……」

「しないって断言できるか? 俺も大概だけど、レイチェルが背負っているもの、今いる場所ってのはそれを全部投げ出して色恋に走って許されるものか? レイチェル自身それを許せるか?」

 レイチェルは目を見開く。そして、自分の両手を見て、改めて今自分がいる場所、立っているところというものを自覚した。ずっとカイルと共にいたから、最近はそれを自覚することなく過ごせていたから、忘れてしまっていた。


 レイチェルはセンスティ王国を代々支えてきた騎士の家系であり、現騎士団団長の娘にして自らも近衛騎士団に所属している。そして、友好を結ぶ精霊界のハイエルフの姫の世話役であり、剣聖筆頭という立場にある。

 それらすべてが、どれほど重い責務なのかレイチェルは誰よりも知っている。それを支えていくためにどれほど努力してきたのか、どれほど努力を続けなければならないのかということも。それらを全て放り出せるか? それらすべてを色恋のために犠牲に出来るか? 答えは……否だった。


「お互い、面倒な立場だよな。どれだけ思いを通じ合わせても、環境や立場が邪魔をして、何より自分自身がそうあることを望めない。だから、まだ、今はその時じゃないって思うんだ。お互い、ある程度自分自身も周りも納得させられるだけのことをして、その上で初めて進めると思うんだ。だから、もし、その時になっても……レイチェルが俺のことを好きでいてくれたなら、その時には全てを受け入れる。この腕の中で、幸せにする努力をする。それまで、俺の気持ちが変わることはない。俺の強情さは知ってるだろ? お互い、人よりも長い人生だ。だから、焦って後悔するようなことはなるべくしたくないんだ」

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