闇に堕ちたテリーと奈落への落とし穴
テリーは息が上がるほど夢中になって踏みつけていた手から、ようやく足を離す。見下ろしてみると、あれほど大きくて綺麗だと思っていた手は見る影もない。あちこち骨が折れくだけ、好き勝手な方向に折れ曲がっている指、青黒く、あるいは紫に変色した手の甲からは白い骨が覗いている。
「は、はは、あははははははっ!」
テリーは歓喜の笑い声をあげながら、闇の言葉が正しく、闇はカイルや手ごわい使い魔の目さえもごまかせるのだと不思議な感慨を持った。そう、いくらなんでも表通りの、しかもカイルが寝泊まりしている武器屋の前でこんなことができるわけがない。
カイルやテリー達がいる場所、それはかつて中央区の子供達が集められていた場所であり、今は無人となった路地裏だった。カイルやクロは店に戻っているという幻覚を見せられ、テリーによってここへと誘導されていた。ギルドから子供達への通達があったせいで、闇によって作られた空白地帯であるせいで、誰一人いない無人の路地裏へ。
「いやいや、なかなかやるもんだね。見ていて面白かったよ。でも、やることはちゃんとやらないとね」
「……っ、だ、れ?」
動かない体とテリーによって加えられた手の疼きに耐えていたカイルの耳に、見知らぬ、けれど知っているような声が聞こえてくる。経験上、こうした人物に、存在に心当たりがある。裏通りの真の、あるいはその闇に住まう住人。裏社会に属する人間の発する声だ。
とてつもない悪意を含みながら、それでいて表面上は耳障りがよく、その声を遮断することができない響きを持っている。今までに何度もカイルを苦しめてきた声達でもある。
「おやおや、まだ意識があるのかい? 驚いたね。まさか、”魔力遮断薬”を飲んで、意識を繋ぎ止められるなんて。使い魔に助けられたかな? それとも、魔力枯渇状態に耐性でもある?」
”魔力遮断薬”という聞きなれなくとも、危険な響きをする薬が、先ほどカイルが飲んだ薬なのだとすぐに分かる。名前からすると、文字通り魔力を遮る、あるいは断ち切ってしまうものか。あの時体から何かが引き抜かれたような感触がしたのは魔力回路をごっそりと遮断されたためだったのだ。カイルに意識があるのは闇が言ったこと両方が当てはまるからか。
「っく、テリーに、な、にを……言った?」
「ははは、なるほど? 君は、少なからずこちらにも出会った経験があるようだね? そうだろうね、君のような存在、闇が見逃せるはずがない。見てしまえば、感じてしまえば、手を出さずにはいられないだろう。何をされたのか、聞いてみたいところだけれど……その前にやらなければならないことがあるね」
闇はカイルの髪をつかんで顔を持ち上げ、目線を合わせた後で嬉しそうに楽しそうに笑う。カイルがただ眩いだけの存在ではなく、幾度となく闇にちょっかいをかけられ、それでもなお光を失わない存在だと理解したためだ。闇にとって、この上なく、嬲りがいのある相手、というわけだ。
「テリー君。魔力遮断薬とは一時的に魔法使いの翼をもぐための薬だ。魔法使いにとっての要、魔力を使えなくするものなんだよ。ただ使えなくなるだけで、無くなるわけじゃない。その効果は長くは持たない。ただ、今はこうやって動くこともできない。その間に、もっと確実な方法で自由を奪ってしまおう」
謡うように、誘うように語り掛ける闇の言葉に、テリーは行動を開始する。それを止めようとしたカイルは闇によって口を塞がれ、声を出せない。
「駄目だよ。今は彼が闇に堕ちる儀式の最中なんだ。君をくれてやる気はないけれど、君を闇に引き渡すまでの作業は彼にやってもらわないとね? 君が声をかけてしまうと迷ってしまうといけないだろう? 悩み苦しむ彼を僕は解き放ってあげたんだよ?」
カイルに顔を近づけ、耳元で囁くように言ってくる闇。カイルは動かない体を震わせ、強く睨み付ける。だが、それも闇を喜ばせることしかできない。闇はカイルの髪から手を離し、片手だけでカイルの頭を支えると、懐から腕輪のようなものをいくつも取り出してくる。
一見して装飾品のように見えるが、カイルはそれがひどくまがまがしいものであることを本能的に悟った。逃れようと頭を動かしてみるが、細い体や指の割に強い力はカイルの顔をつかんで離さない。
「これは”魔封じの腕輪”というんだ。主に魔力持ちの犯罪者をとらえておくために使われるものだよ。君にとって、そして彼にとってピッタリじゃないかい? だって彼は、君のお姫様を盗み取った……犯罪者だろう?」
「テラを盗んだ……俺の、俺のテラを、俺だけのテラを!」
テリーは自身の思考を放棄してしまったかのように闇の言葉を繰り返す。度重なる興奮や倒錯した快感、暴力を振るったことに対する本能的な忌避感がテリーの思考を鈍らせていた。まるで闇の言葉が自身の意思であるかのように行動してしまう。
テリーは地面に落ちている一つの腕輪を取ると、自分が滅茶苦茶にした右手を持ち上げ、その腕にカチリとはめる。それを待っていたかのように、闇がカイルの顔から手を離した。訝しむカイルだったが、次の瞬間襲ってきた異変に目を見開く。
「はっ、うあっ……あがっ、あぁぁ。ふっ、ぐうぅ、うあぁぁぁぁぁ」
感じることができなくなっていたはずの魔力が、体の中でうごめき、それなのにカイルの操作を受け付けず滅茶苦茶に体の中を暴れまわり、そして、あちこちで小さな爆発を引き起こす。体の中から中身をかき回されるかのような感じたことのない激しい痛みがカイルの全身を突き抜ける。波がおさまっても、体の内部を破壊されたかのような痛みは、変わらずにカイルを苛み続けている。
「あぁ、いい声だ。とても美しい音楽だよ、これが聞きたかった。ほら、テリー君、何をやっているんだい? 彼は人よりも魔力が多いんだろう? ならば魔封じも一つでは足りないよ? 僕がいいというまで、じっくりと、時間をかけながら付けてあげるといい。彼の苦痛は、君にとっても喜ばしいものだろう?」
カイルは頭を上げる気力もなく、空いたままの口から零れ落ちる涎を飲み込むこともできない。
「彼はいくつ付けられるかな? いくつまで耐えられるだろう? なるべくたくさんつけてほしいよね? その数が多いほど、君の気持ちも落ち着くし、彼の価値も上がって、君の願いが叶う可能性も高くなるよ?」
「俺の、願い……。テラ、テラ、テラ……」
壊れたようにテラとつぶやくテリーの目は、もはや闇に染まり光を映さない。そして、地面に落ちている腕輪に手を伸ばし、カイルの腕を持ち上げる。
薄暗くともまだ日が入っていた路地裏に闇のとばりが下りる頃、テリーはやり遂げたような表情で足元に転がる影を見ていた。たとえ薬の効果が切れていたとしても、もはや抵抗らしい抵抗など一切できなくなった、憐れな魔法使いの姿を。
目は焦点が合わずうつろで、目や鼻や口からはだらしなく体液を垂れ流し、壊れた人形のように体には何の力も入っていない。もう、耳障りな言葉を吐くことも、テリーを興奮させ、心を満たすような悲鳴を上げることもない。
「うんうん、良い感じに仕上がったね。それにしても予想外だよ、これほど魔封じの腕輪を付けないと完全に封じることができないなんて。完全に封じてしまうまで、屈服しないなんて。いや、これはきっと封じても屈しないかな?」
魔封じが六個を超えたあたりで、薬の効果が切れ始めたのか、カイルの抵抗も息を吹き返していた。涙を流し、呻きながらも、必死で抗おうとしていた。闇に押さえつけられ、テリーに七個目の魔封じを付けられると、それまで以上の苦痛を感じたのか、長く激しく苦しんでいた。
闇は説明することはなかったが、魔封じが使われるような犯罪者とは極悪人かつ凶悪な者に限る。それ以外は牢全体に魔法を封じるような措置をして拘留する。牢の中から外には魔法が作用しないような仕組みだ。こうすれば中で魔法を使えても、外に逃げることはできない。日常的な生活魔法などは自分で使わせた方が面倒がないからだ。
なぜ魔封じがそうした犯罪者にしか使われないのか。それは、魔封じは時として拷問の手段としても使われるからだ。魔力を強制的に暴走させ、体内での暴発を促す。そうすることで肉体的には一切傷つけることなく、血を見ることなく相手を苦しめることができる。また、ひどくすれば魔力回路に致命的な損傷が出て魔法が使いづらくなるという犯罪者にとっての欠点、断罪者にとっての利点もある。
その効果は相手の魔力が万全であるほどに大きくなり、魔力が多い者ほど暴走した際の自身への反動が大きいことになる。また、魔封じは通常の魔法使いの平均的な魔力量を元に作られているため、それ以上魔力量が多い者であれば一つでは完全に抑えきれないという問題もある。だが、それでも複数使われることは滅多なことではない。
なぜなら魔封じは一つ増えるごとにプラスではなく二乗で増えていくからだ。つまり魔封じ一つなら一人を封じるのに十分だが、二つになると四人分封じる力が生じるということだ。三つで八人、四つで十六人、五つで三十二人。最終的にカイルが付けられた十個になると、実に千二十四人。カイルがそれに匹敵するほどの魔力量を有していることの証であり、同時にそれだけの人数を行動不能にするだけの負荷が、カイル一人にかかっているということでもある。
「……ブライアン様、そろそろ……」
「ああ、そうだったね。楽しい時間はすぐに過ぎてしまう。テリー君、ご苦労様。おかげでとても有意義な時間が過ごせたよ。約束通り、彼とついでに使い魔の魔獣は僕達がもらっていくよ。構わないよね?」
テリーは何も映さない瞳で、凍り付いたような表情でうなずく。ブライアンと呼ばれた闇が手を振ると、あちこちから闇の世界の住人達が湧いて出てくる。身動きが取れないカイルに、駄目押しのように後ろ手で枷をはめて両手と両足を拘束して担ぎ上げる。
使い魔であるクロは、意識は戻ったものの身動きが取れないままカイルに加えられる仕打ちを見続けていた。抑えきれず、闇の住人をしてひるませるほどの憤怒を瞳に宿していたが、口輪をはめられ、四肢を同じように鎖で拘束されても抵抗はできなかった。
ブライアンは裏社会のアジトにして深奥へと運ばれていくカイル達を実に楽しそうに見ていた。いつの間にかあれほどいた闇の住人達も消えている。
「僕は実にいい取引をしたよ。さて、テリー君。君は約束を果たした。だから、僕も果たそう。君を闇の一員として歓迎するよ」
ブライアンの言葉に、初めてテリーが反応を見せた。
「闇の、一員? なんで、だって、俺は……俺の望みは」
「そう、君の望みは仲間や、お姫様だろう? でもね、僕達は光や影の者達にかける情けも、彼らの願いを聞く気も、持ち合わせていないんだ。僕達が仲間と認め、その願いを聞くことができるのは同じ闇の一員しかいないんだよ? 君が願いをかなえようと思えば、僕達の仲間になるしかない。分かっていただろう?」
「そ、そんなっ。だ、だって……そんなこと、一言も」
「言わなかったからと言って、聞かなかったのも君だよ? 聞けば僕は答えたよ。取引には”誠実”であるべきだからね」
誠実とはいい意味で使われるはずの言葉なのに、テリーにはとても強い悪意の言葉に聞こえた。これでは何のために、闇と取引までしたのか。闇との繋がりを断ち切るために、仲間達やテラに伸ばされていたその手を振り払うために汚れる覚悟をしたのに。カイルを売り渡す覚悟を決めたというのに。
「おやおや、聞いたことはなかったのかい? 僕達は一度僕達の領域に足を踏み入れた者を、逃がす気はないよ? 闇に染まるか、死ぬか。どちらかしか選べない。ああ、彼のような例外もいるよ。極極まれに、ね」
テリーは今更になって、カイルが言っていた言葉の意味を実感する。甘かったのだ、何もかもがテリーにとって都合のよすぎる、幻想だった。あの夜、取引を持ち掛けてから、あの時闇の言葉にうなずいてしまった時から、テリーは捕らわれていたのだ。二度と抜け出せない、闇の罠に。
忠告してくれていたのに、それに逆らうことが勇気だと思っていた。それに逆らって何かを成し遂げられたら、そうすれば認められる。そうすれば超えられるのではないかと期待していた。だが、そんなものは闇の前には子供が作り上げた積み木よりも脆い。
「君はいい贈り物をくれた。だから、君が闇に入るなら、君の願いは極力かなえてあげるよ? お姫様が欲しいなら、闇に引き込めばいい。仲間、歓迎しよう。みんなが闇に染まれば、僕達が君達を狙う理由なんてなくなるからね?」
いつから、落とし穴に落ちていたのか。最初から、落とし穴の中だったのか。テリーはカイルを嬲っていた時とは違う闇が視界を閉ざしていくのを感じていた。助けるなんて、救うなんて、テリーがやったことは、折角光の中で生きることができ始めていた仲間を、光の中に出ることのできたテラを、影よりも深い闇の中に落としてしまうことだったのだ。
闇に関わったテリーが、多くを望めば望むほど、闇は貪欲にそれを飲み込むことをテリーに強要する。ああ、そうだ。確かに身の程に会わない強欲は、身を滅ぼすのだろう。今の、テリーのように。
「ほら、聞いてごらん? 大切なお姫様が、迎えに来てくれたみたいだよ?」
テリーはブライアンの言葉に、弾かれたように振り返る。そこには路地の入口に立ち、信じられないという顔でこちらを見ているテラの姿があった。全身を恐怖のためかあるいは別の強い感情によってか震わせ、目に涙を浮かべテリーだけを見ている。あれほど存在感のある闇には目も向けていない。
「テリー……何を、したの? お兄さんは、どうしたの? どこへ連れていかれたの?」
テリーが遅いことに心配をしたテラは、テリーの姿を求めて町を歩いていた。そこで、テリーとカイルがなぜか禁じられていた路地裏に入るところを見たという人の話を聞いて、慌てて追いかけた。二人が入ったのはかなり前ということで、嫌な予感もしていた。
ずっと元気がなく、様子がおかしかったテリー。どこか暗くて怖い顔をするようになったテリー。お兄さんを、とても怖い目で見て、でも少し悲しそうにしていたテリー。そんなテリーも、変わったのだと思っていた。お兄さんのために薬を用意して、自分で渡せないからテラに託して。だからテラもお兄さんにお願いした。大好きなテリーとお兄さんが仲直りをすることを。
お兄さんが約束を破らない人だということは分かっていた。人の気持ちに敏感で、相手に共感し過ぎてしまうところがあることも。そして、どこまでも優しい人であることも。だからそれに甘えて、テリーのことを任せてしまった。本当ならテリーがやってくれたように、テラがテリーを導かなければならなかったのに。
そして、嫌な記憶と良い記憶の混ざったあの路地に着いた時、ぐったりしたお兄さんと使い魔のクロが知らない人達にどこかへ連れていかれるところを目撃した。そして、それにテリーが関わっていることも分かった。
「テラ……テラは、俺のだよな? テラは、俺だけのテラだよな?」
「テリー? 何を言ってるの? わたしはわたしだよ、誰のものでもない」
「嘘つけっ! テラは、あいつに……兄ちゃんに懐いてただろう! 兄ちゃんと嬉しそうに話して、幸せそうに笑って。好きだって、大好きだって言ったじゃないかっ!」
テリーの言葉にテラは目を見開く。あの時、部屋にはテラと数人の子供達しかいなかった。みんなテラの気持ちを知る者ばかりだ。というより路地裏にいた子供達は皆テリーやテラの気持ちを知っていた。知らなかったのは当人間だけだ。
「それは、お兄さんが命の恩人だから。とても優しいから……よく覚えてないけど、お父さんみたいに思えたから」
「え? ……お、父さん?」
「わたしのお父さん。頭を撫でてくれた、ような気がする。大きな手で。お兄さんと同じ、だからなんだか懐かしくて」
「え、じゃ、じゃあ、何で好きなんて」
「テリーがどうしてあの時の言葉を知ってるか分からない。でも、あれは……あれはお兄さんに言われたから」
「何て?」
「テラは、テラは本当にテリーが好きなんだなって、言われたから」
「じゃあ、あれは……あの、言葉は……」
「わたしはテリーが好き、大好き。ずっと一緒にいたい、ずっと隣にいてほしい。ずっと、わたしのそばにいてほしかった……」
「あ、ああ、ああああああああああ!!」
「お兄さんはそれを聞いて、テリーと仲直りするの頑張るって言ってくれた。わたしが板挟みで苦しいから、テリーに思いを伝えられないから。だから、頑張って話してみるって」
求めたものは、なにより欲していたものは、最初から手の中にあった。最初からすぐそばにいて、でも見えていなかった。見ようとしていなかっただけで、テラは、ずっとテリーと共にいたのだ。
カイルはそれを知っていて、テリーが気付いていないことに気付いていて、気づかせようとしてくれていた。あんな口車にのって、怪しい薬を飲んでくれるくらいに、テリーを信じようとしてくれていた。テリーを信じているテラを、テラの言葉を信じていた。
「ああ、何という悲劇だろうね。愛する者の心は報われず、信じた者は裏切られ、信じられず愛に気付かない者は闇へと堕ちる。とても、とても素敵な悲劇だ」
テリーはとっさにブライアンからテラを守る様に背にかばい、向かい合う。
「これはお姫様と王子様の愛を阻む騎士の物語じゃない。報われぬお姫様の恋に気付き、愛する者さえ信じきれず愛に気付かない王子様とお姫様を結びつけようとした騎士が、他ならぬ王子様の手で奈落に突き落とされる物語だよ」
「奈落? お兄さん達は、どこ?」
「心の強い子は好きだよ。二人は僕達の腕の中さ。僕達、裏社会のね」
「裏社会……テリー、まさか、まさか……」
「俺は、俺は……なんて、ことを…………」
何ということをしたのだろう。振り返れば、こうやって背中を握ってくれる手がいつもすぐそばにあったというのに。隣には、笑いかけてくれる仲間達の笑顔があったというのに。その手に気付かず、その笑顔を無視して、そして……その手を、笑顔を守ってくれた人を……。
「うーん、あと少しだったのに。こうなると面倒だよなぁ。僕はもう彼が手に入れば君には興味ないし……ああ、そうだ。殺してしまおう、そうすれば面倒がなくていいよね」
闇が笑顔で物語の残酷な結末を描き、そして目を見開いたテリーに、太い、何本もの闇の矢が迫ってくるのが見えた。体を後ろにひかれ、柔らかな腕に抱きしめられると同時に、体を貫かれる激痛を感じ、テリーの意識は途絶えた。




