四天王との対決 下
レイチェルサイド
闇が深く、重くのしかかってくるような錯覚を覚える。もうすぐ宗主の部屋に着くはずだ。長年、様々な闇の儀式や宗主の瘴気に近しい闇の魔力にさらされていたためか、異様な雰囲気が強くなってきた。
レイチェル達は走るのではなく歩きに変えて進んでいた。地下ということ以上に視界が悪く、アミルが生み出した光さえも呑み込まれそうになっている。
それまでは散発的にあった戦闘も、この空間に入ってからは全くと言っていいほどになくなった。自分達よりもずっと闇に近い分、魔人化した者達にとってもこの空間は長く過ごしにくい場所になっているのだろう。
逆に、この空間にいられるということ、それだけで一定以上の力を持つ者だという判断がつく。
だからこそ、そこにその男がいてもダリルは少しも驚かなかった。本来であれば宗主がいるはずの場所。そこに宗主達の姿はなく、ただ一人の男が待ち構えていた。
「……やはり、あんたもいたのか」
「そうか、お前はそちら側を選んだということだな? 残念だよ、あれだけ教え込んでやったというのに」
四人を前にしても、その男は少しもひるんだ様子はなかった。むしろ、仕方ないなという調子でダリルを見ている。
「一応、自己紹介をしておこう。俺はカッセル=フェンデル。第一部隊の隊長にして『疾風』の二つ名を持つ。デリウス最強の戦士、と言っていいだろう」
言葉の一つ一つに自信がにじみ出ている。それは、揺るぎない事実だというかのように。そして、実際それだけの実績があるのだろう。
ダリルもそれに反論することなく、じっと男を見ていた。そして、一度深呼吸をすると、仲間達の間から前に出る。
「お前一人が俺と戦う、ということか?」
「……ああ、その通りだ」
確認のための言葉に、間髪入れずに答えたダリルに初めてカッセルの表情が動いた。ひどく気に喰わない、というかのように。
「そうか、レナンドやボリビエを倒したことで俺を越えられたとでも思ったか? 俺はあのような奴らとは違う。魔人としての力など、俺にとっては只の付属品に過ぎない」
「そうだろうな。少なくとも、俺があんたに戦い方を教わっていた時にはあんたはまだ人だった」
そう、その実力に関してはダリルが誰よりもよく知っている。人であったころから、カッセルの実力は群を抜いていた。
力だけのバルドン、頭でっかちなレナンド、男を誘惑することに長けていたボリビエ。そんな兄弟達とは一線を画していた。
ただその実力のみで四天王第一位の地位を勝ち取ったのだ。ひたすらに己を鍛え、実戦を繰り返し経験を蓄積していく。そうやって強くなってきた。
そんな彼だからこそ、ダリルの指南役として幾度となく剣を合わせてきた。そして、あの日まで一度として勝ったことはおろか、一撃を入れたことさえなかった相手だった。
そんな相手に、魔人化したことで身体能力・魔法共に数段強くなったであろう相手に挑もうとしているのだ。かつてのダリルを知るならなおの事、侮られたと感じても無理はない。
しかし、これ以上言葉で語ったとしても意味がないことだ。剣で、実力で分からせるしかないだろう。今のダリルはかつての弱者ではないのだと。
デリウスを潰すため、過去の清算をするためにあの日よりはるかに強くなったのだと。もはや越えられない壁ではない。越えなくてはならない相手に戦いを挑んでいるのだということが。
ダリルが静かに剣を構え、気と魔力を巡らせていることに気付いたのだろう。カッセルもまた話すことを辞めて剣を構えた。
ただでさえ重苦しい空間にさらなる重圧が満ちていく。互いの手を読み合い、間合いを測り、隙を探る。実力が近しい者だからこそ起きる、一種の静寂という名の膠着状態。
先に仕掛けたのはダリルだった。常人の眼には消えたかのような速さで踏み込むと、袈裟懸けに一閃、返す刀で切り上げ、さらに手首を返して首を狙う。
カッセルはそれを冷静に対処していく、袈裟懸けを半身になって躱し、返す刃をそらし、横なぎの攻撃を止める。
その顔には、先ほどまでの侮蔑はなかった。楽しそうに頬を緩ませると、喜悦を浮かべる。
「くくっ、なるほどな。随分、修練を積んだようだ。面白い、どこまで通じるか、見せてみろ!」
カッセルはダリルの剣を弾くと、今度は自分の番だとばかりに打ち込んでくる。剣線が残像を残してひらめく中、ダリルもまた余裕をもってその剣戟に対処していく。
お互いの腹を探り合うかのような打ち合いが続き、お互いの剣を弾き合っていったん距離を取る。激しく打ち合ってはいたものの、その時間はわずかに一呼吸ほど。
ダリルは再び間合いを測りながら、円を描くように移動する。デリウスの本拠地に奇襲をかけるとなった時、一番の障害になるであろう相手はこのカッセルだろうと考えていた。
他の兄弟達も厄介ではあろうが、相性次第で対処が可能だ。しかし、この相手だけは真っ向勝負を余儀なくされる。下手にこちらが小細工をすれば真正面から叩き切られるだろうと。だから、カッセルだけは自分が倒すと決めていた。
デリウスにいた頃、家族としての情を感じたことなどない。それでも、この兄だけは、カッセルとの間にだけは絆のようなものを感じていた。
一切の容赦も、手加減もなかった。それでも強さを求めてひたすらに己に修練を課すこの兄にだけは、尊敬にも似た何かを感じていたのだ。
ダリルが強さに憑りつかれていたのも、この兄の影響が強い。弱ければ奪われれるということを骨の髄まで教えてくれたのはデリウスという組織そのもの。けれど、強さが己の望む未来を手にする手段だと教えてくれたのはカッセルだった。
カッセルはただひたすらに強さを求めていた。なぜそこまで強さを求めるのかを聞いたことがあった。答えは至極簡単なもの。『強い相手と殺し合いたいから』だと。
強い相手と戦うには己も強くなくてはならない。そして、本気で殺し合うためにはその相手の敵でいなくてはならない。
カッセルがデリウスという組織にいるのはそういう理由だ。強い相手との本気の殺し合いがしたいから、そのためだけに全人類の敵であるデリウスに与する。
命がけの戦いの中にのみ生きる喜びと実感を見出す、狂った思考の持ち主だった。
それでも、それだけに彼の生き方はある意味真っ直ぐで、それはデリウスという歪みの中にいたダリルにとって眩しく映った。彼のようになれれば、自身もこれ程の苦痛の中で生きなくても済むのかもしれない。そう思えてしまうほどには。
養父によって光ある世界に出られたが、どこか居心地の悪さを感じていた。自分がいるべき場所は、生きる場所はここではないのだと思えた。
誰を見ても、何を経験しても心に響くことはなかった。だから、強さを求めた。強ささえあれば、自分が求めている何かが見つかるのだと信じて。
それは、ある意味正解でもあり間違いでもあったのだろう。強さを求めるあまり、ダリルは周囲の人々の思いやりに気付けなかった。しかし、強さを得たことで機会に恵まれた。
己の本当の居場所を知るための、そして本当の強さを得るためのきっかけは強さの上に得た地位が与えてくれたのだ。
今なら分かる。この異常なまでに強さと殺し合いを求める兄の歪みに。真っ直ぐだと思っていた彼もまた他の兄弟同様に歪みの産物であるのだと。
そして、他の兄弟同様己自身ではその歪みに気付いていない。気付いていないからこそ、己の内なる欲によって突き進むその道を疑ったりはしない。それが、かつての自身には真っ直ぐに歩んでいるように見えていただけのことだったのだ。
集中力を高め、意識を目の前の相手を打倒するためだけに整えていく。絆だと、情だと感じていたものはなんてことはない。ただの現実逃避に過ぎなかった。
そう思わなければ生きていくことが出来なかったから。何かにすがらなければ、何かがあると思わなければ立ち行かなかっただけだ。
今の仲間達が、居場所が、そのことを教えてくれたのだ。だから、自分もこの兄が知らないであろうことを教えようと思う。今まで一度だって知ろうとしなかったことを。
すり足で間合いを詰め、相手の息を吐くタイミングで踏み込む。その刃に闘気は乗れど殺気はない。だが、だからと言って殺す気がないというわけではない。
数多の強者と、そして魔人達と戦って得たこと。それは下手な殺気は刃を鈍らせるだけで何の意味も持たないということだけ。
常に殺気を乗せていれば相手に攻撃の先を気取られ、与えるであろう威圧も慣れてしまえば意味がない。
本物の殺気はここぞという時、本当に勝負を決める時だけでいいのだと。
そんなダリルの剣を、カッセルは眉間にしわを寄せながら受けようとする。気の入っていない、つまらない一撃だとでも思ったのだろう。
しかし、その一撃は容易くカッセルの剣を打ちあげる。驚いた表情を見せるも、そんなものは戦いの中において隙でしかない。
瞬きの間に振るわれた剣が、カッセルの頬を切り裂き、肩から胸にかけて浅い傷跡を残す。驚きは見せたものの、それで勝負を決められるほど甘い相手ではなかったようだ。
最も、それくらいダリルも承知の上だ。むしろこれで決められた方が拍子抜けするだろう。かつてこの男に対して感じていた強さは、こんなことで崩せるようなものではなかったのだから。
養父の元で剣を学ぶようになってもなお、ダリルの頭の片隅にこびりついている。剣の申し子と呼ばれた養父にさえ匹敵するであろうこの男の強さというものは。
「くくくっ、いいな、いいぞ。良くここまで高めた。それでこそ……それでこそ、殺しがいがある!!」
自身の頬に流れる血を手でぬぐい、肩を回しながら体の傷を確かめ、カッセルが嬉しそうに笑う。これこそが己の求めていた戦いだと言わんばかりに。
期待していなかった相手の予想外の実力の高さに、興奮が抑えられないようだ。対するダリルは無表情でそれを受け流す。まるで興味がないと言わんばかりに。
「そうか。この程度で満足か?」
今までダリルが見せてきた強さは、あのままレイチェルやキリル、カイルと出会わなければたどり着いていただろうものでしかない。
剣一つで、己の身一つでのし上がろうとしていたかつての自分。どれだけがむしゃらになろうと、一人ではここまでしかたどり着けなかった。
それは、カッセルにも言えることだ。彼はまさしく天才だったのだろう。一人で、誰の助けもなくあそこまでたどり着いた。だからこそ、知らないのだろう。
他者と研鑽し合うことで、誰かを守ることで、誰かを思うことで得られる強さというものを。個人では決して届かない、届かせられない高みというものを。
相対する相手を殺すだけでは得られない経験というものがある。自分の技を、強さを知る相手との再戦。それは自身が思っている以上の苦戦と工夫を強いられる戦いになる。それを、この兄は知らない。今まで戦ってきた相手すべてを殺してきたがゆえに。
この兄と剣を交えて生きているのは、この世界でダリルただ一人。であるならば、この兄は今日初めて知るのだろう。己の手の内を知り、同等以上の実力を持つ相手との戦い、それがどういうものなのかということを。
技を知られていることのやりにくさを、速さを気取られていることによる対応のされ方を、そして己を上回る相手との戦いというものを。
それが、ダリルに出来るカッセルへの手向けであり、過去を完全に乗り越えるということ。かつての越えられない壁を打ち砕き乗り越えるための通過儀礼だ。
「まだ先があるか? まだ強くなるか? ならばすべて見せて見ろ! その上で全てを蹂躙してやろう!」
自身が絶対的強者だと信じて疑わない。今まで一度として負けたことがないゆえの傲慢。それを押し通してきた普段からの研鑽。
だが、そんなものでは決して超えられない壁があるのだと今のダリルは知っている。今度は己が壁になろう。この兄の横暴から、自らの愛する者達や大切だと思える仲間達を守るための壁に。
「安心しろ。期待は裏切らないし、損はさせない。そして、あんたの無敗記録もここで終わる」
「何っ!」
言い終わる前に、ダリルは動いていた。先ほどまでがかろうじて目に追える速さだとすれば、それは完全に消えて見えた。
気付いた時には剣は振り下ろされており、長年の直感と無意識に動く体だけがその剣線を防いでいた。
カッセルの驚く顔を横目に、ダリルはひたすらに剣を振る。今まで積み重ねてきたすべてを見せつけるかのように。それでいて、相手の出鼻を、技や速さを完全に殺すように立ち回って。
カッセルは思わぬダリルの速さと力強さに押されるばかりではなく、己の動きが完全に読み切られていることに戸惑いを見せる。
何かしようとしても、その軸足を邪魔するかのように相手の体が入り込み、剣を振ろうとしてもその前に剣を打ちつけられて技につなげられない。
完全に手玉に取られている有様に、頭に血が上ってくる。違う、これは己が望んだ戦いではない。今までは自分がダリルの立場だった。
相手の動きを読み、その先を予測し、全てを潰し、全てを上回って蹂躙してきた。相手は命が尽きる前に剣が折れる前に心が折れていた。
だが、この有様はなんだ。混乱ばかりが心に広がっていく。なぜここまで上回られる。なぜここまで自身がいいようにされるのだ。
困惑と怒りのままにダリルを見れば、かすかに口元が笑っている。まるでこちらの混乱を見抜いているかのように。あざ笑っているかのように。
「ダリルっ! 貴様っ、何を……!」
「かつて、あなたが行っていたことだ。すべてにおいて己が上だと見せつける戦い方。俺の趣味ではないがあなたにはこれが一番実力を思い知らせるにはいいだろう、と思ってな」
そう、ダリルはやろうと思えばすぐに勝負を決めることもできただろう。相手が対処できない間に、対処できないだけの攻撃を行ってしまえばいい。
確かにこの相手は一対一の戦闘において、自身の養父に迫るほどの腕前を持っている。だが、実際に戦えば自身の養父が圧倒するだろう。
ありていに言ってしまえば、彼は強すぎたがゆえに経験が足りないのだ。それも自身と等しいか自身よりも強い相手との戦闘経験が圧倒的に不足している。
だから、自分の思惑以外の流れになった時に対応できない。すべてが後手に回り、それがなぜなのか理解できなくて困惑する。
「ここにいた時、俺はあなたに憧れていた。その強さがあれば、俺は誰かに必要とされる人間になれる、そう考えていた」
今もなお混乱の中、必死になってダリルの剣を受けているカッセルに言い聞かせるように語る。
「だが、強さとはそんな単純なものではなかった。戦えば簡単に勝てるだろう相手に対して、こいつには敵わない。そんなふうに思うこともあるのだと、ここを出て知った」
器、と言えばいいのだろうか。実力行使に出れば簡単に圧倒できるだろう相手に、敗北感を味わった。しかし、それは土を咬むような苦いものではなく、どこか心の憂いが晴れるかのようなさっぱりした感覚だった。
「あなたは強い。だが、それはあまりにも独りよがりな強さだ。そして、あなたは強い者と殺し合うことを楽しんでいたわけではない。自分より弱い者を圧倒的な力で蹂躙することを悦んでいただけだ」
カッセルが本当の意味で相手に求めているのは強さではなかった。強いと思っている者を自らの力で圧倒し、蹂躙し何をしても勝てないという相手の絶望を味わう。そのためだけに培われた剣だった。
だからこそ、カッセルの剣には重さが足りない。自分以外に何もないからこそ、その剣に宿る思いはあまりにも軽く、そして利己的だった。
「俺を強くなったと思うか? そうだろうな。それは、俺が一人で戦っているわけではないからだ」
だんだんと増えていく自らの体の傷に顔をしかめながら、カッセルはそれでもなお理解できないというふうに眉を顰める。
「あんたと戦うことを了承して、黙って見てくれる仲間。強襲作戦を任せてくれた各国の重鎮達、今もなお戦いの中にいるだろうかけがえのない友。何よりも、そんな彼らを裏切りたくない、そんな彼らの期待にこたえたいという俺の思いがある。それは、決してあんたの剣には宿っていないものだ」
ただ剣を振るっていた頃には知らなかった。決して負けられない戦いがあると、裏切りたくない、裏切れない期待があるのだということに。
その思いが宿る剣が、自らの欲望のみを突き詰めたカッセルの剣に負けるわけがない。負けてはならないのだ。
「そんな、そんな軟弱な剣に、この俺がっ!!」
だが、それもまたカッセルには理解ができない。生まれた時からずっと一人で道を突き詰めることだけに腐心してきた。誰の意見も思いも受け入れてはこなかった。そんな彼に、ダリルの思いが、言葉が通じるわけがなかったのだ。
「そうだ。あんたはこの俺に、あんたが軟弱だと呼ぶその剣に負けるんだっ!」
ダリルは感情の乱れと共にわずかに軌道のずれたカッセルの剣を打ちあげると、そのまま切り下ろす。それは左肩から入り右脇へと抜ける。
体を両断するかのような一撃に、カッセルはそのまま後ろ向きに倒れた。ぱっくりと割れた傷口から、砕けた魔石の欠片が、黒から赤に変わった血と共に流れ出てくる。
そうなってもなお、カッセルは己の敗北が信じられないような顔をしていた。
「ば、かな……、この、俺が、こんなやつに……」
ダリルはわずかに血の滴る剣をカッセルの喉元に向けた。
「俺はあんたと違って敗者を辱めたり、無駄に苦しめたりはしない。とどめを……」
「そんなはずがないっ! 俺は、俺は強い……これから先もずっと、戦って殺して、殺して……なのに、俺が死ぬ?」
魔人化が解けてもしばらくはその生命力は残り続けるのだろう。致命傷を受けているとは思えない強さで喚くカッセル。
「ああ、あんたは死ぬ。死ぬべき人間だ」
「そんな、はずはない。俺は……俺はこれからも……、死にたくな……」
最後まで言う前に、ダリルは剣を振り下ろしていた。たとえこの手で殺すのだとしても、その言葉だけはこの男から聞きたくはなかった。
数多の命を、無慈悲に奪っておいて、命乞いを鼻にかけずに振り切っておいて。今更、自らの死を厭うことなど許さない。
殺し合いとは自らの命を懸けた勝負だ。負ければ死ぬのは当たり前だと、そう言っていたのは他ならぬカッセルだったはずだ。
自分は死ぬ覚悟もなしにあれだけの人々を殺してきたのかと思うと、もう一度殺してやりたくなる衝動をかろうじてこらえる。
「ダリル、お疲れ様ですわ」
「おー、終わったな。にしても、ここまで来て頭がいないってことは……」
「ああ、おそらくは戦場だろう。我々もすぐに合流すべきだ」
精神的な疲労を見せるダリルに、アミルが声をかける。トーマも肩を軽くたたき、レイチェルは周囲を探って天井に眼を向ける。
「ああ、そうだな。まだ戦いは終わっていない。まだ残っている」
そう、まだ肝心の宗主達がいる。彼らを倒して初めてデリウスという組織を壊滅させられるのだ。
いまだ終わらぬ戦いに、レイチェル達は今一度気を引き締めるとまだ見ぬ戦場に思いをはせた。




