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レスティア物語  作者: マリア
第五章 動き出す歴史
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動き出す闇と迎え撃つ光

 カイルは足元に横たわるシモンを静かな目で見ていた。シモンは痛みを抑えるために何度か深呼吸をした後、カイルに眼を向けた。

「…………悪かった。俺がそう、だからって、テメェも……そうだとは限らねぇ、か」

 カイルは先ほどまでとまるで違うシモンの様子に眉根を寄せた。だが、こちらを見返してくるシモンの眼を見て、それが本気の光を宿していると分かったため、足をどけて剣を引く。

 高ぶった感情が急速に引いていくのが分かった。同時に、自分の未熟さも痛感する。これでは駄目だ。大局を見据え、時に己の心さえ殺せるようでなければデリウスとは戦えない。

「俺も、感情的になった。あんたが言ったこと、全部が全部間違いってわけじゃないから……」

 カイルが両親のことをろくに知らないのは確かだ。幼かったがゆえに向けられるはずだった悪意や憎しみから逃れられていただろうことも。何より、どんな理由があるにせよ、父親が人殺しであるということは、目の前にいる人物の家族を殺したことは紛れもない事実なのだから。


 カイルはシモンに手を差し出すが、シモンは目を閉じてそれを拒絶する。負けは認めても、情けをかけられることは良しとしないということか。

 慌てた様子で医療班が駆けつけ、二本の長い棒に布を張った担架に乗せて運びだしていく。痺れて筋肉が動かず、火傷もあるだろうが手加減はした。本気ならいくら龍の血族だろうと黒焦げになっている。

 ボロボロになった舞台の残骸の上で、カイルは小さくため息をついた。このことが後々の計画に悪影響を及ぼさなければいいが。と、意識を外に向けていく。

 決着がついたと思われる時から、仲間達はすでに動き出している。そして、今観客席のあちこちで動きがあった。そろそろかと、深呼吸をする。


『あっ、しょ、勝負あり!! 炎に包まれた舞台から銀の光が立ち上ると同時に起きた、閃光の逆転劇!! 縦横無尽に走る銀線に翻弄された紅き龍が、雷鳴と共に舞台に叩き落とされましたっ!! 下したのは第八ブロック代表、カイル=ランバートぉぉ!! 試合開始直後、誰がこの結果を予想したでしょうか!』

 歓声は上がらない。人は自らが持たぬ力に憧れと妬みを抱く。だが、あまりにも強大過ぎる力は、人知を超える力は純粋な恐怖しかもたらさない。

 あとから露見して態度を変えられるよりは、最初から知られていた方がまだましか。そんなふうに思い直しながら、カイルはどこともなく視線を巡らせる。

『王国の昇龍が没して十四年、かつての英雄を彷彿とさせる若者が、剣聖筆頭の座を勝ち取りました!!』


 司会者の声に、あちらこちらからポツリポツリと拍手が起きる。それはやがて漣のように広がっていき、会場全体を包む拍手と歓声へと変わっていった。

 平時なら恐れられるだけであろう力。だが、デリウスによる不安な情勢が広がる昨今、新たな力の台頭は未知であっても確かな希望として人々の眼に映った。

 いまだに黒雲は残るが雨はもう降っていない。その代わり、拍手が雨あられと降ってくる。舞台の中心に立ってその拍手の雨と歓声の波をカイルは静かに受け止めた。

 ああ、これなのだろう。かつて父が立っていた場所は。多くの歓声と拍手を受け、けれど戦いの場にいるのは、荒れ果てた大地に立つのはカイルただ一人。

 友もいる、仲間もいる、愛すべき人達も、家族も、共に戦ってくれる味方も。けれど、ふとした瞬間に感じる戦場における孤独。向けられる賞賛は心地よく、けれどどこか寂しい。これが、剣聖として立つということか。


 だが、そんな感想をかみしめる間もなく、遠く離れた場所から爆音が響く。距離はこの都市の外から。方角は……全方位。

 それに伴い、舞台に下りてくる人影と、観客席から飛び出す影に、歓声が一転悲鳴と怒号に変わる。共通しているのは顔を覆う黒いフード付きのローブを着ているということ。

 そして、次々にそのローブを脱ぎ捨て、その姿を露わにする。現れたのは誰もが黒い闇の魔力を纏った魔人もどき。半数以上虚ろな表情をしていることから強制的に従わされているのか。

 慌てて避難しようとする人々と、誘導しようとするも混乱によって右往左往する係員達。司会者の声も届かず、観客席はパニックに陥っていた。

 それを狙い、背中にある翼で空を飛ぶ魔人もどき達が攻撃を仕掛ける。ひときわ高い悲鳴が上がるのと、未だ残る黒雲から雷がほとばしるのは同時だった。


 まるで意志を持っているかのような雷は空を飛ぶ魔人もどき達を次々と打ち抜いて行く。

 全身から白煙を上げ、力なく墜落して行く彼らだが、地面に落ちることはない。影から伸びた闇の鎖に絡め取られ、影の中に引き込まれて姿を消して行く。その様子を呆然と見ていた観客達は、未だ鳴り止まぬ外からの轟音に我に返り次々と避難を再開する。

 だが、先ほどまでの狂乱は見られず少し落ち着いたようだった。係員も大声を張り上げながら誘導している。

 その様子を探知サーチで感じとりながら、視線は前に並ぶ魔人もどき達に向けている。

 十五人ほどいる魔人達の前にいるのがリーダーなのか、予想外の展開に悔しそうな顔をしている。


「何だ、貴様はっ! 何なんだっ!」

 彼らの計画では、決勝終了とともに優勝者を奇襲して下し自分たちの強さを見せつけると同時に希望をもくじくはずだった。

 会場に集まった人々だけではない。たとえ試合を見られずとも、今日の日のために各国から多くの人が集まってきている。そういった人々を標的に町の内外に魔物達を召喚し包囲殲滅をしようとしていた。

 町の警備は要人達が集まる会場周辺に集中している。すぐに対処することは難しいだろう。さらに、多くの人々が集まるために余所者がウロウロしていても目立たない。

 会場内でも似たような混乱と惨劇を起こすつもりだった。魔物達で陽動し、構成員達で要人の殺害と聖剣の奪取。人界中に大混乱と恐怖をもたらすはずだったのだ。


 それなのに、会場内に仕掛けていたはずの魔物召喚陣は不発。町中に現れるはずの魔物達や仲間達も沈黙している。唯一成功したのは町の外だけだ。

「その姿、龍の血族だろう! なら、なぜ邪魔をする!」

 あの黒雲をもたらしたのはカイルだ。ならば、先ほど魔人もどき達を撃ち落としたのもカイルだと気付いたのだろう。

「龍の血族の全てがデリウス付いたわけじゃないだろう? それに、俺はお前たちの敵だ」

  睨みつけてくる彼らを冷静に見返しながら答える。それと同時に踏み切った。唖然としたまま反応できない彼らが間合いに入ると、右手にかつて冥王より授けられた力を顕現させる。


 最初の内は呪文を唱えない限り顕現させられず、大きさも草刈り鎌程度だった。けれど、使い続けていくうちに、魔物達の魂を還元させていくうちに成長していった。

 今では柄の長さは身の丈ほど。刃渡りも一mを越えている。柄も刃も漆黒で、刃には血のような筋が走っている。

 この死神の鎌も聖剣と同じように意思があるようだ。聖剣のようにぺらぺらしゃべるわけではないが、自身が力を振るうべき場や還元する魂の量も理解しているようで、使い道を間違うことはなかった。

 そして、これは最近になって分かったのだが、冥王から授けられた力というのはこの死神の鎌だけではなかったのだ。これは授けられた力の一部に過ぎなかった。


 本来の力は、死神や冥王、そして神界に住まう神々の一部が持つという魂属性だった。魂を司り、命の根幹に触れられるこの属性は強力無比。相手の力に関係なく容易く命を奪うことも可能なものだ。

 冥王がこれを授けた時、それを説明しなかったのはカイルにそれを受け入れる素養があるかということやその力を悪用しないか見定めるためだったようだ。

 もちろんそのための保険は掛けられていた。万が一、カイルが私欲のためにこの力を使えば、たちまち命を落とすことになるだろう。

 人が持つには大きすぎる力でもあるが、今起きている事態を収拾し世界を守るために必要だったからこそ授けてくれた。それを無駄にはしない。


 一息に大鎌を振り切ると三人まとめて切り払う。しかし、傷もなければ血が流れることもない。そのまま反撃も許さず大鎌を振り、切り払っていく。切られた者は、ある者は魔人化が解けて人の姿に戻って気絶し、ある者は光の粒子となって消えていく。

 それを見て形勢不利と見たのか、あるいは魔人化して以来失っていた恐怖を思い出したのか、残った者達がカイルに背を向け翼を広げて逃げようとする。リーダーが止めようとするが、魔人化しても人の根幹にある生存本能は完全に抑えきることは出来なかったようだ。

 だが、忘れてもらっては困る。翼はカイルにもあり、飛ぶことだってできるということを。カイルは翼を一度羽ばたいただけで逃げる彼らの先回りをする。

 非情に思えようと一人として逃がす気はない。銀の光となって大鎌を振り回しながら宙を駆け巡る。そして、落ちていく者達は観客席と同じように闇の鎖が捕えて影に引き込み、光の粒子となって消えた者達はカイルが持つ鎌に吸収されていった。


 ただ一人残った魔人もどきのリーダーはただただ唖然として、体を震わせていた。こんなはずではなかった。こんなことがあっていいわけがないのに。

 こんなことが宗主に知れればどうなるか。いや、見ていないはずがない。となれば絶望的だ。王国での一件があって以来、この日のために万全を期してきたはずだ。どこから漏れたか、この大会を狙っているのではないかという噂は立ったが、それで大国が軍を動かすということはなった。

 多少警戒度は上がったが、所詮は脅威とはなり得ないと判断されてかねてからの計画通りに襲撃が実行されることになった。だというのに、これはなんだというのか。


 大会で優勝し、剣聖筆頭になるほどの実力者であっても優勝後の油断している隙をついて不意打ちし、会場の混乱の中この人数で攻めれば討ち取れるはずだった。

 それなのに、いざ仕掛けてみれば会場内や町の中に仕掛けていた召喚陣はなぜか不発。観客には逃げられ、襲撃するはずだった者達はことごとくが討ち取られている。しかも、逃がさないために出入り口に配置していたはずの者達が機能していない。

「……何を、何をした? こんなはずがないっ! 我らの力は……計画はこんなものでは……」

 計画通りにいかなかったとしても、それが目の前にいる相手のせいだとは限らないだろう。けれど、そんなことを考える余裕さえ失っていた。

 何より終始落ち着いて対処し、あまりにもあっけなく自分達を抑え込んだ得体のしれない相手が無関係だと思えなかったこともある。


 しかし、その問いに返ってくる返事はなかった。代わりに立つことさえままならない脱力感が体を襲う。リーダーは魔人化するまで魔力を持っていなかった。そして、魔人化して以来魔力を使い果たすこともまたなかった。

 だからこそ、気付かない。今自分を襲っている現象が魔力枯渇によるものだということが。かろうじて意識は残っているが、全身を光の鎖にからめとられ身動きも取れなくなる。

 それを見届けたカイルは意識を目の前から外へ向けていく。観客の避難は終了し、今は会場の地下にある避難所に集められているようだ。要人達も多少の混乱はあれど身柄の安全は確保できている。

 出入り口を封鎖するために配置されていた組織の構成員達は、クラウスをはじめとした彼の知人達によって制圧され役目を果たすことなく沈黙している。


 会場と町中に仕掛けられた魔法陣の撤去はうまくいったし、実際に発動するまで偽装してごまかすことにも成功した。これで被害は格段に抑えられるだろう。

 だが、不確定要素が多かったのは町の外だ。限定された空間内ならともかく、広範囲にわたる町の外への対処は難しく、下手にいじれば感づかれる可能性も高かった。

 何より、この戦いは被害を出さないようにするだけではない。こちらの持つ戦力を知らしめることで相手を牽制する必要もある。そして、楔を打ち込む絶好の機会でもあった。

 今町の外で魔物達を抑えているのはレイチェル達とクロ、そしてこの日のために集まってもらっていた少数精鋭の実力者達だ。デリウスの密偵達がこの大会のお祭り騒ぎのおかげで入り込みやすかったように、実力者達を自然な形で集めることもまた容易だった。


 そして、彼らは商国の商人達の護衛という形で入国している。警備隊や軍、ギルドには注視していたようだが、他国からくる商人の護衛までは調べていなかったようだ。

 今のところ拮抗しているというよりは押しているようだが、数が数だ。彼らだけで対処するには難しいものがある。異変に気付いた警備隊達や腕に覚えのある者達が参戦してくれる可能性は大いにあるが、それでは犠牲が出る確率も上がる。

 後々領分の問題は出るかもしれないが、ここは当初の予定通りに行かせてもらおう。カイルはこの日のためにずっとためてきた魔力を解放しながら呪文を紡ぐ。さすがにこの魔法は無詠唱では行使できない。


「数多の獣を統べる守護者にして自然の覇者なる存在よ、今こそ盟約によりて来たれ。獣の嘆きを合図とし我が名と血と時を持ちてこの地に楔を穿つ。『守護龍召喚ドラゴンズゲート』」

 カイルの詠唱と共に会場の上空にあった黒雲が掻き消え代わりに巨大な魔法陣が浮かんでいた。その魔法陣にごっそりと力を奪われる感覚に軽いめまいと耳鳴りを覚えながら、ぐっと足に力を入れて耐える。

 魔法陣は七色の光を放ちながら収縮し変化していく。そして、現れたのは巨大なゲートだ。それも通常の空間魔法によって生み出される空間扉ゲートとは違う。領域を行き来する際に用いられるそれだ。

 そのゲートからスルリと姿を現したのは六体の長大な姿をした龍。それぞれに異なる体色をしているが、大きさはほぼ同じだ。


 体をくねらせながら会場の上空まで来た龍達は眼下を視界におさめ、そこに立つ一人に視線を集中させる。

『時が来たか、若様』

「ああ、頼めるか?」

『任されよ、眷属達の命を無為に使われること、許すわけにはいかない』

 その中の一体、全身が真っ白い龍と真っ黒い龍がそれぞれカイルに声をかけると、六体はそのまま分かれて方々へ飛んでいく。

 それを見届けたカイルは指を弾くと、舞台の残骸を消し去り舞台があった場所の空間をできる限り拡張する。元の十倍ほどの広さになった空間の中に立ちながら、カイルは複数の空間扉ゲートを作り出す。その数は龍の数と同じ六つ。そして大きさは通常の空間扉ゲートよりはるかに大きい。


 下準備を終えたカイルは、先ほど大きな魔法を使った時の反動が消えた頃を見計らい、次の魔法行使に移る。龍達に追従させるようにして開いた空間扉ゲートの向こうは戦場。数多の魔物がひしめき、ドラゴンと魔獣達が続いている。

 空を翔ける龍達は魔物達を飛び越え、その後ろにいる魔獣達の元に向かっている。その際、防衛線を抜けようとしている魔物達をついでに薙ぎ払っていく。

 本来人界にあるべきではない魔の者の数と種類、それが一同に集まり死んでいくことで大量の瘴気が放出され、魔界を彷彿とさせるような赤い霧が発生している。

 数十体程度なら一度に放出されても人体に影響があるほど瘴気が溜まることはない。だが、数百数千数万となると事情が変わってくる。

 王都襲撃の時にも瘴気障害と思われる症状が出た者がいるという。意図したわけではなかったが、クロが魔物達の大半を飲み込んだおかげで瘴気による死者が出なかった。


 だが、今回はそれが分かっている。だから、カイルは繋がった空間扉ゲートを通じて瘴気を手元に集めていく。

 これは魔人としてのカイルの能力の一つであり、カイルの糧が瘴気だったからこそ可能な技能でもあった。六つの空間扉ゲートから赤い瘴気の筋が伸びてカイルの手元に集まり徐々に大きくなっていく。

 これが次の魔法にも必要になるので一石二鳥だ。魔物達の殲滅と同時に増えていく瘴気はすでに人一人よりも大きな塊になっている。それがさらに一回り大きくなる頃、次なる魔法を紡ぐ。

「闇より暗き場所より現れし魔なる者を統べる存在よ、盟約によりて出でよ。瘴気を導に我が名と血と時を持ちてこの地に楔を穿つ。『魔軍召喚デモンズゲート』」


 カイルの前に集結した瘴気の前に直径三mほどの魔法陣が現れる。先ほど空に現れた魔法陣よりずっと小さいが、感じる威圧感は変わらない。そして、その魔法陣に集結した瘴気が吸い込まれていく。

 二度目となる脱力感を感じながら、カイルは目の前で形成されていくもう一つのゲートを見ていた。これからのデリウスとの戦い、そして今後の人界の守護のために必要となる措置。この場だけではない、将来的な安全のためにも必要な対抗策。

 代償は大きくとも、それを払うのがカイルであるならば問題ないともいえる。むしろ、カイルでなければ払うことのできない代償というべきだろうか。だが、それに見合った効力はある。


 形成されたゲートから現れるのは懐かしい面々。四天王の中で武闘派と言えるディルクとルアース、そして彼らが率いる魔王軍精鋭数十名。

 本来であれば誰一人として人界に降り立つことはないであろう最高位の妖魔や魔人達の軍勢だ。彼らも初めて降り立つ人界の地に感慨深げだが、正面に立つカイルに気が付くと一様に笑みを浮かべた。

『よぉ、久しぶりだな。来てやったぜ。魔王様の命令もあるからやることはやってやる。だが、今度また戦おうぜぇ』

『フフフ、その姿もなかなか優美でいいね。さて、僕は僕の仕事を終わらせるとするよ。華麗に、かつ迅速に。それが高貴なる僕の証明となる』

 相変わらず自由な連中だと思う。けれど、この場においては誰よりも心強い援軍でもある。四天王の二人は一人で、それ以外の面々は四つに分かれるとそれぞれ別の空間扉ゲートを通って戦場へと向かっていった。


 その様子を、身動きも取れずただ茫然と見ているだけだったデリウスの構成員。その眼は限界まで開かれ、先ほどから立て続けにさらされてきた次元の違う者達の存在感に圧倒されていた。

「……馬鹿な、これは、なんだ? 一体、何が……」

「言っただろう? 俺は、お前達の敵だって。俺は全力でお前達の思惑を阻止し続ける。これ以上デリウスの好きにはさせない。これが、俺の宣戦布告だ!」

 これからデリウスがどのような闇で世界を覆いつくそうとしても、それ以上の光で打ち砕いてみせよう。あらゆる力を集結させ、多くの味方と助力を得て、いつか必ず打ち倒してみせる。

 父親の代から続いた戦いを、カイルが終わらせる。そして、いつの日かきっと夢を叶えよう。約束を果たし、愛する人と穏やかな日々を過ごせるように。

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