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レスティア物語  作者: マリア
第五章 動き出す歴史
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怒涛の決勝戦

 本日三回目になる舞台の上に登りながら、カイルは同じく舞台に上がってきた対戦相手に視線を向ける。一・二回戦ともほぼ無傷で余力を残して勝ち上がってきた相手だ。

 燃え上がるような赤い髪と赤い眼をした、二十代半ばくらいに見える男性。開会式の時に舞台上で会った時から分かった。

 獣界で龍王城や龍の里にいた時に感じていたのと同じ、龍の血に連なる者の独特の匂いとでもいうべきもの。龍属性を使いこなせるようになるまでは分からなかったが、今のカイルなら分かる。

 目の前にいるこの男性もまた、カイルと同じ龍の血族であるということが。髪や眼の色を見なくても感じられる。濃密な炎の気配を漂わせていることから、彼が炎属性の龍の血を引いていることも。


『さあ、いよいよ残すところもあと一試合となりました! 決勝に残った二人、いずれも一・二回戦を余力を残したまま勝ち残っております。それでは、改めまして選手の紹介をさせていただきます!!』

 相も変わらずテンションの高い司会者だと思う。開会式の時からあの調子で疲れないのだろうか。まあ、彼はあれが仕事なのだし、観客も盛り上がっているからいいのだろう。

『第三ブロック代表! ハンターギルドXランク『紅蓮の赤龍』! シモン=アスナールぅぅぅ! 武国の若き龍は今回も魅せてくれるのか!! 圧倒的な火力と人間離れした身体能力から繰り出される剣技は驚異の一言! 猛る炎をどう攻略していくのか!!』

 そう、一・二回戦においては舞台の上を炎が覆い、逃げ道を奪った上で龍の血族の力を持って振るわれる剣に誰もが押し切られて負けていた。


『対するは第八ブロック代表、ランクに見合わぬ実力を見せつけたカイル=ランバートぉぉ!! 剣聖ロイド様が亡くなられて間もなく十四年。王国に再び英雄が現れるのか!! 体躯に見合わぬ力と目にもとまらぬ速さで対戦者を下してきた! いまだ底の見えぬ実力はいかほどか!!』

 シモンの時だけではなく、カイルの紹介の後にも一回戦が始まった時にはなかった歓声に包まれる。一・二回戦の対戦相手が強かっただけにそれを倒したカイルもまた認めてもらえたらしい。

 シモンはカイルの持つ剣よりは大きく、けれどブルーノの大剣よりは小さい長剣を抜いていた。生産者であるカイルの眼から見えも名工の一品だ。


『それでは、頂点を決める決勝戦、開始です!!』

 司会者の合図と同時に、シモンが舞台をたたき割る勢いで間合いを詰めてくる。膨大な龍の気と魔法を合わせた強化により、一瞬で十mほどあった距離がつめられる。

 カイルは冷静に強化を施すと相手の攻撃を受け流していく。金属の打ち合う音と火花が舞台上に散るが、それを起こす本人達を見ることが出来る者はどれくらいいるだろうか。

『こっ、これは、何ということかっ!! わ、わたしの眼には戦う二人の姿を捕えることが出来ません! 舞台上で飛び散る火花と煌く剣線が二人の激しい戦いを物語っているっ!』

 司会者の興奮した、けれど少し残念そうな声を聞きながら、ギラギラとした目でこちらを見ているシモンの攻撃を受け止める。荒々しくありながらも基本を踏まえた剣はぶれることがない。


「よぉ、ルーキー。思った以上にやるじゃねぇか」

「そりゃどうもっ」

 つばぜり合いの最中、カイルだけに聞こえる声でシモンが話しかけてくる。まだまだ余裕があるようだ。それはそうだろう。シモンは炎を使っていない。

「なぁ、お前……お前も龍の血族だろ?」

 カイルがシモンを見て龍の血族だと分かったように、シモンもまたカイルを見てそうだと確信しているらしい。まあ、龍属性を多少なりとも使えるようになれば当然のことだろう。

 カイルが黙ってシモンの意図を探っていると、無視されたと思ったのかそれとも見破られて対策を考えていると思われたのか、さらに続ける。

「とぼけるなよ? その体であの力に、人とは違う気。龍の血族じゃなけりゃあり得ねぇ」


 龍の血族が他者から恐れられるのは、見かけは普通の人と変わらないのにその身に秘める力が人間離れしているからだ。そして、それは龍の血が濃ければ濃いほど顕著になる。

 現に、シモンもカイルよりはよほど体格がいいが、ブルーノには及ばない。それでいてブルーノを上回るほどの筋力を有しているのだ。

「それが?」

 別に否定する気も隠す気もない。そんな思いを込めて答えたのだが、シモンにとっては予想外の切り返しだったのか、しばし目を見開いて言葉を失う。だが、すぐに元のようにギラギラした眼に戻った。

「ほぉ、分かっちゃいるんだな。なら、本気を出しても大丈夫だよな?」

 嬉しそうに、だがどこか嗜虐的な表情を浮かべたシモンに眉をひそめていると、シモンが纏う炎の気配が濃くなってくる。


 そのことに警戒したカイルはいったんシモンから距離をとって体勢を立て直す。本気でないことは分かっていた。だが、あえて確認を取る理由は何だろうか。

「俺はな、ガキの時から言われ続けてたよ。決して本気を出しちゃならねぇ、その力を感情のままに振るっちゃならねぇってな。分かるか? 爆発しそうな力を抱えて、それでも押さえ込んで生きなきゃならねぇ窮屈さが。強くなればなるほど、俺は本気で力を振るうことが出来なくなっていったんだ」

 シモンの言葉は一部理解できる部分がある。カイルもまた、この体には収まりきらないほどの力を抱え、それを抑え込んで生きることを余儀なくされている。だから、こういった戦いでその一部といえど解放することに快楽のような、歓喜のような感覚を覚えることは。

 けれど、カイルはその力をむやみやたらと振るいたいとは思わない。力を秘めていても扱えずに、無力感を抱きながら傷つけられてきた過去があるから。

 暴力的な本能に突き動かされ、危うく取り返しのつかない過ちを犯すところだった経験があるから。大切な人達のそばにあるために己の力を抑えることに苦痛など感じない。


 だが、シモンは違うのだろう。常に抑圧され続けてきた力を解放できる時をいつだって望んでいた。そんな相手を渇望していたのだ。ならば、今こそ、同じ龍の血族であるカイル相手なら、それができると。

「お前は違うのかよ? さっきはご立派なことほざいてたが、テメェを虐げてきた奴らに力を見せつけてやりたいとは思わねぇのか!」

「……見返してはやりたいし、そのつもりでもある。だが、言ったように俺はこの力を短絡的な復讐のために使う気はない」

 カイルの答えにシモンは馬鹿にしたような、失望したような顔になる。同じ龍の血族であり、力持つものとして共感して欲しかったのだろうか。あいにくと、そんな段階はすでに超えている。

「はっ、ははっ、くっだらねぇ! いくらテメェが受け入れようが、高い志を持とうが関係ねぇ! 俺らみてぇなバケモンは所詮人として扱ってなんか貰えねぇんだよ!! 保護なんて名目で首輪をつけて、仲間に入れてもらえる見返りに命をかけて守ることを強要される! それができなきゃ、たちまち討伐対象だ。俺らの意思も夢も関係ねぇ! そんな、都合のいい道具扱い、デリウスの奴らとこいつらの何が違う!?」


 シモンの叫びに、高まっていた歓声が消えて静まり返る。高い能力を持っているが故に、人と変わらぬ姿形をしている故に、龍の血族は時に恐れられ、迫害される。

 何も悪いことなどしていないのに、人と違うというだけで奇異な目で見られる。戦いたくなどなくても、あてにされ当然のように前線に立たされる。

 力があるなら、それを誰かのために使うのが義務であるかのように扱われる。その気持ちは分からないでもない。自ら望んで得た力であるとはいえ、その重責に望まぬことであっても享受しなければならなかった父を知っているから。

 偶然発現した力によって、家族から捨てられ見知らぬ人達の期待を背負い、脆弱な体をおして人々を癒し続けていた母を知っているから。

 シモンもまた、そんなふうにして自分の意志ではない部分で、ただその力があるというだけで期待と責任を背負って生きてきたのだろうか。


「……違うだろう? あいつらは悪意でもって利用するだけだ。けど、あんたの周りは本当にそんな奴らばっかりだったのか?」

 激高した様子のシモンと正反対に冷静な言葉を返すカイルに、シモンは食い殺してやるといわんばかりに睨み付けてくる。だが、否定しないということは図星なのだろう。

 考えればわかることだ。ギルドランクは強さの指針であると同時に、寄せられる期待と信頼の証でもある。いくら強かろうと、信頼できると判断されなければ試験に通らない。それが通ったということはシモンはそれだけの信頼と期待を寄せられているということ。

 それが重いというのも事実なのだろう。けど、きっと利害関係も損得も抜きでシモンを信じてくれている人はいるだろう。頼りにしている人も、守ろうとしてくれている人も。

 そもそもにおいて、人界大戦以後立場の悪くなった龍の血族達が今も生きていられるのはそうした善意によるものだ。保護は同じ血を引いている、あるいは同胞であるというだけで理不尽な憎しみによる迫害を極力減らすためにある。


 それを思えば、感謝こそすれそれを迷惑に思う理由がどこにあるのだろうか。現に今、シモンに歓声を送っていた人々はシモンの強さに憧れ畏怖を抱こうと拒絶などしていないのだから。

「……俺の親父と兄貴は人界大戦でデリウスの側に付いた」

 低い、唸るような声で告げられた言葉にカイルは息を飲む。今まで龍の血族に会うことはほとんどなかったし、まして人界大戦においてデリウス側に付いた者の家族が今目の前にいるなどとは思ってもみなかった。

「そんで、二人とも……剣聖ロイドによって殺された」

「っ! ……そう、か」

 分かっていたつもりだった。父が救った者がいれば、同時に殺した者がいたということは。そのうちの二人は同胞である龍の血族であり、今目の前にいる男の家族なのだと。

 父を責めるつもりはない。カイルとて、似たような状況で同じ境遇にある孤児達を殺してきたのだから。殺す側だったのだから。そして、孤児達と違って父が殺した者には当然家族がいたのだ。


「残された俺と母親がどんな扱いを受けたと思う? 毎日人殺しとののしられ、石を投げられ、罵声を浴びせられてた。それがどうだ? ちっと力を付けりゃ、やれ英雄の卵だ、期待の新人だの、勝手なことばかりほざきやがる!」

 ああ、なるほど。と、カイルはどこかで納得できた。シモンがこんなことを話した理由がようやく分かった。彼は分かってほしかったのだろう。

 同じようにして、そしりを受け迫害されてきた過去を持つカイルに。かつての自分と同じように脚光を浴び、手のひらを返されたかのように賞賛されることで抱く行き場のない憤りを。

「どうせお前も同じだ! いいように利用されて、役に立つ間はちやほやされる。けど、一度でも牙を向けばあいつらは簡単に敵に回る。それで、どうして理想を語れるっ! テメェの親だって人界大戦で殺されたんだろうがぁ! 残された俺の母親はな、そんな人々の眼に耐え切れずに一人でさっさと死んじまった。俺が生きていくにゃ、飼われる以外なかったんだ! それも、受け入れろっていうのかよっ!!」


 立場も境遇も生きてきた場所も違う。けれど、今目の前に立つシモンもまた大戦によって生まれた孤児だ。カイルのような路地裏でなかったとしても、多くの心無い大人達の目にさらされて、一人で生きてきたのか。

 殺した者の家族と殺された者の家族。奇しくも剣聖筆頭を決めるこの大会の決勝で相見えたのは偶然か運命か。どちらにせよ、決着は付けなくてはならない。この試合にも、そして家族の罪に関しても。

「…………利用されるだけなのが嫌なら、あんただって利用すればいいだろう? それとも、Xランクの恩恵は大したものじゃないとでも? ちゃんと見てもらえるだけありがたいと思え! 理想を語るの何て自由だ! 好きなだけ語ればいいだろう? 嫌われて敵対されるのが怖くて理想を語ることもできないくせに、何が飼われるだ、受け入れるだ! 生かしておいてもらいながら、受け入れてもらっておきながら、甘えたこと言ってんじゃねぇ!」


 まるで子供の喧嘩のように舞台上で言い合う二人の声は静まり返った会場によく響いていた。最初は冷静に返していたカイルだったが、シモンの言葉にだんだんイラついてくる。

 確かにシモンも大戦の犠牲者の一人であり、孤児なのだろう。恐らく母親は自殺、一人残されたシモンは”保護”を受け入れることを余儀なくされた。だが、それの何が不満だというのか。

 そうやって救い上げられることなく、誰にも見てもらうこともできずに孤独に死んでいった孤児達がどれだけいると思っているのか。親に捨てられ、大人達に道具以下の扱いをされ使いつぶされた者がどれほどいると思っているのか。理不尽に命を奪われた者がどれほど。

 期待と重責は呪いのようだと言っていた。けれど、同時に支えであり力でもあると。多くの人に支えられ、認められ、希望を託され初めて英雄は英雄足りえるのだと。それに見合うだけの恩恵だって受けているのだと。


 それを知っていて、気付いていながらこんなことを言うなら愚か者だ。だが、それを知らない、気付いていないというなら救いようのない大馬鹿者だ。年上だろうと、成人していようと関係ない。

 人の好意も素直に受け取れないひねくれ者には、力づくでも分からせてやる。自身が苦しい時、辛い時にこそ寄り添ってくれる存在が、自分が知らないところで自分を支えてくれているのだということを。

 シモンの強さだけではない、シモンという存在そのものを受け入れてくれている存在も確かにいるのだということを。それを知らない限り、シモンはどちらに転んでもおかしくない場所にいる。みすみすこれほどの実力者をデリウスにくれてやることなどできないのだから。


「甘えだと? この俺が、恐れているだとっ! 舐めたこと言ってんじゃねぇ! 上等だっ! 同胞のよしみで手加減してやろうかと思ったが、もう遠慮なんかしねぇ! ぶっ潰してやる!」

 シモンの体から濃密な魔力がほとばしり、舞台の上を赤く染め上げる。同時に紅い光に包まれたシモンが再び姿を現した時、会場に大きなどよめきが起きた。

 カイルも剣を握る手に力を入れながら、変化したシモンの姿を見据える。まさか、人界に龍人化できるほどの龍の血族がいるとは思わなかった。

 龍の血族はその血の濃さによって有する力も、変化できる姿も異なる。通常は人と同じ姿形だが、場合によっては龍人と同じように翼と尾と角を持ち、強靭な肉体と強大な魔力を有する姿に変化することが出来るのだ。

 カイルはそれをさらに飛び越えた龍化までできたが、修練を積むことで龍人化も会得している。シモンが龍化できるかどうかわからない。けれど、龍人化した今のシモンはこれまでとは桁が違うだろう。


 そんなシモンの炎と魔力に舞台に張られている結界がきしみを上げ、設備の不備があった時などに控えていた大会役員達が慌てている。この結界が崩れてしまえば、致命傷を負ったとしても転移されず、怪我を移し替えることもできない。

「テメェもさっさと本性見せたらどうだ? それとも、出来ねぇか?」

 舞台を覆う炎よりも紅い翼と、紅い鱗と鬣を有した尻尾。そして、宝石のように煌きながらも強烈な熱気を発する二本の角が紅い髪の間から生えている。翼爪の数は三本。龍によって翼爪の数が異なり、それが多くなるほどに高位の龍になると言われている。

 三本ということはかなり高位ということになる。なぜなら、龍王以外に五本の翼爪を持つ者はおらず、その側近達で四本。三本はある意味一般の龍の中では最高位と言えるのだ。

 じりじりと肌を焼く熱気と迫りくる炎を見ながら、歪んだ笑みを浮かべるシモンを見る。確かにこんな力を持っていたのでは恐れられもするだろう。自由に力を振るうこともできない。


 だからといって、それを不満に思うくらいならまだしも、世話になってきただろう人達に敵意を向けるのは違うだろう。未だ反抗期から抜け出せない大人など厄介でしかない。

 この後に備えて余力を残して勝ちたいところだったが、これを止めるとなると簡単にはいかない。こちらもある程度の消耗は覚悟しなければならないだろう。

 そう思いなおして剣を構えたカイルに、文字通り火の球と化したシモンが突っ込んできた。赤熱した剣に焼き切られることがないよう、魔力を流して強化し、その上で氷属性を付与した剣で受け止める。

 ジュッという音と共に蒸気が上がり、熱い風が頬を撫でる。上昇気流で髪が煽られるをの感じながら、至近距離でシモンとにらみ合う。


 シモンの父と兄を殺したのがカイルの父親だと知ったら、彼はどう思うだろうか。そのことをカイルが償う必要はないのかもしれないし、シモンだって今更求めてはいないだろう。

 いくら殺されたとはいえ、自ら敵対する道を選んだのは彼ら自身なのだから。しかし、己には非のない家族の罪を背負い、償わされることを許容せざるを得なかったシモンの心情はそう簡単には整理できないに違いない。

 なら、カイルはかつて同胞達の過ちを止め、デリウスの支配から救おうとした父と同じく、家族の犯した罪に苦しみ歪んでしまったシモンを止めよう。

 そう決意したカイルに、歪んだ笑みを浮かべたままだったシモンの口が動く。炎と破壊される舞台ときしむ結界の音にかき消され、カイルにしか聞こえなかったその言葉を聞いた瞬間、そんな決意も吹き飛んだ。目の前が真っ赤になるような、頭が真っ白になるような怒りと共に、銀の光が会場を包んだ。

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