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千の魔術に導かれて  作者: しろうとしろう
序章
9/26

真実と信実?

今回は調整というか、なんというかいろんな都合上短くしました。

「ふぇ??」


(ルーマッシュが死んだ??そして、俺が殺した??な、何を言っているんだこいつら?いやこれは、夢なんじゃないか?そうだ!夢だ!ゆめなんだよ!!だって、初めて飲んだお酒で二日酔いをしないはずがないじゃないか!!ほーら、目を瞑れば………)


 そして、ゆっくりと目を開けるとそこにはやはり騎士がこちらへ向かってきていた。


「い、いや!なんかも間違えだろ!!」


 声を荒げて間違えである。自分は何もやっていないと言う事をアピールする。


「そ、そうですよ!!ご主人様は何もしていませんよ!!だって、だって…」


 肝心なところでニーニャは顔を赤くして黙ってしまう。


「猫は黙っておれっ!貴様らにしゃべる権利などないのだからな!!」


 一喝してニーニャを黙らせる仮面の騎士。


「で、でもなんでおれが??」


「なぜとは?簡単な話であろう、酒場のマスターがルーマッシュ様が殺される直前まで貴様と一緒に飲んでいたという情報を入手している。さらに、ルーマッシュほどの実力者を倒すには最低でもゴールドランクの冒険者ではないと太刀打ちができない。貴様はちょうどゴールドランクの冒険者だ、だからこそ貴様が怪しいのではないかっ!!」


 イサムの聞き分けの悪さに苛立ちを露骨にしだす騎士達。

 すると、意外なところから助け舟が入る。


「…な〜に、いさむ〜3回もやってもまだ満足できないの〜」


 っとルーサーが起きながら呟く。そして、続ける


「イサム…朝早くからやるっていうのは無しにしてよ〜〜寝起きは体力ないからさ〜〜」


 焦点があっていないというか、何を言っているのかよくわからない事を言っているルーサー。

 ルーサーの格好は酷くだらしない。昨日の夜、営みをしてからそのまま疲れ果てて寝てしまったような格好をしている。


「き、貴様っ!なんて、破廉恥な格好をしているのかっ!??」


「はれんち…??これはイサムがニーニャとヤッてた勢いで私も〜…………ってあんた誰?」


 焦点が騎士に合わさって、現在に帰ってきたようだ。


「わ、私はこの者を捉えに来たものだ!!」


「そう…なんでイサムを捕らえようとしに来てるの?」


 起きたばかりとは思えないほどの思考速度で今起きている事態をルーサーはやってのけたようだ。

 どうやら今がどのような状況なのかも理解できているのであろう。


「それは、こいつがルーマッシュ様を殺したからだ!」


「ふーん、いつ?」


 なにっ?と騎士達に驚きが漏れる。


「昨日の昨晩から今日の朝にかけてだ」


「そう、ならイサムはできないわね」


「なん…だと!?? なぜ、そう言い切れる女!」


「なぜって、そりゃ〜その時間帯はずっとイサムは私たち二人を相手にしてたからね〜」


 "そりゃ〜その時間帯はずっとイサムは私たち二人を相手にしてたから…"二人を相手に…"フタリヲアイテニ??


 一瞬にしてその場の空気が凍る。イサムはなんて事を…と倒れ込み、ニーニャは昨日の激しい事を思い出してショート、騎士達は唐突な告白に動揺を隠せずにいた。


「そうよ、イサムは酔っ払って帰ってきた後にニーニャを押し倒して居たわよ。確か…本当に帰ってきてすぐだったかしらね、その後、ニーニャじゃ満足できなかったのか、私の初めても奪っていったのよこの人!!」


 初めてを奪っていった…はじめてをうばっていった…ハジメテヲウバッテイッタ…


(な、なんですとーーーーーーーー!???)


「だから、イサムには、そのルーマッシュって言う奴を殺すのは不可能よ。おわかり?」


 騎士達は現状の把握ができていないらしく、口をパクパクしている。


「お望みなら昨晩の状況を再現しましょうか?」


 ニヤッと悪い笑みを浮かべると、


「し、失礼しました〜〜〜〜〜〜!!!!」


 仮面をつけた騎士達は帰って行ってしまった。

 かくして、イサムの罪は晴れたのであった(色んな意味でな)。



 @



「えー大変、申し訳なく思っております。すみませんでした!!!」


 帝国の騎士達が帰ってから現在に至るまでイサムはいわゆる"ジャパニーズ DOGEZA"をしていた。

 そのDOGEZAをしている相手は、昨日酔った勢いで貴重な初めてを奪ってしまったルーサーに対してである。


「いいって言ってるじゃんか」


「いや…だって女の子の初めては大切なものだって聞いてるし…」


「いいのいいの。いつかは誰かに奪われるものだし…まー確かに、自分の心に決めた人に奪われなかったのは、残念だけど、イサムだったら全然いいよ」


 笑顔でこうは言っているが、実際のところは全然わからない。一応、この後ニーニャにも謝ったのだが「私でよろしければ…いつでも…したくなった時は……いつだって……」と言って耳まで真っ赤にしていたのを覚えている。

 かくして、おれにかかった疑いは無事解かれたのだが…スッキリとしない解決であった。



「どうされますか?ルーマッシュさんを殺した犯人を突き止めますか?」


 正気を取り戻したニーニャが提案した。

 確かに、かかった疑いを確実に晴らすというのもありであると思うが


「いや、やめておこう。これ以上首を突っ込んで変な疑いをかけられるのはごめんだからな…」


「最善ね」


 風呂上がりのルーサーが言う。

 ルーサーはニーニャよりも胸があり、さらには現在のタオル姿が大人の女の魅力を強調していて実に素晴らしい。



 その後、ニーニャと共に昨日の続きをしに郊外にある開けた場所を目指した。

 今回はルーサーも"イサム達が何をやっているのか気になるからついていく"としてついてきた。


「いくぞっ!!ニーニャ!!」


「はい!ご主人様!!」


 2人の鍛錬が始まるのであった。





 〈帝都・ローマ〉のとある一画のとある一室。


「それで…守備はどうだね?」


 小太り気味の男が尋ねる。


「ええ、守備は順調です…このままいけば首を据え変えることもできるかと…」


 やせ細った男が答える。


「ふむふむ…大金をはたいて暗殺者(アサシン)を雇って正解であったな」


「そうでございますな。大金をかけた故に勝ってもらわねば困りまするから」


「なーに、ダイヤモンドランクのやつは消えたのだろ」


「はい、ルーマッシュのやつは消えました」


 やせ細った男はにんまり顔をしてルーマッシュが消えた事に喜ぶ。


「目の上のたんこぶさえ抑えられれば、なんとかなるかと」


 そして、その部屋に悪の笑いが響き渡る。



 @



 あれから、また1週間がたった。

 ルーマッシュを殺した犯人は今だに見つかっていないようであったが、どうやらあの付近で怪しい黒づくめの痩せた男が不審な行動をしていたという情報があり、騎士団は躍起となってその痩せた男の捜索に乗り出していた。


 イサムとニーニャは相変わらずいつもの場所で鍛錬に励んでいた。たまにルーサーも一緒に混ざることがあるのだが、基本的にルーサーは街で物見遊山をしているようであった。

 いつものように鍛練を終えて旅館の自室に戻るとルーサーがプンプンしていた。


「おそい!!」


「悪い…早く戻ろうと思ったんだけど、ついつい模擬戦に夢中に…」


 というのも、イサムが改変した型をニーニャが完璧に扱えるようになったために格段と模擬戦の時間が延びた。初めの頃は、一戦あたり2、3分で終わっていたのが気付けば15、6分も戦うほどになっていた。これは一重にニーニャの吸収の良さにあるのだろう。

 最近では、いつニーニャに腕が抜かれるかとおびえていたりした。


「今日は大切な話があるから早く戻ってきてって言ったよね!!」


 笑ってはいるが、目が笑ってはいない。ここは素直に謝っておくのが通りである。


「すみません。それで今回はなんのご予定なのですか?」


「よろしい…まずはこれをご覧なさい」


 ルーサーは羊皮紙を何枚も手渡してくる。そこには、誰だかよくわからないけど、人の顔だとわかるレベルの絵と共に名前、冒険者ランク、メイン装備、その他功績、といったいわゆる個人情報の集合がまとめてあった。


「こ、これは!??」


「ふっふーん!これは、何をかくそうともーー」


「これは、他の大会に出られる参加者のリストなので……あっ、すみませんルーサー様。私風情が口を挟んでしまいまして…」


「いいのよニーニャ。そう、これは紛れも無い大会参加者のリスト表よ」


 どやぁ。っとポーズをとって笑うルーサー。

 これを作り上げるのには相当な忍耐と情報収集が必須であったはずだ。

 つまり、ルーサーはただ帝都を物見遊山していたわけではなく、大会に出る参加者の情報を集めて東奔西走していたのである。


「ありがとう!!ルーサー!!こいつはすげ〜よっ!!」


 手を取って喜ぶイサム。


「このくらいのことはして当然よっ!同じ〈パルム〉の冒険者としては!!」


 これは本当に助かることをしてくれたルーサーである。いつかはイサム自身で大会に出てくる人物にチェックをしなければと思いつつも鍛錬鍛練に明け暮れる日々ですっかりと忘れていた。

 痒い所に手が届くとはこう言う事を言うんであろう。


 情報ひとつあるか無いかで対策が立てられるか立てられないかの有無が判断される。

 それ故に、今回のルーサーの敵把握は素晴らしい戦果である。


 これだけの手を回して貰ったのだ。勝たねばルーサーに一生頭が上がらない。より一層気合を入れ直すのであった。




 それから3日後。ルーサーによって収集された情報を幅広い分野からの考察を入れて対策を練り上げていった。

 大会開始まであと6日となっていた。

 帝都のざわつきはより一層激しくなり、人の出入りが活発になっていた。街もお祭り色が強くなってきた気がする。




 そう、これから始まるのだ。

 ビックイベントが、英雄譚が…


 今、この瞬間よりイサムの英雄譚が幕を開ける。






 しかし、イサムはこれを見ている1人の存在に気付かないでいた。

次回より物語の展開を加速していきたいと思っています。

あと、そろそろばら撒いた伏線の回収をしていきたいなーなんて思っています。

多分今の段階で読み返して貰えば、何気無い一文が伏線になってたり、伏線だと思っていた一文が実はミスリードだったり…なーってあったりなかったり…


とりあえず、次回は色んな方面の展開を広げるつもりです。

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