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入学編2-2

 竜騎士たちはドラゴニック・オーラで肉体を強化できるので、単純な足の速さではなく、竜騎士としての能力が高いティリエラン、クラウディア、ナターシャ、ミリアーナ、シィルエールが先頭集団を形成して、三年生と一年生らは一年生の教室に到着した。


 最初に教室に踏み込んだティリエランは、まず床に転がる四つの死体、三人の男子生徒と、男性教官が死んでいるのに気づく。


 次に目についたのは、ロッカーの一つが開け放たれていることで、四人の死体はその前で倒れ伏している点だ。


 四人の死体は酷く顔がただれており、着ている制服も首の周りが激しく傷んでいる。


 が、この惨劇を成した犯人の姿は見えず、なぜ、このようなことが起こったか、一人を除いて皆目、見当がつかなかった。


 ゆえに、現場を調べようと、ティリエランらが死体の側に近づこうとすると、


「……ダメッ! 近づいたら! 悪魔にやられる!」


 シィルエールの必死の制止というより、物騒すぎる単語の一つに驚き、全員がフリカの王女を注視する。


「悪魔とは、どういうことです?」


「あの指輪、悪魔が封じてある。だから、教室から出た方がいい。あと、固まらず、互いにカバーできるようにした方がいい。イリアッシュが来るまで」


 ティリエランに問われ、開いたロッカーに置かれた指輪を右手の人差し指で差し示しながら、 シィルエールは様々な注意をしていく。


 開いたロッカーに入っているのが、全てイリアッシュの私物であるとわかると、


「イリアはどこだ?」


 シィルエールの忠告のとおり、教室から出て、密集せずに適度な間隔を置き、側にいたクラウディアと背中合わせになりながら、ティリエランはかつての親友の名を呼び、その姿を探すが、特別教室を出たのが遅いイリアッシュは、かなり遅れて現場に到着する。


「いったい、何があったのです」


 目の前に駆けつけて来たフレオールとイリアッシュを、正にティリエランが詰問をしようとした矢先、十人ほどの教官に守られるようにして、ライディアン竜騎士学園の学園長ターナリィも現場にやって来る。


 さらに校庭で訓練をしていた二年生も、運動着のままウィルトニアとフォーリスを先頭に現れ、一年生の教室の廊下は大変な混雑となる。


 ほぼ学園の教官と生徒が一ヵ所に集い、混雑しているだけならいいが、それがいつ混乱状態となり、収拾がつかなくなるかわからない。


「学園長、この教室の封鎖し、生徒らを退避させて下さい。クラウディア、それに際して生徒会の、他にフォーリス、シィルエール、ミリアーナの協力を要請します。そして、イリアッシュ、フレオールの両名は、これより許可なくここより動くことを禁じます」


 ティリエランが場が混乱するより早く、指示を出して事態の解決を計ろうとする。


 四人の命を奪ったイリアッシュに、憎悪に満ちた視線を向けながら。



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