〜第9夜 介入〜
この後、リデルも部屋に呼ばれ、理不尽な取調べが行われた。
取調べを行っていたのは神父だった。
「貴女は神を信じていますか?」
「・・・はい。」
「では神と対なる悪魔の存在も信じるのですね?」
「いいえ。」
「・・・という事は神の存在を否定しているのも同じ。」
「そんな!!!それは違います!」
「もはや言い訳は無用・・・貴女は13年前、夫を殺しその魂と引き換えに悪魔から‘力’を貰った。そして占い師と言う立場を利用しシルフィン夫人の夫を殺し、新たな力を手に入れようとした・・・これは事実です。」
「嘘です!!私はそんな事していません!断じてそんな事は!!!」
「言い訳は無用と言ったはずです。火あぶりの刑に処します。おい、お前たち、この魔女を連行しろ!」
神父は強引にリデルを魔女にし、処刑を命じた。
リデルは広場に連れて行かれ木製の十字架に掛けられた。
足元には油のかかった木材が積んであった。同じように十字架に掛けられた人は、およそ40人・・・その一人一人に松明を持った神父がつく。
一人の神父が右手を挙げた。それを合図に神父たちが一斉に点火する・・・その時だった。
「そこまでよ!!」
全ての時が止まった。
リデルは顔をあげた。静寂の中に響くその声は力強く、リデルからすれば異国の言葉であったが、リデルは何故か懐かしささえ感じていた。
「迎えに来たわ・・・四条歌夜!!!」




