表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/24

〜第15夜 邂逅〜


「誰?貴女は誰なの?」


目の前に現れたのは巫女装束を纏った少女だった。


「私は伽代・・・歌夜の心から生まれし“カヨ”の一人。」


「どういうこと・・・貴女は歌夜じゃないの?」


「私は歌夜であって歌夜でなきもの。歌夜の理想の実体化。伽代の名を借りし一つの存在。」


伽代と名乗った少女は淡々と答えた。弥娜は背筋に寒気を感じた。


「何故、今の人を殺したの?」


「それは“カヨ”たち全ての望み、掟。貴女の一族にも掟があるようにね・・・。」


「なぜ・・・なぜ知ってるの・・・?」


「貴女の名は夢見沢弥娜。夢への介入者でしょ?眠っていても私は全て見えてるわ。歌夜が今、研究所に居る事も、両親が死んだ事も・・・私の世界を壊そうとする人がいることもね!」


「・・・・・・・」


「貴女は介入するだけで人の世界を壊さないって分かってるわ。だから今のところ危害は加えない。でも私はこの世界で生きてるの。だから邪魔しないで。また介入するつもりならあの男のようになるわよ?」


「それってどういう・・・」


弥娜はその瞬間、意識が遠のき、夢から追い出された。

     

           *



「弥娜さん!起きて!!弥娜さん!!!」


ゾフィに呼ばれて目を覚ました。充満していた煙は跡形もなく消え、気温も、いつもの研究所に戻っていた。


「私・・・何分くらいこうしていたんですか?」


「30分くらいですよ。」


弥娜の質問に傍に居る山下が答える。


「何か分かりました?」


「はい。彼女は彼女の理想のカタチで何人も存在していて・・・皆、死を願ってるんですよ。眠っていても周りは見えてるって言ってました。私が来るのも分かっていたみたいで・・・」


「彼女と会話したの?!他になんて?」


「もう介入してくるなと・・・介入すればあの男のようになるって・・・」


「あの男・・・?」


と、その時・・・


「研究長!!大変です!岩乃さんが!!」


その後、ゾフィの秘書ニーナが告げたのは、岩乃の死だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ