〜第11夜 研究〜
弥娜は更に奥の部屋に通された。そこは、小さな応接間だった。席につくなり、ゾフィに写真を渡された。
そこに写っていたのは、真っ赤な雨の降る中に、首から血を流しながら眠る歌夜の写真だった。
「これは・・・?」
「この研究所で撮影されたものです。」
ゾフィは落ち着いた声で言ったが、弥娜にはとても信じられなかった。
「室内なのに何故、雨が・・・それに、首から出血なんて普通なら・・・」
「一種のポルターガイストです。」
「えっ?」
ますます信じられなかった驚きの表情を浮かべる弥娜をよそにゾフィはさらに説明を続けた。
「これは見たとおりただの雨ではありません。」
「まさか・・・血ですか?」
「その通りです。この写真は今から1年前に撮影されたものです。この血は約一日降り続けました。それに、首から流れている血もポルターガイストです。彼女はあの通り生きていますから。」
「あの・・・他にもあったんですか?こういった現象が・・・」
「えぇ、この二日後、研究所内に今度は普通の雨が降り続け水びだしになりました。だから貴女を呼んだんです。」
ゾフィは今よりも更に真剣な目つきで話を続けた。研究に全てを捧げる、そんな人の目だった。
「このポルターガイストは夢から来るものだというのが私たちの推測です。」
「つまり・・・それは・・・」
「そうです。貴女の“夢に潜る力”が必要なんです。」
「!!!」




