表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/7

万年E評価の落ちこぼれですが、魔力回路のバグだけはハタキで直しておきました

「……ふぅ。これでよし。07:10の爆撃(予約投稿)、完了ですわ」


 魔力端末(PC)のエンターキーを静かに叩き、私は満足げに息を吐いた。


 王国魔法訓練校、万年E評価の落ちこぼれ生徒、ユリカ。

 それが私の表の顔。


 だが真の姿は、夜な夜な禁書(WEB小説)を執筆し、魔力回路を書き換える『聖女』。


 私の目的はただ一つ。

 責任の重い正社員になどならず、時給2,000魔石の派遣仕事で「執筆時間」を死守することだ。



「ちょっと、ユリカ! またそんな難しい顔をして魔導端末スマホにらんで。あなたみたいな『無能』が、そんなの使いこなせるわけないじゃない」


 背後から突き刺さる、耳障りな高笑い。

 クラスメイトのステイシアだ。

 彼女は借金まみれのくせにプライドだけは高く、大公家の正社員の座を狙って血眼になっている。


「ええ、ステイシア様。私、派遣希望の身ですから、難しいことはよく分からなくて……今日も勉強させていただきますわ(棒)」


「ふん、自覚があるならよろしい。私はあなたと違って、大公家の正社員になって『特別魔石ボーナス』で人生一発逆転するんだから!」



 ……ああ、ステイシア様。


 大公家の現場は「冬は極寒、夏は灼熱しゃくねつ」の魔力炉。

 責任だけは一丁前で、一度入れば二度と出られない終身刑のような場所。

 借金返済のためにそこへ突っ込むなんて、まさにバグだらけですわね。



「それでは、本日の実技試験を始める! 課題は『魔力回路の修復』だ!」


 教官の合図とともに、ステイシアが鼻息荒く端末に向き合う。



 だが、数分後。


「な、なによこれ! 画面が真っ赤!? 動かない! 意味がわからないわよ、このポンコツ端末ぅ!!」


 ステイシアがパニックになり、デタラメにキーを叩く。

 魔力回路が火花を散らし、暴走を始めた。


 教室中にアラートが鳴り響く。


「ひっ!? 誰か、誰か止めて!」


 教官たちが駆け寄るが、複雑に絡み合った古代語のバグを前に立ち尽くす。


 私は、おどおどしたフリをしながら、掃除用のハタキを持って彼女の端末の横を通り過ぎた。


(……やれやれ。メイン回路がオフのまま、タイマーだけが空回りしていますわね)


 私はハタキを振るうフリをして、指先で一瞬だけ端末に触れた。

 脳内で古代語ロジックをチェックし、一撃で書き換える。


 ――修正完了。


「……あれ? 止まった?」


 ステイシアが呆然と画面を見つめる。

 暴走は収まり、回路は何事もなかったかのように、グリーンライトを点灯させていた。


「す、すごいぞステイシア! まさかこの複雑なバグを一瞬で直すとは!」


「え? あ、あ……ええ、そうよ! 私の隠された才能が目覚めたみたいだわ!」


 教官の絶賛に、ステイシアが速攻で手柄を横取りする。

 私は後ろで「ステイシア様、すごいです〜(棒)」と拍手を送りながら、微笑んだ。


(ええ、どうぞ手柄、持っていってくださいな。おかげで大公家への『推薦すいせん』は確定ですわね)

 本作をお読みいただき、ありがとうございます!


 作中のユリカと同じく、私も「07:10の爆撃(予約投稿)」のボタンを叩く瞬間に命をかけています(笑)。

 責任の重い正社員も立派ですが、定時で上がって自分の好きな物語を綴る。そんなユリカの「自由」な生き方に共感していただけたら嬉しいです。


 これから彼女がどんな「バグ(現場)」をハタキで直していくのか、どうぞお楽しみに!


 もし「07:10の爆撃、ナイス!」と思っていただけましたら、下の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援いただけると、次なる執筆(魔力)の大きな活力になります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ