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[前日譚]元伝説の聖女のたった1年の学生生活

約束の結果は−公爵子息の幼馴染、未だに恋心は消えることを知らない。まだまだ時間はあるだろう。−

作者: びわ
掲載日:2025/11/24

テンションバグった時のです。深く考えずに読んでください。

訂正が多いかもです。

12/03、訂正しました。

「ユリ、ずっと一緒だよ?」

「もちろん。約束♡」

「うん!!」

 いつだったか覚えていない。多分8年前だったと思う。幼馴染との約束。今でも一番輝かしい思い出。


 ◆◇◆


「モノリクス様、ちょっとよろしいでしょうか?」

 綺麗な令嬢が彼の名を呼ぶ。

「フロガ様とモノリクス様よ。絵になるはね〜」

「本当に、お付き合いしていると言う噂は本当なのかしら?」

 フロガ侯爵令嬢は、王都でも有名な美女、私の勝機はない。

「は〜」

 私、サムロック・ユミーリルは美しいと呼べるほどの外見じゃない。魔道具に詳しいだけの伯爵令嬢。彼と釣り合う所なんて全くない。

 あのときは、身の程知らずにもよく考えず、ルーデウスと遊んで、彼に恋した。

 でも今、彼はモノリクス公爵家の跡取り息子。身分も違い、あの頃のように話せやしない、雲の上の存在とかした。

 まだ初恋は残り、引きずっているものの、嫁ぎ先を決めなくてはいけない。

「…ユ…ユミ?ユミ!!」

「わあ!びっくりするじゃないの」

「さっきから上の空なんだもの。」

 この子はチャルメイト侯爵令嬢のキャエル。教会の聖女でもある、王子の婚約者。その上超のつく美少女で、フロガ嬢などキャエルの足元にも及ばないだろう。私の自慢の大親友。

「まあどうせ、モノリクス様のことでしょ?」

「ちっ違うわよ。嫁ぎ先をどうするか困ってて……」

「やっぱりモノリクス様のことじゃない!」

 私の恋心を唯一知っているキャエルは時に面倒だ。からかっては来ないものの、私の弱点をうまくついてくる。

「そんなに悩むこと?幼馴染なんでしょ?公爵家と伯爵家なんだし、それほど大きくないわよ?」

「そんな事ないわよ!親が仲いいだけで幼馴染になっただけだし、ルーデウスにはもっといい人が……」

 言い訳を並べなだら、勝手に悲しくなってくる。全部合ってるのに否定したくて、できなくて……

「それに彼にはフロガ様との噂もあるし……」

「噂って言ってもただの噂よ?それにこんな可愛いユミをほっぽって、あんな性悪に靡く用な人じゃないでしょ?」

「性悪って……」

 女性カースト最上位が言うことが違う。でも言っていいものか……聖女なのに……そんな口悪く……

「いい?私みたいな政略結婚なんかより、ずっといいじゃないの!幼馴染と結婚のほうが向こうも望んでるでしょ。ねえアサノン?」

 いきなりキャエルは彼女の護衛に話を振る。それほど年は変わらない聖騎士殿だ。聖騎士殿は慌てつつ、キャエルに同調する。

「そのとうりです。私はその方面について詳しくありませんが……」

「ね!ね!」

 キラキラした目で私を見てくる。

「幼馴染ってそっちもじゃ……」

「私のとこずっと犬猿の仲の知ってるでしょ?」

 先ほどとは打って変わって、目から光が消え、圧をかけられ黙ってしまう。そしたらキャエルは話を変えだした。

「まあそんなのは良いの。ユミ、魔道具ってなにできた?」

「えっああ、今は結界魔法の魔道具作ってるんだけど、魔力量に耐えられないまま魔石が壊れちゃっうし、魔力消費が大きくて困ってて……」

「ああそれなら……」

 そこから恋バナなんて忘れて魔道具の話に花を咲かせた。


「ユリ……」

「?どうかいたしましたかぁ〜」

「いや……なんでもない。」


 ★☆★

 

 大好きな幼馴染。秀才の上魔力が多い。魔力が多かった事で忌み子と呼ばれていたものの、今では手のひら返しで、むしろ必要とされている。

 さらに彼女の友人が魔法書などを貸されてからは、魔道具を作る才が開花したようで、彼女が作った魔道具は指折りの質を誇っている。そんな大好きな幼馴染。

 しかし、彼女と今では疎遠になりつつある。俺は大好きだけど、それを言ったのは8年以上前、きっとそういう意味とは思られていない。

「はー……」

「モノリクス様、ちょっとよろしいですか?」

 最近、フロガ侯爵令嬢妙に絡まれる。変な噂もあることだし、やめてほしいとさりげなく言ってるのだが、わかっていないようだ。

「何でしょうか?フロガ嬢」

「えっとその…魔物が我が家によく来るのですぅ」

 それがどうした。そんな事なら話しかけないで欲しい。

「そうですか。ですが私などより聖女様に相談なされては?それに令嬢の家は騎士団長の御父上がいらっしゃいましょう。」

「ッそっそうですね。ホホ」

 やはり話しかけないで欲しいのに、俺に言われても何もできない。

「ユミ、だったら……」

「ああ、なるほど!」

 ユリが俺の横を通り過ぎる。聖女様とやはり仲良さそうだ。うらやましい。変わってほしい。

 (ああ、ユリいる前なのだから近づかないでもらいたいものだ。)

「ユリ……」

「?どうかいたしましたかぁ〜」

「いや……なんでもない。」

 その時、聖女様に目配せされた。睨むように、いやあれは睨まれているだけか?

「聖女様があそこにおられますよ?話しかけては?」

 略:俺じゃなくて聖女様に相談しろ

「わたくし等が話しかけれませんわ」

 伝わらなかったらしい。ベタベタ近づいてくるフロガ嬢をどうにかしたい。

「……っですが私ができることもありません。このあと用事があるので。」

「あぁ!」

 ブツブツ言っているフロガ嬢をよそにタッタと歩き出す。

「は〜久しぶりにユリと話す約束なのに……」


 ☆★☆


「お久しぶりです。モノリクス様。」

 先ほどすれ違ったがしっかり話すのは、一ヶ月ぶりになる。と言っても、話すのは仕事の話だが……

「久しぶり。ユリ、他人みたいに呼ばないおくれ。いつもどうりルーデウスと呼んでくれ。」

 ルーデウスはそう目を細め言う。私は昔からその顔に弱いのを知っていてやるルーデウスはやっぱりずるい。

「では、ルーデウス、今日は魔道具の話よね?」

「ああ。最近……」

 ただの仕事の話。なのに彼と話しているだけで、少し照れてしまう。ルーデウスからしたらただの幼馴染と、ただの仕事の話だろうに、私は一人、彼を意識している。


 ◇◆◇


「キャエル〜。」

 キャエルとのお茶会で思いっきり愚痴る。と言っても私の相談ってだけだけど。

「何にそんなにってるのよ?」

「さっきね、ルーデウスと久しぶりに話したのよ。」

「うんうん」

 キャエルはただただ私の話を聞いてくれた。

 

「やっぱり忘れられないのならアプローチすればいいのに。」

「できないわよ!向こうからしたら私はただの幼馴染よ……そんな人にこんな感情向けられても困るだけでしょ〜」

「逆に向こうからアプローチされたら嬉しいだけでしょ?だから大丈夫よ!」

 なんでそうなるのか。キャエルいわくこちらからしても彼は幼馴染だから良いでしょとのこと。それとはまったくちがうのだ!

「まあまあ、で、もし向こうからアプローチされたら受ける?」

「そっそりゃ、好きな人からアプローチされたら嬉しいけど…」

「ふ〜んまあ大丈夫よ。話変えて、結界魔法の魔法書あるけど見る?」

「うっうん。」

 なんかあったらキャエルだなと、改めて思えた。


 ★☆★


「本日はご時間ありがとうございます。聖女様」

「いいのです。モノリクス様、友人の色恋ほど面白いものはありませんもの。」

 クスクスと聖女様は笑う。「ユリと先ほどお茶会してたんですよ?」とからかうように微笑む。

「その、せいじょ……」

「モノリクス様、フロガ嬢との噂は、事実ですか?」

 聖女様は私俺の話を遮って一番言われたくないことを言われた。ふふっと笑う聖女様の目は笑っていない。

「もちろん事実無根です。前々から言っている通り私はユリを愛してる。」

「真剣ですね」とクスクス笑われるが、当たり前だ。ユリに一番近い友人に誤解でもされたらたまったもんじゃない。

「でも当の本人は勘違いしたままです。」

 ガーン

「何故ですか?こちらは迷惑しているのに……」

「まあそうですわね。でも伝わってなくては意味がないですよ?」

 わかっているがそう直球で言わなくてもいいじゃないかと、睨むと彼女の護衛に睨まれた。

「まあ、向こうは伯爵です。公爵家の令息に声などかけづらいでしょう。このままでは、彼女もほかの相手を見つけてしまいますよ?」

「それはダメです。」

「では、する事は一つでしょ?」

 いたずらに成功した用な顔でニンマリ笑う。

「今日はユミと会ったのでしょ?何をお話に?」

 この人(ひと)はどこまで知っているのだろうか?

「……モノリクス様と呼ばれました……」

 正直あれは傷ついた。幼馴染とゆうのだけが希望だったのに……

「まあ先ほど言ったとうり、伯爵令嬢は公爵令息に気安く言えるはずありません。」

「ぐぬぬ……」

 唸っていると、ため息をつかれ席を立たれた。

「では、私はこの辺で、ちょっと予定があるので。あとは自分自身でお考えを」

 すれ違いざまに聖女様は「ユミを泣かせたら承知しないわよ」と睨まれた。

 きっとこっちが素なのだろう。いつかあんなんじゃ息が詰まる。貴族としては完璧だが、ユリと仲良くなるのはこういう彼女なのだろう。

 しかし、彼女の言葉より、護衛が俺のもとで言った言葉が頭に残った。


「伯爵と公爵など大きいようで些細なものです。優秀なユミーリル嬢であれば、特に問題もありますまい。()()()()()()()()()


 その時俺の心は決まった。

 

 ★☆★


「ああ〜」

 キャエルと会ったものの昼からルーデウスにあったことでまだ冷えぬ熱を魔道具を作って誤魔化す。キャエルからもらった真っ白な魔石に魔法陣を組み込む。

「…………ふ〜いい感じ?」

 なかなか上出来だろう。そうしながら魔道具を完成させていく。

「あとは仕上げだけど……今はやめとこ。」

 気づけばもう夕方。さすがに帰らなくては叱られる。


 ◆◇◆


「ユミ、ちょっと来なさい」

 夕食を食べ終わり、席を立とうとした瞬間お父様に呼ばれ、ビクッとする。

 帰りが夕方だったこと?魔道具作りはそれほど否定的じゃなかったと思うけど……それともせっ政略結婚が決まった、とか?

 (ああ、もしそうなら泣きそう)

 早歩きになる父親の後ろを肩すぼめついていく。

 父親の無言が緊張感を生み出す。外の景色はもう暗く、落ち葉が落ちる。

「ゴホンそのユミ、今回呼んだのはな、その……」

 ビクビクしている態度にちょっと安心した。いつもどうりのお父様だ。

「モノリクス家からのえっ縁談が来た。」

「……へ?」

 ものりくす……ルーデウスの家、え、え?モノリクス家はルーデウス以外未婚の方は居ないはずよね?

「え?ルーデウス様であってますか?」

「他にいないだろ。……大丈夫か?」

 ここは現実だろうか?頬を摘んだら止められた。

 (あれ、あんまり痛くない。どうしよ。でも夢なら覚めないで。)

「はっはい。了解です。ごめんなさい、混乱してますので部屋に帰ります。」

「おっおう、わっ分かた」

 よろよろしながら部屋まで向かう。使用人も心配そうに見てくるけど問題ない。多分きっと十中八九。

 魔道具を作るつもりだったが、もう今は出来そうにない。

「ばあや、ちょっとお風呂沸かして?」

「はい。お嬢様」

 ベットに飛びつく。魔道具で魔力は注いでもないのに、空っぽだ。

「縁談?公爵家が、伯爵令嬢に?身分違いじゃない?」

 はあ〜とため息が大きいが、枕がその音を吸い込む。

 その後、お風呂入ってベットで愚図る。眠りたいけど、起きたらこれが夢になってそうで寝れない。

「スースー」

 いつの間にか眠ってしまい気付いた時には朝でまた頬をつねった。

「ッ痛い」

 ここが現実なら昨日は現実?夢?ぼんやりしながら身なりを整える、朝食を食べる。

「……お父様、いいですか?」

「ん?……どうかしたか?」

「昨日、モノリクス様のことで……」

「ゴホッゴホッ」

 咳をされ、ごまかされる。この感じ、昨日のは夢ではないようだ。混乱で頭が回らない。

 私はともかくキャエルに知らせようと思った。


 ◇◆◇


「キャエル〜」

 キャエルを見つけすぐに飛びつく。キャエルは慌てつつ私をなだめてくれた。

「ああユミ、どうかしたの?いきなり抱きついて?」

「それが、それがね!」

 キャエルに縁談の話をしたら彼女は目を見開いた。そして顔を背けぼそっと何かつぶやいた。

「何やってるのよ!泣かせてるのと一緒じゃないの。」

「キャエル、なんて言った?」

「なんでもない」

 そう言われたので特に聞き返さずにキャエルの言葉を待つ。

「そんないきなりね。昨日はそんな話してなかったよね?」

 私は鼻をすすりながら「うん」と頷いた。キャエルは顎に手を当て考え込んだと思うと、優しく微笑んだ。

「まあいいじゃない。憧れの人と婚約したってことでしょ?」

「うっうんそりゃ、まあ」

「じゃあいいじゃないの。あっそこにいるわよ?モノリクス様♡」

 そう彼女は私の背中を押す。バランスを崩し、いつの間にか彼に受け止めてもらった。

「わ!大丈夫?ユミ?」

 その時、私は顔が真っ赤になっていただろう。頭がパンクしそうでならない。

「っキャエル!?」

「このあと私、祈りを捧げなくてはなので。」

 そう言い残し気づいたらキャエルはいなくなってしまった。

「ルーデウスごめん!いきなりだっ抱きついちゃって……」

 ルーデウスの顔を見ると、彼の顔も真っ赤に染まっていた。もじもじと、微妙な空気が漂う中その沈黙を破ったのはルーデウスの方だった。

「えっと、その……あの話…聞いてるよな?」

「うっうん。一応聞いてる。いきなりだったからからピンときてないけど……」



ユミーリルが14歳、ルーデウスが15歳の3月15日、まだまだ子供な2人の進展は如何に!?

 

 p.s.この国では、両者が16歳になったら結婚するのが一般的、結婚まであと1、2年間

 ♡★♡

p.p.s.ルーデウスがユミーリルをユリと呼ぶのは、小さい頃に特別感が欲しかったからだそうです。

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