最終話:新たなる決意とともに
くぐった先には巨大な空間があり、そこには巨大な影があった。最初は暗闇だったが元治がライトを付けると、
「・・・ぁ」
「これは・・・エターナル?いや、ところどころ違う」
それは赤と黒のツートンカラーの機体。鋭角的なフォルムに特徴的な一本角。両手には二丁の小型銃。背中には二本の巨大な剣。何より二枚の翼があった。これを眼にした瞬間失った記憶にひっかかりを感じた。
「これもここに来てから作ったものじゃ。きちんとルビナーズエンジンもつんどる」
俺には分からなかったが今の元治の言葉に何かあったのか、俊吾が、
「LE?どうしてそれを・・まさか」
言っていて気づいたのか、顔色を変えた。元治はよく気づきましたと言わんばかりの顔で、
「ご名答。こいつのLEはエターナルから回収して、手を加えたものじゃ」
それを聞いて俊吾は何か納得したようで、元治に、
「それで、こいつの名前は?」
「ノワールタートじゃ」
元治はすごく自慢げな顔で言った。俺はもう一度そいつを見上げてつぶやいた。
「ノワールタート・・・」
その横で俊吾が恐る恐るといった感じに元治に質問した。
「元治さん・・。こいつはコックピットが二つありますね?」
確かに、映像で見たのと多少の誤差はあるだろうが、エレナのアークエルスや始のグレイブ改よりもノワールタートは一回りほど大きかった。その問いに元治はどこから持ってきたのか、一着のパイロットスーツをもっていた。
「ふっ・・やはり気づきおったか」
「では?」
「・・・・うむ、いつかはこういう事態になるとおもっとったからの」
元治はやっぱりこうなってしまったか、といった顔で肯定した。そして、俺に向けてスーツを差し出して、
「本当に行くのかい?」
心から寂しそうな顔でこういった。それに対して俺の答えはもう決まっていた。
「・・・はい。あの人が待ってますから」
「・・・わかった」
そして、元治からスーツを受け取って俺はノワールタートに乗り込んだ。元治や俊吾の指示を受けながら操作してシステムを起動した。その時にハンドルグリップの感触などが何か懐かしかった。それが分かったのか元治が、
『懐かしいだろう?中はだいたいエターナルと同じにしてあるからの』
それを聞いて、そうか・・だからか。と素直に納得できる部分があった。そして、ノワールタートの真上のハッチが次々と開いていって、小さな青空が見えた。
『ノワールタート発進準備完了・・・・行ってらっしゃい、雪』
「行ってきます・・・ノワールタート、発進しますっ!!」
俺はアクセルを大きく踏み込んで空へと飛び出した。
ー・-・-・-・-・-
迫り来る敵機をミサイルやビームライフルで打ち落としていくが、とうとう弾切れになった。そして、
全速で突っ込んできた敵に対応しきれずに、アークエルスは一緒に山に落ちていった。
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
衝撃のせいでどこかが故障したのか、アークエルスが反応しなくなった。目の前では敵が接近戦ようの斧を振りかぶった。始や他の仲間たちは間に合わない。エレナは眼を閉じて死を覚悟した。だが、次の瞬間
ドゴォォォォォォン!!!
と、爆発音がした。エレナはゆっくりと眼を開けた。すると、そこには二枚の翼をもった赤と黒のツートンカラーの機体があった。どうやらそれが敵を撃破したようだった。それはこちらを向くと近くで跪いて、右腕をアークエルスのコックピットに差し出した。エレナがいぶかしんでいると、それのコックピットが開いて一人の人間が降りてきて、ヘルメットを脱いだ。エレナは我が目を疑った。眼から涙が止まらなかった。そして、彼が両手を広げた。
「大丈夫?」
「遊里っ!!」
エレナは急いでコックピットから出て、遊里の胸に飛び込んだ。俺はエレナの頭をヘルメットごしに撫でながら、
「無事でよかった・・・」
「遊里・・・どうしてここに」
「その・・・なぜかいてもいられなくなったから」
俺はなぜか恥ずかしくなって、余所見をした。とりあえず、エレナをなだめて、
「一緒に・・・戦おう。この世界の人たちのために。そして、お・・俺たちのために」
「ふふ、えぇ!行きましょう、遊里」
そして、二人でノワールタートに乗りこんだ。それから、ノワールタートは翼を広げて飛び立った。
地球のみらいのために・・。そして、自分たちのために・・
短い間でしたが、今までありがとうございました!これからはもう一つの「平凡男は実は最強!?」に専念していくつもりなので、よかったら見てください。




