チーかまがうまく剥けない
確かに気分がアガる見た目をしているし、昔ながらの良さやワビサビを感じることはあるが、そろそろ包装の仕方を変えてくれてもいいのではないだろうか。
両端を謎の金具で縛り上げたあのフォルム。艶やかな表面に輝く濃いオレンジの斑点。そのチーズの部分を見るだけで人はアガるのだ。ピザポテトのチーズも同じような気持ちになる。
しかしこのチーかま、非常に開けづらいのだ。金具を歯で噛みちぎって開ける人もいるが、あんなの怖くて私には出来ない。
私は、得物がないとチーかまを開けられないのだ。
ものによっては上の方に四角くて赤いフィルムがあって、それを剥がせば綺麗に剥けるというものもあるが、それはそれで成功率が6割くらいしかないのだ。
フィルムだけ取れて、爪でカリカリして、結局取れなくて刃物か爪楊枝を使うことになる。
私が1番やるのが、真ん中で曲げて、爪楊枝で刺して割る方法なのだが、これはお手軽さでは1番だが、チーかまが真っ二つになってしまう。やはり丸のまま綺麗に食べたいものである。
ハサミやカッターを使うとしても、やはり食品なので普段使っているものは少し気持ちが悪い。
だからといってキッチンバサミはキッチンにしかない。出先ではもちろん持ち歩いていない。
私が願う未来。
それは、人々がなんの苦しみもなく、憎しみもなく、誰もが幸せに生きられる、チーかまを楽に丸のまま綺麗に剥ける、幸福に満ちたそんな世界。
ああ神よ、チーかまをこの手に⋯⋯