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第一章 八話 『人化』

待ってました!人化のスキルだ!


「最初は、私が貴様に掛けてやる。が、その前に魔力を感じ取って貰わなければどうしようも無い。上手く身体に魔力が馴染めば痛みも伴う事は無くなる筈だ」


確かに、毎回痛いんじゃあどうしようも無いもんね。

その代わりベルガドルムが、オレを使いやすくなってしまうのはしょうがない。

何だかんだアイツもオレを気遣って、バルグリアズと対峙した時は結局オレを使うことはしなかったしな。


「てぇことで、おんなじ秘宝として俺が魔力を感じ取る方法を教えてやるぜ!」


おう!頼むぜリューズ!


「まずは体外に魔力を放出させた方が分かりやすい。実際に見て感じることができる」


なるほど?

でも、体外に放出させるために感じ取らないといけないのでは?


「いいか?スキル発動の時に必要なのは二つ。必要な魔力量と願いの力だ」


願いの力?


「そうだ。発動させるスキルの結果に対する願い。こうなって欲しいとかこういった力が欲しいとかだな!」


願いの力ってそのまんまの意味か。それだったらいけそうだな。

よしっ!


「だから魔力の放出に関しては何度も見ているとは思うが、旦那や殿下のイメージだな。あんな感じで放出させたいって願えばいい。ただ初めはなかなかイメージしづらいから難しいかも….」


ーーブオン!!


でたぁああ!!!


「説明中だったんだが、気が早ぇやつだな!はっはっは!」


「なんだ心配せんでも良さそうだな。もう魔力は感じただろう?」


「ああ!わかる!身体中を流れるこの暖かいやつが魔力か!」




————— その時、オレの脳内にスキルの情報が流れてくる。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【先天性スキル】


・自在


・lead to perfect (リード・トゥ・パーフェクト)



【後天性スキル】


・魔力解放

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「これって….」


「見えたか?」

スキル情報を見て呆然としていたオレにベルガドルムが語りかけてくる。


ベルガドルムはこの現象について知っているようだ。

もしかしたら、この世界では当たり前の事なのかもしれない。


「見えた。今のところ前にベルガドルムの言った通り、二つの先天性スキルと後天性スキルの魔力解放ってのがあったよ」


「魔力解放はさっきやってた体外に魔力を解放させるスキルだな!このスキルは汎用性が高いぜ!」


「リューズも使えるのか?」


「ったりめぇよ!ちなみにな、魔力解放の応用を使うことで防御力を高めたりもできるんだぜ!」


これは良い事聞いた!オレを使って攻撃した時にオレ自身がダメージを喰らわなくても済むようになるかも!


「次の段階に進むぞ。次はその魔力を体内で周せ。魔力を感じれた今であれば、イメージもできるだろう」


「そうだな!やってみるよ」


集中する。


まるで身体の中を血液が巡る様に頭の先から手足の先まで魔力を廻していく。

ジワジワと少しずつ暖かいものを感じる。


「いい感じだな。では、そのまま維持しておけ」


ベルガドルムはオレに手をかざす。


「私の魔力を感じろ。感じたら、貴様の魔力と混ぜるようにイメージしろ」


オレの身体にベルガドルムの魔力が流れてくる。

以前のように燃えるような痛みは感じない。

自分が自分で無くなるような高揚感も無くなっている。


「以前は貴様の中の滞留していた魔力を無理やり循環させていたから痛みがあったのだろうが、今度はない筈だ」


オレとベルガドルムの魔力が混ざっていく。

違和感は無い、まるで初めからそうであったように。


「完璧ですな、旦那。もういけるんじゃ無いですかぃ?」


「そうだな。では早速いくぞ」

ベルガドルムのオレにかざした手の平から俺の身体へと流れる魔力の色が変わっていく。

純粋な黒から薄い紫色へと。

恐らくただの魔力からスキルの発動に変換されているのだろう。



ーーーー 後天性スキル『人化』を習得。使用しますか?



先ほどのようにスキルのアナウンスが頭に流れてくる。


「後は貴様が願うだけだ。己の身体に…」


待ちに待ったぜ!

やっとある程度自由になるハズだ!


頼む!オレの身体!いくぜ!!


まるで神に願うように、両手を握り胸の前に置くイメージをする。

身体を巡っていた暖かい魔力が、身体中にまとわりつく様な感覚に変わる。


「おお!成功ですぜ!!って….」


リューズの声が聞こえる。

今までと少し違う感覚。そして懐かしい感覚だ。

眼前に広がる先程とは違う色鮮やかな世界。


視界に入る絹糸のような少しクセのある淡い紫がかった銀に近い髪の毛が、ふぁさと肩にかかる音がする。


……………ん?


オレって黒髪で耳に多少かぶるくらいの髪型だったと思うんだけど。


出来上がった指で身に覚えのない色の髪の毛に触れる。

前世のオレには無かったサラサラ加減だ。

ずっと触っていたくなるような。


「どうなってんだ….」


……………!?


声が高い。

まるで変声期を迎えていない子供のような声だ。


まさか、こっちに来て勝手が変わって身体にも変化があんのか?


恐る恐る自身の身体へと目を落とすと、そこにも身に覚えのない二つの丘が存在した。


「 」


「  」



「   」




「ええええええええええええええええええ!?」



ーーーー スキル『人化』を習得しました。ーーーー




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― 新着の感想 ―
[一言] 待ちに待った展開がついに来ましたね! 今後が楽しみです。
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