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第一章 七話 『作戦』


「レリグシア王国って、人間の国じゃないかよ!」

さっきまで、山二つと海超えた先のガルナーデにいたんだぜ?

流石異世界。瞬間移動?ワープ?わからんけど一応助かったようだ。


「って、そもそもレリグシア王国に来ちゃって良いのかよ。オレたちって追われてるんだろ?」

そうだ、ここには勇者達が居る。

敵の陣地の中に自ら飛び込んだ様なもんだ。


「安心しろ。元々ここに生活圏を移すつもりでいた」

ベルガドルムの考えはわからないが、どうやら作戦なようだ。


「少し離れたところに屋敷がある。移動するぞ」


「屋敷?」

なんの屋敷なんだろうか。


「旦那の屋敷だよ。実はな、旦那は人間の国の貴族でもあんだよ」


「はぁ!?」


「詳しいことは着いたら話す。あと、暫く声を出すな。バレたら困るからな」

とりあえず言うことは聞く事にした。


不意にベルガドルムは身体に魔力を纏わせる。

すると、先ほどまでの20代ほどの見た目から威厳のある30代の人間へと姿が変わる。

腰まであった襟足は無くなり、髪型はオールバックだ。

服装も真っ黒なスーツから、紺色を基調とした貴族然なものになっている。


本当にスキルってなんでもありだな…。


「いや、こんな器用なことできんのは旦那くらいなもんだ。常に薄い魔力を身体中に巡らせ続けないといけないからな」


「くだらん事話ししてないで行くぞ」




一時間程歩いて森を抜けると、道にでた。

更に30分程歩いてやっと、いわゆる洋館のような大きく煌びやかな屋敷に着いた。

門番が二人立っているのが見える。



「「おかえりなさいませ!ルムード様」」

ビシッと凛とした佇まいで迎える。


「ご苦労。門を開けてくれるか?」


「「はっ!」」


軋むような音をたて、鉄でできた格子状の門が開く。


暫く庭を歩くと、執事だろう白髪で壮年の男が頭を下げ玄関の前で迎える。


「お帰りなさいませ、旦那様。今回は随分早い戻りのようで」


「ああ、少し予定が変わった。疲れたので少し休む。部屋には入らない様に頼む」

首を回し、疲れた様子を見せる。


「畏まりました。では、使用人達にもお伝えいたします」

執事のおじさんはそう言って頭を下げる。


「そうしてくれ」



そうしてオレ達は、部屋に着くとベルガドルムが部屋中に結界を張る。

これで自由にオレは話ができる。音や気配が漏れない結界らしい。

ベルガドルムは豪華な椅子に座る。

オレたちは机の上に置かれた。


「とりあえず、私について話すか。私はレリグシア王国では、伯爵という爵位を授かっている。それにはいろいろ訳があってな。面倒だからいちいち語らないが、理解しておけ」


どうなってんだよ。ついて行けねーよ。

まぁいいや、深く考えんのやめよ。

ここはオレの理屈は通じない世界だ。


「さて、ではこれからのプランを話す」

ベルガドルムが考える作戦はどんなもんだろうか?


「その前に、状況把握をする。」


現在、オレ達は奇剣アルク(オレ)を持った事によって世界中から狙われる立場となった。

ベルガドルム曰く、ガルナーデに戻ったのは目的としてレリグシア王国に生活圏を移す事を部下達に伝える事。愛刀『龍頭真刀』を回収する事の二つ。

そんな中、ガルナーデの王子バルグリアズが襲撃。想定外の出来事だった様だ。

移動手段だった『shadow・escape』は一度行ったことのある場所にマーキングし、そこに移動するスキルだ。

そして、かなり魔力を消費するようで発動まで時間が掛かる為に戦闘になってしまった。

結果的にベルガドルムの行動に、バルグリアズが出遅れたおかげで一応目的は達成した。


「で、今という訳だな。でここからなんだが、まずはアルク。」

ベルガドルムの、未だ慣れない人間の姿の真剣な眼差しがオレを射抜く。


「貴様を人間にする。そして、私、ルムード・ガル・シアン伯爵の養子として『レリグシア国立魔力専門学校』に入学し、魔力とスキルについて学んでこい」


…ツッコミどころが多すぎる。

一個ずつ解いていこう。


「オレを人間にするって言った?どうやって?」


「言っただろ?お前は魔力伝導率100%だ。人化のスキルの結果は変わると」


「もしかして!」


気づいた。そうだよ!オレは魔力を100%受けることができる。

ってことは、人化のスキルの効力だって100%発揮できる!


「そういう事だ。理解した様だな。そして、貴様は歳が17とか言っていたな。で、あれば人化すれば私の養子として迎え入れることもできるということだ」


なるほどな。そうすればオレの正体が奇剣アルクだってバレずに生活できるってわけだ!

追われて逃げ惑う生活からオサラバってことだな!

うん。平和サイコー。


「そして、魔力専校に入学し魔力とスキルを学び習得できたならば、私の剣としてもっと活かせるという訳だ。恐らく貴様に魔力を流した際に痛みを伴うのは、魔力耐性が無いからだろうからな」


私の剣として活かすって、使う気満々なのかよ!


「更に後のプランについてはまだ未定だが、とりあえずこんなところだ」





「では、プランの第一段階として早速『人化』してもらうぞ。アルク」


このプラン第一段階が、オレとして最大レベルの衝撃的な出来事になるとは思いもよらなかった。


読んでくださりありがとうございます!

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