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第一章 二十七話 『 vs ①』




…嘘でしょ!?



イリーとディエン君の放った魔力の塊がオレに向かって突如方向を変えて向かって来る。

意味がわからない。


本来、自分が放ったスキルであれば自分の意識で当てたい相手へと照準を定めている為、本人の意識外の挙動は見せない。

イリーのスキルはまだしも、ディエン君がオレを狙うなんて考えられない。


なんて…。考えている場合じゃなさそうだ。


もうこれしかない!

オレ唯一の技。

奇剣アルクとしての特殊な身体だから可能とするオレとベルガドルムで編み出したスキル。

相手の魔力を吸収し、その反動のみを跳ね返す技。



「ーーーリベンジ・エミテッド。吹き飛びなさい」





「避けて!アルさ…」


どぉぉぉおおおん!!!!



轟音と共にアルさんに直撃するイリー君とディエン君の攻撃。

間に合わなかった…。

転入したばかりのアルさんを守ることができなかった。


…教師失格だ。


「「…」」


技を放った二人の生徒も呆然と砂煙の上がっている方向を眺めている。


直後、舞い上がっていた砂煙が爆風と共に四方八方へ瞬時に吹き飛んでいった。




爆風に耐えれず閉じた目を開くとそこには、陽光が差し少し紫がかった銀色にキラキラと瞬き輝く髪を靡かせ凛と佇む少女の姿があった。


「「「え…?」」」


誰一人として動く事ができず、静かに笑みを浮かべて佇む少女に目を奪われていた。




「ふぅ…」


あ、危ねぇ…。

怖すぎて引き笑いしたままの表情が直らないよ。


まだ心臓がドキドキしてる。


向かって来る魔力が大きすぎて吸収し切れるかメチャクチャ不安だった。

身体は無事だし、体調も良いから何とかなったみたいだ。



あれ?

みんなこっち見て棒立ちしてる。

安心させるためになんかアピールしなきゃ!


「え…と、何とか無事みたいです…」


頬を人差し指で掻きながら無事アピールしてみると無言でシューカ先生が走ってきた。

お、怒られる!



—— ガバッ!



「!」


…抱きしめられた。


「ごめんなさい!」


「…え?」


「無事で本当に良かった…!私がついていながら、貴女を危険な目に…」


「い、いえ。大丈夫ですよ!あんな状況では誰も間に合わなかったです。それに、私、無事ですし!」



「いやぁ、危なかったですな!無事でなにより!はっはっは!」


オレとシューカ先生の元にセドル学年主任がツカツカ歩いてきた。

…なんだこの人、空気読めよ。



シューカ先生はオレから離れるとセドル学年主任と向かい合う。

「セドル学年主任。お言葉ですが、あの状況で何故何もしなかったのですか?」


「…何かする必要があったかね?結果的にアル・ガル・シアンは無事ではないですか」

くい、と片眼鏡の位置を直しシューカ先生の眼前へと歩を進める。


「悔しいですが、この場では貴方が一番の実力者。本当は間に合ったのではないのですか?それなのに…!」


あの状況で間に合うの!?

さすが魔力専校の学年主任を担うだけあるのか。


「ふん。そもそもあの程度のスキルを対応できないようではお話になりません。」


「!…何かあってからでは遅いんですよ!」


「はぁ…。ここは魔力専校。この”実力が全て”の魔力専校においてそんな生徒など必要ない。皆も肝に銘じておきなさい!そして、ここの生徒だという自覚を持ちなさい!貴女もだ、シューカ先生。貴女がそのように腑抜けた教育をなさっているから、魔術クラスは騎士クラス、技力クラスの中でも低レベルなのですよ。」


「…」


「まぁ、しかしそういった意味では、あのスキルに対応したアル・ガル・シアン。貴女は見込みがあります。励みなさい」


「は…い」


セドル学年主任の言うとおり確かに結果を見ればオレが無事だったから良かったものの、実力重視の学校だからといって危険な状態だった生徒を見捨てるようなことは間違っていると思う。


「さて、アル・ガル・シアン。今のことで私は貴女に興味が湧きました。シューカ先生始めてください」


先程の事もあって後ろめたいのか、少し考え込むシューカ先生だったが間をおいてオレに手を差し伸べる。




「…じゃあ、始めましょうか。アルさん前に」


「はい」


さっきの事もあって、どうやらみんなオレの実力が見たいらしい。


オレとしてもイリーにナメられているままでは気が済まない。

今はダンマリだから、まだナメているのか定かではないけど。


シューカ先生と二人で演習場の中央へ歩いて、お互い向かい合い地面の感触を確かめる。


「さっきは驚いたわ。まさかあれ程の魔力をぶつけられて無傷だなんて。どうやったかは解らないけど、貴女の力試させてもらうわね」


「はい。望むところです」



シューカ先生を正面に肩幅ほどに脚を広げ、右手は拳を軽く握り目線の高さに持っていく。

左手も軽く握り、顎の位置に持っていき腰を落とす。

お父様直伝の戦闘術の構えだ。


シューカ先生はあの魔法少女の母親だ。

目立たない程度に本気でいっても大丈夫だろう。


「…」

「!」

両手を前に組み、横目でオレ達を見るイリーと、驚いた表情でこちらを見つめるディエン君。


「ほう」

セドル学年主任が声を漏らす。


「いい気迫ね。さすが、ガル・シアン家といったところかしら。これは貴女の担任としてしっかりしなきゃいけないですね」

シューカ先生も自分の背丈ほどの杖を両手で正面に構える。




「二人とも準備はよろしいか?」


「「はい」」


「では、始め!」




セドル学年主任の合図とともに両者接近する。


えっ!

てっきり先生は距離を置くと思っていたのに!

しかも、疾い!

スキル主体じゃないのか!?


「えい!」


シューカ先生は持っている杖のリーチを活かしてオレよりも先に横薙ぎの攻撃をする。


それをオレはギリギリのところでしゃがみ込んで躱す。


危ねぇ…。

オレの常時発動型スキル『戦闘理解』があったおかげで何とか避けれた。

一度後方にステップし距離を置こう!


「それは、悪手ね」


シューカ先生は横薙ぎからそのまま身体を回転させ杖に魔力を集中させていた。


「インジェクション・フレイム」


オレがステップし始め、まだ空中に居るところにシューカ先生のスキルで生み出された無数の炎の槍が降り注ぐ。





まずい!

これは避けれない!!





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