第一章 二十三話 『転入③』
「それでは気を取り直して。学校について説明しますのでそこに座って」
担任のシューカ先生が、校庭の見える窓の側にある椅子へ促す。
「はい」
オレが座ると目の前の机に魔力専校に関する資料を広げた。
「じゃあ、始めますね。まず、今日は私の自己紹介と学校の説明。それと女子寮に案内して実際に登校して頂くのは明日からとなります」
そう。
今日は明日からの入学のために学校説明と寮の準備のためにやってきた。
そのまま寮入りするので屋敷の方には帰らない。
「自己紹介はさっきやったので省かせてもらうわね。学校の説明の方なんだけど、貴方も知っていると思うけど改めて。ここは魔力技術専門学校。通称、魔力専校と呼ばれています。クラスは三年制で騎士クラス、魔術クラス、技力クラスの三つがあります。それぞれ自分の将来に沿った専門知識、または技術を身に付ける授業を受けることできます。貴方が入るクラスは魔術クラスとなります。設備などは実際の授業を通して説明するから心配ないわ」
うんうん。
事前に聞いていた話と一緒だね。
「学期末にはテストもあるからしっかり勉強してね」
うへぇ...。
テストかぁ。いい思い出は全くと言っていい程無い。
でも、どんなテスト内容なんだろう?
「あとは…学校行事かな?」
学校行事かぁ。
前の世界で言えば運動会とか文化祭とかいうかな?
こっちでも似たような行事あるのかな?
「聞いたことがあるかもしれないけど、この魔力専校は卒業後直ぐに騎士や魔術技師になって一線に身を置くことを想定しているの。そんなこともあって他の学校には無い催しがあってね。年に一度、腕に自信がある成績優秀者による戦闘大会『魔闘演武』というものもあったりするわ。」
き、聞いたことねぇ…。
お父様、まさかこれに私を出そうだなんて言わないでしょうね…。
でも、あんまり目立っちゃいけないよね?
奇剣アルクだってバレちゃいけないんだから!
「あ、ちなみに優勝すると理事長の方から豪華な賞品が贈られるの!」
「豪華な賞品ですか?」
「ええ。毎年賞品の内容は変わるんだけど、去年は秘宝だったわね。」
「!」
「驚いたでしょう!去年の優勝者は二年生のレクス・ミーレア君ね。この学校には四聖賢と呼ばれる一年生から三年生まで含めた全生徒の成績優秀者上位四名からなる学校の風紀を正す役割りの役員が居て、その中の一人よ。四聖賢に入ることができれば将来は約束されたようなものだから皆がそこを目指しているの。だから、アルさん貴女もそこを目指して頑張ってね!」
「…はい」
「じゃあ、今日はこんなものかな。ある程度説明はできたので、あとは実際の学校生活で慣れていってね。お疲れ様でした」
「ありがとうございました。では、明日からよろしくお願いします」
そう。
今日は学校の事前説明で来たから、これから寮に行ってフィーレちゃんとトルフェイさんに合流する。
実際の授業は明日からだ。
今日聞いた魔闘演舞っていう行事の事ってお父様に報告しなければいけないんだろうか。
優勝したら秘宝貰えるって知ったら絶対出る事になるよね。
…シ、シーラネ。ワタシハナニモキイテオリマセン。
「いや、出ろ」
…なんで?
何でお父様が女子寮の前にいるんですかぁー!?
迎えに来たトルフェイさんの馬車に乗って女子寮に向かった。
その馬車の中でトルフェイさんには今あった学校の説明とそれとなく魔闘演舞の事を言った。
女子寮に着いて馬車から降りると目の前にどこか見たことがある絢爛豪華な馬車が一台停まっていた。
トルフェイさんが馬車を降りると、いそいそ豪華な馬車の方に行った。
馬車の中に入って暫くするとトルフェイさんとお父様が馬車から降りて来たのだった。
オレの想像していた女子生徒達との華やかな学校生活が終わりを告げた瞬間だった。
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