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同級生、娘、恋人、奥様、そして僕 セルフリメイク版  作者: R32+0
同級生、奥様、恋人、そして僕
11/30

Life 11 I'm really thinking about the future. 未来のために

もう一人の私との対話


私(主人公)は、オトーサンと同い年のもう一人の私、通称「おねえちゃん」と電話で話していました。彼女は僕との関係の進展を尋ね、私は花火大会での出来事と、僕に「恋人になる覚悟」を問われたことを話します。おねえちゃんは、僕が真面目で不器用な性格であること、そして「エッチ」という行為が、単なる肉体的なものではなく、お互いの覚悟が問われる特別なことだと私に教えます。


自立への挑戦


私は、僕に黙って大学受験を決意しました。志望校は、コンビニでのバイトを通じて興味を持った「国際文化学部」です。バイト先のオーナーとおばちゃんは、私の決心を応援してくれ、勉強時間を確保するためにシフトを調整してくれます。私は、この受験を通じて、僕との関係を一歩進めるための「自信と覚悟」をつけたいと考えていました。


おねえちゃんも私の決意を応援し、僕には内緒にしておくことを約束してくれます。彼女は、合格不合格に関わらず、この挑戦が私にとって大きな経験になると励まします。


高まる覚悟


受験前日、私は不安を抱えながらもおねえちゃんと電話で話します。おねえちゃんは、私の声から「合格したい」「勉強したい」という強い意志を感じ取っていました。そして、彼女自身も僕と私と一緒に暮らすことを決めたと告げます。


私は、おねえちゃんの言葉に勇気づけられ、「大学に進学して、オトーサンと一緒に暮らしていく。それが私の出した答え」と決意を固めます。そして、いよいよ受験当日。会場で、私は最高のパフォーマンスを見せるだけだと、胸の高鳴りを感じるのでした。


未来への一歩


試験が終わり、私は僕との関係をさらに親密なものにできると感じます。応援してくれたおねえちゃんのためにも、そして僕に受け入れてもらうためにも、私は自らの覚悟をぶつけることを決心するのでした。

私がオトーサン、あの人に出会ってから、3回目の夏。

実は、私がこの時代にもいることがわかった。会いに来てくれた。

その人を私はおねえちゃんと呼んでいる。実際、外見は私と全く同じ。ちょっとした違いもない。

それゆえ、二人でいると、おねえちゃんと私を姉妹だと思ってくれる人もいる。嬉しいけど、ちょっと不思議な思いもある。


私とおねえちゃんは、普段、電話で連絡を取り合ってる。

「それで、あの人とは?進展あった?」

「え、花火を見に行った。あと、そこで恋人としての覚悟を聞かれた。」

「あの人からの告白?」

「というより、私がどう思うか、みたいな感じみたい。私に、オトーサンの恋人になる覚悟はあるかって。」

「う~ん、私には、そういう事を聞かないのよね。あの人。」

「それは、おねえちゃんがもう結婚前提でお付き合いしてるからでしょ?」

「でも、デートで敬語使っちゃうような人だよ。不器用なのは知ってるし、相手に敬意を払ってるのは分かるけど、それはないってね。」

「え、じゃあ、別にエッチしたりとかはしてないの?」

「とてもそんな状況じゃない。私からすれば、この人に性欲はあるのかな?って思うぐらい。」

「そうなんだ。オトーサンも、エッチは特別なことだと思ってるんだ。」

「そうね。やっぱりあなたの場合って、事情が複雑なのよ。2年も家族として暮らしてて、お互いにわかってることも多い。それでも、あなたに手を出さなかったのは、あの人なりの優しさと、あなたの気持ちの問題なのかもね。」

「おねえちゃんは?やっぱり初めてのエッチってどうだった?覚悟決めてた?」

「どうだったかなぁ。私は、好きな人が求めるなら、私も当然するべきなんだろうと思ってた。だから、もっと軽く考えてた。実際、それほど辱めを受けたような感じはなかったのよ。でも、回数を重ねる内に、これって、相手に都合よくやられちゃってるなぁって思って。私は、逆らえなかったのよ。」

「そうなんだね。エッチすることって、恥ずかしい?」

「恥ずかしい...どうだろうなぁ。あなたの場合は、多分、ものすごく恥ずかしくなると思う。だって、本当に大好きな人とエッチが出来る。しかも初めてのエッチで叶う。それも、う~んと、4年?5年?ぐらいの想いの強さがある。まあ、簡単に言っちゃえば、あの人の目の前で、あなたはあの人を思いながら、自慰行為が出来る?」

「...さすがに恥ずかしくてできないよ。」

「それを乗り越えない限り、あ、自慰行為は別として、その気持ちを乗り越えない限り、ずっと恥ずかしいまま。案外、自然体でエッチ出来るって、気持ちを通わせる以上に、ずっと自分の覚悟が問われる。あの人は、それを言ってるんじゃないかな。怯えるあなたじゃなくて、喜んで抱きついてくるあなたと、エッチするのを望んでるのよ。」

「...恋愛って難しいね。なんか、簡単に好きって言ってた自分が、子供みたい。オトーサンにも、付き合わせちゃったんだな。」

「あの人は親バカだから、そこは子育てだと思って割り切ってるんじゃないかな。だから、好きと言えば、好きと返してくれる。彼も、あなたのことを愛しているのは明白だし、大切にしているから、そういう覚悟をしてきなさいって忠告してきたんじゃないかな。」

「おねえちゃんはエッチを求められたらどうする?」

「私?別に。だって、あの人の事、好きだもん。好きな相手に、すべてをさらけ出して、見て欲しいって思うよ。まあ、彼は着眼点がおかしいから、変なところに興味を持ちそうな感じもあるけどね。」

「ありがとう。色々教えてくれて。私、何にも知らないから。」

「いいのよ。逆に、あなたの年齢で、その悩みが出来ることを幸せに思ったほうがいいわ。きっと大丈夫。あなたなら、答えを導き出せる。そして、気持ちも持てる。」



覚悟を持つということ。好きだから、すべてを知ってほしいと思えること。私には、まだ自信がない。本当に、君の恋人になれてるのかな?



その頃だった。私の行きたい大学に「国際文化学部」という学部が新設されるということを知った。

またとないチャンスだと思った。その学部の一期生として、入学出来る。すごく通って、勉強したいと思った。

私のバイトしているコンビニは、色々な国の人がバイトをしている。その人達と喋るうちに、色々な海外の文化を学びたいと思うようになってきた。

中国や韓国、ベトナムやタイ、インドにサウジアラビアなど、中には短期間でやめていく人もいるけど、仕事は共通。オバちゃんに教えてもらいながら、日々色々な仕事をこなし、休憩時間には、簡単な言葉を教えてもらったりしながら、あとは、英会話のリスニングなんかもやってるうちに、英語でならコミュニケーションを取れる人もいた。まあ、日本語を教えつつ、私もその国の言葉を教えてもらうことで、色々面白い話ができたし、遊びに行くこともできた。だから、私はこの学部に入って、もっと世界のことを知りたいと思った。


「受験勉強かい。う~ん、バイトの時間は短くなるけど、その分、日数を増やすとかで対応出来るか、ちょっとオーナーに聞いてみるよ。」

「ありがとうございます。おばちゃん、頼りにしてる。」

「預けられた娘の頼みとあれば、私もなんとかしてあげたいしね。アンタには、ここで2年働いてもらって、本当に色々な国の人とコミュニケーションを取ってくれるから、私も嬉しいんだよ。そんな娘みたいな子が大学に行きたいって決心したんだから、私もできる限り協力してあげる。」

「お願いします。あ、あと、オトーサンには、このことは言わないでください。」

「ん、どうして?こういう頼みは、最初に親にするものじゃないのかい?」

「だからおばちゃんにしてる。オトーサンに、余計な金銭的負担を掛けたくないんだ。それに、びっくりさせたい。」

「...なんか隠し事かい?」

「入学が決まってから、話がしたい。そうすれば、私も自信が付くかなって。」

「何の自信だい?」

「オトーサンが、私に振り向いてくれるかもって思ってるの。」

「...オバちゃんもね、アンタ達の事情は薄々知ってる。でも、アンタは娘のままで甘んじることでもいいんじゃない?」

「それは...個人的にダメなの。なんか負けた気分。」

「ははは、そうかい。じゃ、私は私で、アンタのこと、根回しはちゃんとしておくから、アンタは空いた時間、勉強しなさい。」


そうして、バイトは週5に増えたけど、時間は短くなった。その代わり、1日4時間ぐらいは勉強出来る時間が作れた。

部屋は汚いから、図書館や、ファミレス、バイト先の控室とかでもやってた。たまに興味を示してくるバイト仲間に、大学の受験勉強をしているというと、驚かれた。私は、大学に行っていると思われていたらしい。まあ、コミュニケーションを取ろうとするぐらいだから、そうなのかと思った。



効率よく勉強する方法に関して、いや別のことかも知れないけど、おねえちゃんに相談してみた。

「で、あの人に黙ってようって。」

「うん。私が無理して仕事してるって思われるのも嫌だし、だけど、勉強する時間はなんとか捻出したい。」

「う~ん、休みの日は、私の家に来てやったらいいんじゃないの?あの人とデートしてる時にも、あなたには合鍵を渡しておくから、勉強出来るように協力する。」

「ありがとう。で、どんな学部に行きたいの?」

「私の行きたい大学に「国際文化学部」っていう、新しい学部が出来るの。私は、そこに行きたい。」

「...私にはわからない学部だけど、あなたが選んだ学部だし、きっとあなたの環境が、そこに行きたいと思わせたのよね。」

「私、ここを受験して、合格したい。でも、その前に、受験することで、自信と覚悟を付けたいかなって。」

「自分を見つめ直す時間が欲しいんだ。」

「オトーサンと一緒にいると、どうしても甘えちゃうし、何より、私はあの環境でもいいやって感じちゃうの。あの人との関係を、もう一歩進めるためには、やっぱり覚悟を持つ事が必要なのかなって。だから、オトーサンに甘えず、受験のことも黙ってたいって。」

「...わかった。あなたは、一応彼との関係から見れば、母親だから、父親に伝えないっていうのは、本当はどうかなって思うのよね。」

「え、それは、オトーサンに言っちゃうってこと。」

「でも、今は姉妹みたいな関係だから、おねえちゃんにまかせなさい。バッチリ、黙っておくし、あなたを応援する。そして、私は知らない体で話をするから。」

「やっぱり、おねえちゃんは頼りになるよね。」

「あなたのことは信用してるし、あなたには、自信と覚悟を付けて欲しいのよ。あの人がたじろぐようなぐらい、強い自信があれば、あなたは大丈夫。」

「この前にも聞いたけど、こういうことで、自信をつけるのは、いいことなのかな?」

「なんでもいいのよ。あなたが誇れるような事をやれば、自信も、自身の覚悟も付く。覚悟はあるんでしょ?」

「うん、でも、やっぱり、怖くて、あの人の前には出ていけないんだ。オトーサンだったら、いつものように接していけるんだけどね。」

「...難しい問題よね。意識しちゃうと、それに対する、ある程度の覚悟は必要だしね。まして、あなたは初めてだもんね。初めてって、やっぱり怖いのが普通なのよね。」

「おねえちゃんはそうでもなかったって言ってたよね。」

「恥ずかしい話なんだけどさ、私の初体験って、27歳だったのよね。だから、覚悟がどうこうって感じは、もうなくなっちゃってたの。大切にするというより、自然な流れでセックスしてもいいのかなって。まあ、それが失敗しちゃったんだ。だけど、あの人は、自然な流れを作ることもできないし、真面目で不器用だから、もう私も大変よ。」

「そっか、オトーサンが奥手ってことも、覚悟が必要な要素なのか。」

「あなたに話すことじゃないかも知れないけど、私も、成り行き上、あの人とセックスする日は来ると思うの。それが次のデートなのか、婚約後なのか、良くわかってない。でも、あの人がそうしたいというのであれば、私は受け入れるつもり。」

「私は、まだ受け入れるだけの覚悟ができていない...。」

「だから、あなたには、覚悟が必要なの。覚悟を決めるための自信、それが大学受験なのは、あなたにとっていい経験になるはず。」

「うん、私、頑張る。そして、大学に合格してみせるから。その後、私は、あの人にすべてを捧げる。」

「そんなに大げさに考えることじゃないわ。あなたはあなた、あなたの中に、彼が入るスペースを開けてあげるだけでいいのよ。」

「私の中に、オトーサンが入るスペース...。それって、」

「まあ、物理的なスペースはあるわね。そうじゃなくて、あなたの心に、あの人の思いを持ってあげるの。それで、十分繋がっていける。」

「私、オトーサンを拒絶してたのかな?」

「そういうわけじゃないわ。あなたがそれだけの心の余裕を作れるか、ってことよね。でも、その余裕を持つには、色々な経験をする必要がある。だから、今回の大学受験の話、私はあなたを応援する。合格、不合格問わず、あなたには、大きな経験になる。ま、できれば合格してほしいけどね。」

「私の中に、オトーサンの思いを持つ...ちょっと意識してみる。」

「難しく考えなくていいの。あなたは、もうあの人の思いを持っているはずだから。それを、あの人にさらけ出すだけでいいの。そうしたら、あの人の言う、覚悟ってものが、自然にできていくと思う。羨ましいな。私も、あの人でそんな悩みを持ちたかった。」

「それに関してはわかったけど、ひとまず、私は受験生。あとで、おねえちゃんの家に行くね。そこで勉強して、自信をつける。」

おねえちゃんは知ってくれている。私が自分で乗り越えなければいけない悩みを乗り越えるすべを知ってる。だから、そこまでは自分で乗り越えないといけない。


でも、予想以上にオトーサンは、不器用で、律儀で、真面目だった。

「おねえちゃんさ、なんで君ってそんなにぎこちなく返事してくるの?って聞いてくるからさ、別に家ではそんなことないよって伝えておいたよ。」

「やっぱりぎこちないって思われてるんだ。うーん。」


「...はぁ。さすがに、おねえちゃんも、君が不器用なことは知ってるし、やっぱり話をしたいんだよ。」

「さすがに分かってらっしゃる。話すぐらいしか、本当にやっていけるかどうかわからないもんね。」


「ところでさ、もし、おねえちゃんに君がフラれたりしたら、どうするんだろうね?」

「いやいや、そうさせないために、会って話をしてる感じだから、そういうことは考えない。」

「分かってるじゃん。私のオトーサンは、未来の私としかやっていけないんだから、おねえちゃんをしっかりと離さないようにしないと。」

「うん、...まあ、努力はする。まだ時間はいくらでもあるはず。」


そう、オトーサンも、おねえちゃんと戦っている。おねえちゃんは、知ってて、オトーサンに頑張って欲しいんだ。

オトーサンが頑張ってるなら、私も頑張って、受験勉強をして、合格しなければいけない。


それからは、バイトに行きながら勉強。休みの日も、おねえちゃんがオトーサンを連れ出してくれたおかげで勉強することができた。

季節は秋になり、冬になり、年が明けて、そろそろ受験シーズンだ。


「それで、申込みして、受験番号ももらったんだね。」

「受験料も振り込んでおいてくれた。オトーサンが給料用の口座を作ってくれてて、本当に助かったよ。」

「来年から大学生になるのね。オバちゃん、なんか大きくなっていくアンタを見られて、幸せよ。」

「大げさだよ。それに、まだ大学生になれるって決まったわけじゃないんですよ。」

「そこは、もう大学生になるってイメージでやっていかないと。アンタは優しいから、そこは強気に、自分が合格するってエゴを出していかないとね。」

「そうだよね。弱気になっててもしょうがない。私も強気で、合格するって思うようにする。」

「あ、そういえば、受験の日は、休みにしといたから、終わったら、少しでもいいから、休憩しなさい。これは、おばちゃんとの約束。」

「うん。ありがとうございます。オバちゃんに迷惑、かけっぱなしだね。」

「迷惑なわけないだろ。アンタのバイト中の親は、一応私が責任を持って見るって、アンタの父親に大見得きっちゃったしね。」

「それでも、ありがとうございます。これだけ便宜を図ってもらって、私は幸せだよ。」

「あとは合格するだけ。バイトのみんなも、それだけは共通して祈ってるよ。」


そして、いよいよ、受験前日になった。

不安になりそうだった私は、おねえちゃんに電話をしていた。


「そう。でも、もうやりきったことだし、これだけやったんだから、あとは合格するしかないんじゃないかな。」

「バイト先のみんなもそうだけど、私、合格出来るって思われてるの。なんでだと思う?」

「一番に、その強い意思かな。不安もあるけど、それ以上に合格して、勉強したいって意思が伝わってくるもの。」

「そうなのかな?私は、いつも通りにしているだけなんだけどね。」

「今のあなたは、声を聞いているだけで分かるくらい、頼もしい声になってる。不安もあるかも知れないけど、ちょっとやそっとではおそらく潰れない。自分だけの強い意志を感じる。だから、大丈夫だと思っちゃうのかな。」

「自覚がないからなんともだけど、私は大学に進学したい。そして、」

「その先のことは、今は考えない。そう、あなたの気持ちを強くしているのは、やっぱり彼の存在よ。彼はあなたのそばにはいられない。だから、彼がいるスペースを心の中に作って置けるかどうか、そして、その彼も、あなたを応援してる。みんな、あなたを応援して、味方になってくれる。あとは、その実力をぶつけてくればいいだけ。」

「終わったあと、おねえちゃんに断らずに、覚悟を決めて、なだれ込んでも、怒らない?」

「なんで怒るの?あなたが好きで、大切に思ってるんでしょ。なら、覚悟なんてとっくに決まってるの。それを、時間を掛けて、自信に変えていっただけ。その自信も、あの人にぶつければいいだけ。」

「自分の婚約者なのに、それでいいの?」

「その前に、私と全く同じあなただから、こんなことを許してあげられるの。他の女なら、浮気だって、あの人をひっぱたくわよ。でも、あの人はそんなことをする人じゃないもんね。それは、あなたも知ってるでしょ。」

「うん、だから、私は大学に進学して、オトーサンと一緒に暮らしていくの。それが私の出した答え。」

「そう。良かった。あ、じゃあ、もう一ついい事を教えてあげちゃう。私も、あなた達と同居することに決めたから。」

「え、これからは、本当に家族?」

「そう。あの人と、あなたと、私。3人で暮らしていくの。まあ、でも少し先かな。3月の下旬ぐらいには、一緒に住もうと、彼と話してる。」

「じゃあ、なおさら、私は大学生の娘ですって、言えるようにしないと、だね。」

「いい、合格不合格が問題じゃないの。あなたが受験して、自信を付けて、あの人のいう覚悟がついたら、私はいいと思ってる。もちろん、合格してくれればいいわよ。でもね、それよりも、自信をつけること。この数ヶ月、何よりあなたに足りなかったのは、それだと思ってる。もう、彼との関係を進める時だと思ってるよ。」

「ありがとう。おねえちゃんには、いつも助けられるね。」

「伊達に長い時間生きてないのよ。あなたの2倍、私は生きてるんだから。」

「うん。本当にありがとう。」

「あ、ちなみに、あの人、やっぱりホテルに入っても、なんか不器用で、鈍いわよ。もしかしたら、察してくれないかもしれないから、はっきり言ってやったほうがいいかもよ。」

「でも、それがオトーサンの良さだよね。本当に大事に思ってくれる。私の中のオトーサンも、叱咤より、自分の気持ちを大事にしなさいって言ってくれてるから。」

「そうね。あなたは、もうあなたとしての存在になってしまった。私じゃない。だから、自分に自信を持って、自分を大事にしなさい。私からは、これ以上は応援することしかできないから、あとは、月並みだけど頑張って。」

「うん、頑張ってくる。そして、合格してくるからね。」



試験当日は晴れだった。会場まで迷うことなく行けた自分に驚きつつ、会場の受験番号の席で、私は最高のパフォーマンスを見せるだけ。

多少の緊張はある。でも、私には、なぜかそれが心地よく感じてしまった。不思議な経験だったけど、会場全体が後押ししてくれているみたいだった。


そして、解散となった。結果は2週間後。今なら、オトーサン、いや、彼との関係も、もっと親密なものに出来ると思う。

応援してくれているおねえちゃんがいる。私は、彼に受け入れてもらうように、覚悟をぶつけるだけ。そして、最高の想い出になると、嬉しいな。



読んでくださってありがとうございます。また今度ね。

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