表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

百合に挟まる女の子は許されますか?

百合にはさまる男は許されないが百合にはさまる女の子は許されますか?

作者: しいず

Pixivとカクヨムに投稿した物です。



放課後の生徒がいなくなった静まり返った校舎を私は教室へ向かう。

1度学校を出たが、スマートフォンを忘れた事に気づきまた戻ってきた。

時間的にはまだ部活をやっているはいるが、私のいる校舎には他の生徒の姿はほぼない。

もう教室は締まっているかもしれないので、職員室へ行った方が良かったかも。

初夏の日は長いので暗くなるまでには時間があるけど、静かな校舎に1人でいるのは正直怖い。

学校には定番の怪談があるけれど、多分ほとんどが作り話で信じてはいないけど

この雰囲気だと本当に何かでそうで自然と足早になる。

「開いてるかな…」

教室の引き戸に手を触れると戸は少しだけ動いたのでカギはかかってない。

なので、そのまま教室にはいると…二人の女の子が抱き合ていたのであった。


物音に気付いて二人の女の子がこちらに気づく。


「…」

「…」

「…」


 3人の間に沈黙が流れるがよく見ると抱き合ってた二人は私の友達であった。

1人は背が低く髪はツインテールで気が強くてツンデレヒロインタイプだけど実際にツンデレの大牧温海(あつみ)

もう1人は天然ほんわか系で胸の大きい見た目はお姉さんタイプの飯塚(ゆう)

 その友達二人が放課後の誰もいない教室で抱き合ってシーンを見るなんて。

ただ抱き合ってるだけならちょっとしたおふざけかもしれないけど、二人とも顔がうっすら赤らんでいる。

よく見ると背の高い夕がかがんでいて、温海は背伸びをしててて2人の唇の距離がかなり近い。


(これって、もしかして…ちゅーでもしてたのかな、かな、かな?)


放課後の誰もいない教室で付き合ってる二人がキスをするのは古いテンプレートかもしないけど

それを実際に見る事はないと思っていたけど、女の子同士が抱き合ってるキスシーンが見られるなんて。

しかも、それが特に仲のいい友達2人であるとは…尊い、尊すぎる!

神様、今から感謝させてください、ありがとうございます!

…って落ちつけ、落ち着くんだ私、忘れ物を取りに来ただけなんだから。


「ふ、二人も帰ったんじゃなかったの?」


少し声が上ずってるけど、さっきのは見てませんよという素振りで自分の席へ向かう。


「あ、あたしと夕は今日は日直だったでしょ。文乃こそ帰ったのに、ど、どうしてここにいるのよ」


 何時も強気な温海の声が震えてる。

正しくは夕が日直で温海は違う。

本来に夕と日直だった子は部活をしてる子だけど夕に押し付けるような事をする子ではないから

温海が何か言って部活に行かせたと思うけど、日直だとしてももう帰ってる時間ではある。


「私はスマホを忘れたから買える途中で戻って来て、教室にないか確かめに来ただけだよ」


机のを調べるとスマートフォンを見つけて、手に取ってすぐこの場を去ろうとしたけど


「待って…待って!文乃!」

温海が大きな声を出すので私は立ち止まる。

「み、見たでしょ?」

「え?」

「だ、だから見たでしょ、さっきの」

「み、み、見てないよ、2人抱き合ってたのを…」


 誤魔化すつもりだったけど、声が上ずってるし抱き合ってたのを見たと言ってて誤魔化すのが下手だな、私。


「やっぱりみてたじゃない」

「確かに見たけど…抱き合ってた何してたの?」


そういわれると温海は慌てるが


「あ、あれよ、あれ、友達同士…そうそう、スキンシップ、スキンシップよ」

思わず「欧米か!」ってツッコみたくなったけど我慢した。

「うん、うん、スキンシップだよね。放課後で誰もいなくなったから2人でイチャイチャしたらキスしたくなってしてた訳じゃないよ~」

「…」

「…」


 流石天然系の夕、お約束過ぎる。

温海が誤魔化そうとしたから友人としてそれに乗ってあげようと思ったけど天然には勝てないな。

温見も頭を抱えている。


「ええ、してたよ、してましたよ、夕とキスを。女同士、友達同士ででキスなんて変でしょ!気持ち悪いならそういいなさい!」


っと温海は開き直るように強くでるがこの展開は予想通り。


(はい、来ました予想通りの展開!)


思わずにやつくが後ろ向いててよかった。

「落ち着いてよ、私は気にしないよ。ただ、二人がそんな関係だった事を1年間以上の付き合いなのになんで教えてくれなかったの?」

「うっ…、黙っててごめん、2年以上前からこんな関係だったけど…文乃にいうタイミングがなかなかなくて…」


(何!2年以上だと、それって私と2人が出会う前からじゃん)


二人の恋人関係が意外と長くてさらに驚いた。


 私は川奈文乃、百合と女の子が好き。

女の子が好きと言っても女の子が恋愛対象という訳ではないけれど、百合作品が好きが高じて段々と現実の女の子も気になるようにはなった。

女の子同士が一緒にいるだけで色々妄想が捗るが、実際の所、百合カップルはそんなにおらず大体は仲のいい友達程度。

 ただ、色々見ているとこれはガチだって言うのは何となくわかってくる。

実の所、温海と夕乃は前々からこういう関係ではないかと感じていた。

手のつなぎ方や距離感、温海と夕のお互いを見る視線などから仲のいい友達やスタイルが気になるとか憧れとは違うものと感じてはいたし、

3人でいる時でも2人のべったり具合がすごかったから、これは友達関係でなく百合関係ではないかと思ってはいた。

 あえて本人達には聞かなかったけど、私に言わないのは隠しておきたいからだろうし聞いた事によって仲が悪くなって友達をやめたくないのが理由だけど。

「だから気にしてないよ。ただ、ちゃんと教えて欲しかったな。それに、キスしたいから私を先に帰らせたのかな?」

「ご、ごめん、いつかは言わないとって思ってたけど…言うタイミングが無かったのと話して文乃に嫌われるのも嫌だったから…。こんな形で知るなんてもっと嫌だよね…。あと、先に帰らせたのは夕とイチャ…じゃなくて日直の仕事があったからだからね」

(温海さん、イチャイチャと言いそうでしたよ?繰り返すけど、同じクラスだから温海さんが日直じゃない事は知ってますよ?)


思わす温海は本音を言いそうになったのでニヤついて笑い声が出るのを抑えて震えるしまう。


「文乃、怒ってる?」

「…怒ってるないよ?」

「怒ってるよね?」


温海は私が震えて怒ってると思ってるが実際はニヤついてる。

ニヤついてるのがばれたら温海が怒って「絶交する!」っていいだしそうだからずっと後ろを向いているが下手な事して嫌われたくない。


「女の子同士が恋人だなんて変だよね、気持ち悪いよね。嫌わても仕方ないよね、でも文乃も大事な友達なの。だからこれからも友達でいて欲しいの!」


変?気持ち悪い?そんな訳ない、放課後の教室でイチャイチャしたかったなんてむしろ尊いすぎる。

嫌うどころが二人をますます好きになりましたよ!

こんな身近に百合カップルが居たと思うと興奮する。

あ、やばい、興奮して鼻血がでそう。

私の身体がますます震える。

「そんな震えるほど怒るって事はショックだったんだね…」

ショックじゃないです、尊すぎて死にそうなのです。

「あのね、文乃ちゃん、日直だったから先に帰ってって頼んだのはわたしだから温海ちゃんを責めないで。それに、わたし達は文乃ちゃんもこれからも一緒にいたいの、だからね、だからね…お願い…」


 一緒に居たいって事は私も混ざっていいの、いや違うって。

思わず3人で楽しもう(意味深)と思ってしまったが、友達でいて欲しいって意味で別の意味はないよね。

二人は私が怒ってると思ってるからそろそろ二人の方を向いて大丈夫という顔を見せないと。

深呼吸を何回かして何とか落ち着くが、ニヤニヤがなかなか収まらないがここは笑顔の方が良さそうだ。


「心配しないで、私は二人を嫌いにならないよ」

私が笑顔で振り向くと、温海は泣きそうな顔をしてて夕乃はおろおろしていた。

「怒ってないんだ…」

温海は私の笑顔を見て安心して泣きそうになるのを堪えて、夕は何も言わないけどほっとしてる様だ。

「ちょっとびっくり(かなり興奮)はしたけどね」

「そうだよね…ごめん」

「謝らまらなくてもいいよ、弱気なのは温海らしくないよ」


 ああ、普段強気に振舞ってる子が弱気になって泣きそうになってるのはかわいすぎる。

でも、温海はこっちの方が本来だったりするけど。

皆の前じゃ強気でツンツンしてるけどけど、私と夕の前だとデレた姿を見せてくれる。

逆を言えば夕と同じぐらい私を好きともいえるけど、私への感情は恋愛というより友情と思うけど。

「文乃ちゃんありがとう」

夕が抱き着いてくるが嬉しくなると抱き着くのは夕の癖。

胸を私に押し付けているが、柔らかいけどいい感じに弾力もあって何度されてるけどいいなぁ、これ。

ちらっと温海の方をみたら、さっきまで泣きそうな顔だったのがちょっとむすっとしている。


「夕、離してよ」

温海がやきもちを焼いてるのでここまでにしておく。

「ごめんね、わたし抱き着くのが癖だから」

はい、わかってますよ、夕さん。

もっと堪能したいけど、温海が嫉妬してるのでここまでにしておく。

「さっきまで泣きそうだったのに、今はむすっとしてるけど嫉妬した?」

「嫉妬なんててしてないわよ、あたしは立ち直りが早いの」

こう言ってるけど、嫉妬してる顔をしてるのがかわいい。

もっとも、泣きそうな顔のままじゃ帰れないだろうし。

「そういうことにしておくね」

「ふん」

温海は強がるが、とりあえずいつもの温海に戻ったみたいだ。

「文乃は本当に私たちの事を変と思わないの?」

「別に変とは思わないし、今の時代同性同士の恋愛なんて珍しくないしね。それに、本当に嫌だったらこうして残ってないし、二人の話も聞いてないだろうし」

「…確かにそうね」


 私が言ってる事は嘘じゃなく本心。

ちょっと驚いたけど、2人が恋人だった事を知れて良かったかも。

でも、温海はまだ疑ってるようだけど。

「さて、そろそろ帰ろうよ」

「そうよね、教室も締めないとならないし。いくわよ、夕」


 私たちは3人で教室をでる。

来た時はちょっと怖かった校舎も3人だと安心できる。

わたしが先に階段を下りるが2人がなかなか来ない。。

「夕、あまりくっつかないでよね、歩きにくい」

「え~、いつもはくっついてのに、文乃ちゃんがいるから?」

「違うわよ、階段が危ないからよ」

「人がいない時はくっついて降りてるのに?」

「いいから、もう少し離れて」

後ろから2人のやり取りが聞こえてくるけど、イチャイチャしてるみたいだな。

「ほら、イチャイチャしてないで早く来なよ」

「イチャイチャなんてしないわよ、夕、早く行くわよ」

温海はそう言って夕と私を追い越して階段を下りて行ったが、二人の手はしっかり握られていた。



三人で帰路につくが何時もは三人並んで歩くが、今日は二人が前を歩き私とちょっと距離がある。

「まだ気にしてるの?」

「だってあんな所を文乃に見られたら、明日からどんな顔をすればいいかわからないでしょ」

「そうかなぁ、わたしは今までと同じでいいと思うよ~」

「あたしはそれができないから悩んでんのよ」

「温海ちゃんは考えすぎなんだよ~。さっき、文乃ちゃんも言ってたけど嫌われたらちゃんと話をきかないよ」

「夕と文乃は考えなさすぎなのよ」

「そうなのかな~。登校したらいつものようにおはようって言うだけでいいんだよ~」


 二人が何か話してるのが少し聞こえるけど、明日登校した時の事を考えてるのだろう。

温海は強がってるけど、考えすぎて何時まで悩むタイプ。

何度かちょっとした事で気まずくなった事があったけど、わたしと夕は翌日から気にせず接してたけど

温海は「大丈夫?大丈夫?」って1週間以上聞いて夕に諭されてやっと納得したするぐらい。

気にせずに何時もの様におはようって挨拶しすればいいだけなのに。

その点、夕は何かあっても翌日には何も変わらず接してくれる。

二人のやり取りを後ろで見ながらしばらく歩いていたが、突然二人の足が止まる。

何だろうと思うと、二人が立ち止まりこちらに振り向く。


「文乃…」

「何?」

温海はそのまま黙り込む。

「温海ちゃん、はやくいいなよ」

夕にせかさるが、なかなか言えずもじもじする。

「温海ちゃんが言わないならわたしがいうよ~」

夕がそういうと

「あたしが言うの!文乃…」

「はい」

「あたしたちとこれからも友達でいてくれ?」

もちろん、友達でいるに決まってる。

ただ、下心がかなりあるのは内緒だけどね。

「もちろん、夕と温海は大切な友達…ううん、親友だよ」

「親友って程付き合いも長くないでしょ、友達で十分よ、十分、文乃は何時も言い過ぎるかいろいろ勘違いしちゃうでしょ」

そういうと、温海は後ろを向くがこれは確実に照れてる、このツンデレめ。

「温海ちゃんって、こういう所がかわいいでしょ~」

と小声で夕がわたしにいう。

「流石、夕、わかってる。わたしも温海を彼女にしたいかかも」

と冗談を言う。

「え~だめだよ、わたしのものなんだから~。でも、たまには貸してあげてもいかも」


(貸してくれるのかい!)

心の中でツッコむけど貸してくれるなら借りてもいいかも…。


「もう、二人ともなに話るての、往来の邪魔でしょ。あと夕…はこっち」

そういと温海は夕の手をつかんで自分の方に寄せる。

またやきもちなんて、かわいすぎる!


「大丈夫、温海から盗ったりしないよ」

「何言ってるの、嫉妬してる訳じゃないわよ」


温海はそう言いつつも夕を自分の方に寄せるが

「温海ちゃん、わたし達だけ手つないだら、文乃ちゃんがのけ者みたいだよ~」

というと、夕は私の右手を取るとちょっと強引に腕を組んでくる。

「あと、温海ちゃんはこっちだよ~」

「え、ちょっと、夕…」

夕は温海を無理やり私の横に寄せると私と腕で組を差せて二人に挟まれる形になった。

「これでよしっと」

無理やりに私と腕を組まされたから温海は夕と手を握りたかったからまたむすっとしてる。

「温海は私と腕組みするのはいやなの?」

「夕とは何時も握ったり組んだりしてるからたまには文乃と腕組みしてあげるてもいいわよ。もちろん友達としてだから深い意味はないわよ」

「はいはい」

本音としては夕と手を握りたかったけど、夕がやった事だから諦めてるのだろう。

「往来の邪魔になるらいくわよ」

「そうだね」


こうして二人に挟まれて腕組みしながら歩き出すが、百合の間に挟まるのはどうなんだろう。

百合好きとしては百合の間に挟まるのはご法度で男なら完全に許されないけど

女の子の私が挟まれるのは…多分、許してもらえるよね?

キャラクター紹介

川奈文乃

主人公の女の子。

身長159㎝

百合好きで百合を愛する。

百合好きであるが、恋愛対象が女性という訳ではないが興味がある


大牧温海

身長147㎝

文乃の友達で夕と付き合っている。

ツインテールの強気キャラでツンデレであるが

実際は寂しがり屋で泣き虫。

夕と付き合っている事を文乃に打ち明けれずにいたが

放課後の教室で抱き合ってキスをしていたところを文乃に目撃される。


飯塚 夕

身長162㎝

おっとりした天然系でお姉さんタイプであるが実際は甘えん坊。

温海に告白されて恋人となる。

嬉しくなったり喜ぶと抱き着く癖がある。

教室で温海とキスしてる所を文乃に目撃されるが文乃なら大丈夫と信じてたため

目撃されたこと自体は気にしてないが、温海と文乃の中が悪くならないが不安に思ってた。


----------------------------------------------------

百合に挟まる男は許されないというネタから着想しました。

百合好きの女の子の仲のいい友人2人が実は百合カップルだったけど2人に挟まれたら許されるのかは実際に気になる所です。

最後は当初、かっぽるの間に強引に挟まる展開を最初考えましたが、なんか許されなさそうなので無理に挟まれたという風に変更しました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ