表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

素晴らしいこの世界の片隅で。

正解

作者: ニチニチ

僕は、本当は超絶的な平和主義者だ。

この世の中から、競争なんかなくなってしまえばいいと思う。

でも、人生には戦わなければならない場面が多々あるわけで。


僕らは、それぞれの立場の正義のために、戦っている。

僕も、平気な顔をしているけど、本当は震える足を叩きながら戦っている。

 

 



何が正解かなんて、きっと誰にもわからないと思うんだ。

 

 




僕らは位置について、横一列に並んでスタートを切る。

出遅れたり、転んだり、ぶつかっている人。

そんな人たちを見て、内緒で小さくガッツポーズしたりする。



やがて、一本道のその先に、海が見えてくる。

目の前には、先が見えない程の、暗く大きな海が広がっている。


僕らは、少しためらいがちに、その暗い海に飛び込んでいく。

 

一度海に飛び込んだら、ひとところには留まれない。

沈んで溺れてしまわないように、精一杯もがいていく。

 


 



光。

 

 




手を伸ばす。

やっとつかんだ。


そう思った瞬間だった。

手のひらの中の小さなその光は、指の間からこぼれてしまう。

指からこぼれだしたその光は、瞬く間に暗い海に吸い込まれて、やがて消えてしまうんだ。


 

 



陸に上がる。

ひざを抱えてうつむく。

風にのって、遠くの方から歓声が聞こえてくる。


 

 



今度こそ。

そして、またひとり、正解のない海を泳いでいく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ