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神を【神様ガチャ】で生み出し放題 ~実家を追放されたので、領主として気ままに辺境スローライフします~  作者: こはるんるん
5章。叡智の女神

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95話。ダオス皇子、アルトのドラゴン軍団にぶったまげる

「まずい! なんだこの料理は!? これがアルビオン王宮のもてなしか!? こんな物、豚のエサにも劣るわぁ!」


 ヴァルトマー帝国第2皇子のダオスは、テーブルを蹴り上げて、出された料理をぶちまけた。

 昨晩は浴びるように酒を飲んで、ダオスは昼過ぎまで気持ち良く眠っていた。起きて早々、次期皇帝たる自分がこんな無礼な扱いをされるとは、腹立たしいことこの上ない。


「きゃあああっ!?」


 給仕役のメイドが悲鳴をあげる。


「おっ! よく見れば、メイドは上玉ではないか!? 気に入った! お前に俺の奴隷となる栄誉を与えてやる!」


 ダオスはメイドの腕を掴んで、舌舐めずりした。

 戦で負けた鬱憤を、とにかく晴らさなければ気が済まなかった。


 たった一体のドラゴン。アルト・オースティンの下僕だという神竜バハムートにけちょんけちょんにされて、ダオスのプライドはズタボロだった。


「嫌っ! おやめください!」


「ガハハハハッ! この俺がアンナ王女を娶り、皇帝となったあかつきには、この国の民はみな俺の奴隷となるのだ! お前は栄えある第一号であるぞ!」


 傷ついたプライドを満たす最良の手段は、弱者をいたぶることだ。

 嫌がるメイドの姿は、ダオスの嗜虐心をそそった。

 

 昨日、意気消沈していたダオスは本国の宰相から『ご自由にお振る舞いください。殿下のご威光の前に、アルビオンの腰抜けどもは何もできますまい』という、魔法通信を受けた。


 なんとアルビオン王国の国王が倒れたらしい。これは帝国の守護神メーティスが、自分に味方しているのだとダオスは解釈した。

 アンナ王女を我が物とし、アルビオン王国を乗っ取ることに成功すれば、その功績で皇帝となる未来が開ける。


「グハハハハッ! やはり、この俺こそ神に愛された者なのだ! 神は兄者より、この俺を選んだのだ!」


 メイドに平手打ちを食らわせようとした時、それを邪魔する無粋な声がした。


「ダオス皇子、お立場をわきまえてください。あなたは捕虜として軟禁されている身です」


 凛としてダオスを睨みつけるのは、この国の王女アンナだ。

 赤いドレスで着飾り、輝くばかりに美しい。この少女を自分のモノにできると思うと、ダオスは興奮に我を忘れそうになる。


「おおっ! アンナ王女か、この俺の妃となる決心がついたか? ぐははははッ! お前もこの国も皇帝となるこの俺が、たっぷりかわいがってやるぞ! うれしかろう!?」


 ゲラゲラとダオスは馬鹿笑いする。


「その前に、アルビオン女を何人かつまみ食いだな。アンナ王女、今夜は選りすぐりの美女10人を俺の寝室によこせ!」


「……まったく。あなたのような下劣な方が皇子だなんて。過剰なもてなしが裏目に出てしまいましたわね。

 残念ですがダオス皇子、あなたの寝室は地下牢獄に変更になりましたわ。

 わたくしの侍女を今すぐ離されなければ、美女の代わりに拷問官が一晩中、つきっきりでお相手差し上げることになりますが、いかが?」


 アンナ王女は、気品ある顔に挑発的な笑みを浮かべた。


「なんだと!? 気でも触れたか小娘!? このヴァルトマー帝国第2皇子の俺に向かって! こんな国など、帝国が本気を出せば、いつでも滅ぼせるのだぞ!」


 ダオスは激怒した。


「お父様がお倒れになったことで、ずいぶんと強気になられているようですが。それは間違いというものですわ。

 料理がお気に召さないということであれば……そうですわね。今日から、豚のエサを召し上がっていただきます」


 料理が豚のエサ以下だと評価したダオスへの痛烈な皮肉だった。


「き、貴様は、何を言っているのだ! この俺が食すモノは、料理も酒も女も最上級に決まっておろう!?」


 ダオスはアンナ王女の胸ぐらを掴んだ。

 だが、アンナ王女はまったく怯えることなく、気丈に告げる。


「この手をお離しなさい、無礼者! 今、こちらに元王宮テイマー、アルト・オースティン様が、神竜バハムートと魔竜5頭、さらには飛竜5頭の戦力を伴って、向かっております。ヴァルトマー帝国のゴーレム兵団にもひけを取らないドラゴン軍団ですわ」


「な、なに!? アルト・オースティンのドラゴン軍団だと!?」


 ダオスは驚愕して、アンナ王女を掴む手を離した。ドラゴンを個人で10体以上もテイムするなど、常識では考えられない。

 その時、外から人々が熱狂する声が響いてきた。


「うぉおおおお! あれが我が国の新しき英雄アルト・オースティン様のドラゴン軍団か!?」


「スゴイ! 神竜バハムートだけじゃなくて、魔竜まで付き従えているぞ!」


「万歳! アルト様、バンザーイ!」


 窓から空を見上げると、黄金に輝く神竜バハムートに率いられたドラゴン軍団が飛んできていた。

 それを見た王都の人々が、大歓声を上げる。


「バ、バカな!?」


 ダオスは身震いした。

 神竜バハムートの力は嫌というほど思い知っている。

 さらにこれだけの数のドラゴンをテイムしているとは。その戦力は、まさに脅威と言えた。


「ああっ! アルト様がご到着されましたわ! 神の力をもって、お父様のご病気も快復していただけると、うかがっております」


「はぁ!?」


 熱に浮かされたように叫ぶアンナ王女に、ダオスはさらなる衝撃に見舞われる。


「神の力だと!? なんだそれは!?」


「ふふふっ、すぐにわかりますわ。我が国を敵に回すということは、アルト様を敵に回すということであると、肝に銘じください」


 アンナ王女はスカートの裾を摘んで優雅に一礼した。

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