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神を【神様ガチャ】で生み出し放題 ~実家を追放されたので、領主として気ままに辺境スローライフします~  作者: こはるんるん
4章。魔王との対決編

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69話。最後の希望。課金ガチャに賭ける

「死に損ないが……っ! この俺に楯突くたぁな!」


 魔王がイリーナを排除しようと、更に魔法を乱射した。


「これ以上、撃たせるかァァァッ!」


 なんとか阻止しようとするが、魔王には僕の攻撃はかすりもしない。息が上がり、剣を振るう手が重くなる。こっちの体力の方が先に尽きそうだ。

 なんとか打開策を見つけなくては……


「魔王様のスキル【完全自動迎撃オートマチックファイヤ】は、後の先の極地。意識せずに敵から身を守るための最適最良の迎撃行動を取れるというモノ。

 防御は得意でも、攻撃精度は低いですよね? そして魔法と物理攻撃、どちらか一方しか一度に繰り出せない」


 イリーナは豪雨のように降り注ぐ魔王の攻撃魔法を自らの魔法で反らし、ことごとく防御する。

 彼女はティオを守りながらも魔王のスキルについて、僕に解説してくれていた。


「お姉様! そんな無茶な魔法の使い方をしたら……」


「ええっ。ふつうなら魔力欠乏症を起こして死ぬでしょね。でも、もう私は死人よ。何も怖くないわ」


 イリーナは魔力を絞り尽くして、ティオを守ろうとする。

 その心意気に、僕も応えなくてはならない。


「【完全自動迎撃オートマチックファイ】? ベルフェゴールのスキルは防御系か!? なんとか破る方法は無いのか!?」


「ハハハハッ! そんなモンはねぇよ。どうしたら、一発も攻撃を受けずに楽して敵に勝つことができるか? それのみを追求して辿り着いた『怠惰』の極みの力だぜ? 俺の身体は究極の剣士より巧みに動き、最強の魔法強いよりも早く魔法を発動させる。考える前に身体が自動で対処するからな!」


 僕の問いに魔王ベルフェゴールが嘲笑を返す。


「『怠惰』ってのは、創造神によって大罪のひとつとされているが。バカも休み休み言え。楽して成果を出したいと考えるから、人は進歩するじゃえねかよ?

 俺に言わせれば、『射幸心』を煽ってガチャに課金させようとする創造神こそ、邪悪の権化だ!」


「ぐっうううぅ……!」


 魔王の猛攻に、徐々にイリーナが押されだす。魔力の総量が、魔王と幻影のイリーナとでは圧倒的に違うのだ。

 だが、それでもイリーナは決死の覚悟で魔王に喰らいつく。 


「イリーナお姉様!?」


「私のことは放っておいて、逃げなさいティオ。姉の言うことが聞けないの?」


「……わ、わかりました! お姉様、必ず必ず、またお会いしましょう!」


 イリーナの叱咤に、ティオは迷いを捨てて駆け出す。


「アルト・オースティン! 【完全自動迎撃オートマチックファイヤ】を破るには、回避不能攻撃をすることよ」


「回避不能攻撃? ……物量で攻めるのか?」


 イリーナの助言に、僕は手を止めて考える。

 あるいは魔力、体力を消耗させて動けなくさせるかか?


「あなたが光の魔王様の生まれ変わりなら、【因果破壊ワールドブレイク】のスキルが使えるハズではないの……?」


「はん! 創造神は兄貴を【神様ガチャ】で手駒にしようと企てたんだろ!? なら因果を改変する能力なんぞ、封印するに決まっている! この俺が破れることは絶対にあり得ねぇ!」


 イリーナの言葉をベルフェゴールは笑い飛ばす。


「かつて俺たちを率い、暗黒の極限に君臨した最強の魔王が! 創造神に戦いを挑んだ、俺たちの英雄が! ルディアにたぶらかされて、今では創造神の犬に成り下がってやがる!」


 ベルフェゴールが僕に剣を叩きつけた。剣で受けるが、腕の骨が砕けるかと思う程の衝撃に吹き飛ばされる。

 コイツ、パワーも尋常ではない。


「弱ぇええっ! 神々のスキルを継承したところで自分本来の力を失ってしまった兄貴なんざ、俺の敵じゃねぇ! このまま引導を渡してやるぜ」


「ぐぅ……おおおおぉっ!」


 続けてベルフェゴールは、僕に何十発という魔法の弾丸を浴びせた。

 僕は剣を猛然と振るって、それを弾き飛ばす。ヤバい、一発でも食らえば、おだぶつだが……もう体力と集中力が限界だ。


「マスター!? させ……ない!」


 女神ヴェルンドがハンマー形態に戻した【創世の炎鎚】を振るう。


「ヴェルンド、てめぇは所詮パワーだけの女だ。まるっきり怖くねぇな」


「私はパワーだけじゃない。ドリルだけだ!」


 女神ヴェルンドは叩きつけたハンマーを、すぐさまドリルに変形させて突き込む。変則的な動きで、魔王に攻撃をヒットさせようとするが、紙一重で避けられる。

 だが、おかげで魔王の魔法攻撃が途絶えた。


「訳のわからないことを抜かしやがって!」


 魔王はヴェルンドを連続して斬りつける。ヴェルンドの身体にいくつもの裂傷が走るが、急所への攻撃は回転するドリルに弾かれた。


「ドリルは素晴らしい! その素晴らしさのわからないお前は、いくら強くても勝ち目はない!」


「……イカれてやがるのか!?」


 その攻防を見て、わかったことがある。ベルフェゴールは防御は得意だが、やはり攻撃精度はいまひとつのようだ。

 このままティオを逃がす時間が作れれば……


 だが、攻撃が当たらなければ、いずれ体力が尽きて僕たちは全員、殺されるだろう。僕は歯軋りした。


「アルト! 【神様ガチャ】よ! ガチャに課金するの! ガチャの可能性は無限よ! 創造神様はアルトに無限の可能性を与えてくださったのよ!」


 ルディアが喉が裂けんばかりに絶叫した。


「課金? だけど、お金なんか持っていないぞ!」


「そのミスリルの剣には100万ゴールド以上の価値があるハズだわ! それを担保にガチャが回せるか試してみて!」


「なっ!? これはヴェルンドが鍛えてくれた魔王に対抗するための剣だ。これを失ったら魔王には……」


 いや、ヴェルンドからもらった鉄の剣を【神剣の工房】で強化するだけでも、魔王に通用するかも知れない。

 なにより攻撃が当たらなければ、いくら強い武器があっても無意味だ。


「バカが! 一か八か課金ガチャに頼るだと!? このクソ女神、兄貴を破滅させる気か!?」


「違うわ! ガチャは人と神をみんなを笑顔にする力よ! お願いアルト、ガチャを信じて! みんなを救いたいという純粋な願いが、奇跡を呼び起こすのよ!」


 ルディアは腕を振るい、魔王の言葉を力いっぱい否定した。


『夏の戦力強化キャンペーン!

 暑い夏を【神様ガチャ】で乗り切ろう! 今から一週間。SSRの神の出現率を、なんと5倍! 15パーセントにアップさせていただきます!

 夏の期間限定キャラクターも登場予定です』


 その時、僕の目の前に夏のキャンペーンを知らせる光の文字が浮かんだ。

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▼2巻。Web版の読者さんにも楽しんでいただけるように改稿とエピソードの大幅な追加をしています 51M5usW1s+L._SL500_.jpg
― 新着の感想 ―
[一言] なんか、魔王の方が正しいこと言ってるな。 ガチャは悪だろ。
[一言] これが最後の最後にルディアに裏切られる伏線だったとしたら素直に称賛するわ
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