宝物
「__さんだよね?」
久しぶりに会った君
少し背が伸びていた
「そうですけど……。」
君を少し困らせたくて
覚えていないふりをする
「えっ!覚えてない?」
ううん、ずっと覚えてる
一瞬たりとも忘れない
君は私の大切な人
「久しぶり__君!」
覚えてないふりしてごめん
ずっと話していたくてさ
名前呼んでくれてありがとう
嬉しかった
「思い出した?よかった。」
ずっと会いたかった君の
名前を呼べて
ずっと追いかけていた君と
話すことができて
大好きな君の
視界に入ることができて
嬉しかった
「あのさっ!」
君といっぱい話したくて
君を独り占めしたくて
じゃないと君が遠くへ行きそうで
焦った
「ごめん、もう行かないと……」
背中を見せる君
ひどいなあ
もう終わり?
私はずっと待っていたのに
この日のこと
君のこと
ずっと
ずっと
待ってたのに
でも
君の邪魔はしたくない
君に嫌われたくない
だから言うよ
別れの言葉
「さよなら……」
去りゆく背中にもう一言
「……ありがとう。」
君の笑顔、私の宝物
読んでいただき、ありがとうございます。