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第1話 勇者
初投稿になります。暇なときに読んでいただけると嬉しいです。
自身に付着した血液はもはや誰のものかも分からなかった。
視力が徐々に薄暗くなっていく。同時に痛みも消えていく。
勇者は剣を杖にして力を振り絞って立ち上がる。
深い樹海、高くそびえる木々によって空は見えない。烏の鳴き声が遠くから響く。そんなことは気にも止めず、勇者は周りを見渡した。仲間の安否を確認する。
騎士、、
魔術師、、
僧侶、、
見るも無残な肉塊が3つ、転がっていた。仲間の顔が脳裏に流れてきた。勇者の元々薄暗い視界は徐々に滲み深い黒に変わっていく。
暫くして、勇者であった肉は転げ落ちた。
勇者 世界紀17年、朽ち果ての樹海にて死亡。