王と今後
ゆさゆさ、ゆさゆさ
「ん~…」
(誰だ…揺すってるのは…眠い…)
「あ!双ちゃん!朝だよ起きないとダメだよ!」
「…無理起きるの死んじゃう寝る」
布団を被り直す。
「ああ!ダメだって!朝食の後に王様と話があるんだからね!」
「王様…?」
「そうだよ、それに朝御飯はしっかり食べないとね」
「ん~…うぅぅ…はい…起きます…」
体を起こし体を伸ばす。
「もーやっと起きた~ほらほら!顔洗う!」
「へい…」
洗面器で冷たい水で顔洗う。
(今思ったけどこの部屋どこぞの高級マンション並みに凄い…小さいとはいえ風呂もあるしな…)
「えーと後はこの服に着替えてね、それじゃドアの外で待ってるから」
「あいよ、すぐ着替えるぜ」
勢いよく寝巻きを脱ぎ捨てる。
「ふぇ…?そ…双ちゃん!?」
「ん?どした?」
「なんで服脱いでるの!?」
顔を真赤にしながら慌てる華凛。
「何でって着替えるため」
「そ…そうだけど!」
見ないように顔を手で隠してるつもりだけど目の部分だけ指が開いてますよ。華凛さん
「いや男は別に上見られたくらいで困るものなどないしな」
「そ!そういう問題じゃないんだからー!」
慌てながら勢いよくドアを空け即閉める。
「まずったか?さっさと着替えよ」
ドアの外では…
「うぅ…双ちゃんの体見ちゃったよ…男の子の体って…あんなに逞しいんだ…」
その後はドアの外で顔を真赤にしながら俯いてる華凛を食堂まで引っ張って行ったのは言うまでもない。
あ…ちなみにしばらく華凛はボーッとしていた。
そして王様の待つ王の間にクラスの皆が集まった。
周りには騎士や家臣、執事、シルビアが居た。
そして奥には豪華な椅子に座った、40代くらいの男が居た。
王としての威厳はもちろんだが引き締まった体、かなりの魔力、武を学んでいる者独特の雰囲気がこの王様は、只者ではないと告げている。
王様はクラスの皆を見渡し静かに椅子から立ち上がる。
「勇者諸君よくぞ、参った、我はアドルフ・シグルトこの国の王だ」
聞く者が聞けばひれ伏してしまいそうな声。さっきまで少しだらしなかった皆もピンっと背を伸ばして聞いている。
(ふーん、この王様人としての格が高いみたいだな)
「シルビアから話は聞いてる通り、邪神族に各国共に大きなダメージを受けており、このままでは奴等に蹂躙されるやもしらん」
ふむふむ聞いていた話と同じだな。
「そこでた、この度勇者召喚を行った、勝手で申し訳ないがどうか共に戦ってくれなだろうか?この通りだ」
言葉と共に頭を下げる。
「「「「国王様!?」」」」
護衛の騎士や、家臣、執事、シルビアが驚愕の顔で驚いている。
控えていた家臣が言う。
「王足る者そんな簡単に頭など下げてはなりません!」
「黙っていろ!」
「しかし!」
「余は黙っていろといった、もう一度同じことを言わすのか?」
「…畏まりました」
「分かっておる…お前達も気持ちは、だがな今は全ての国にとって大事なことなのだ、だから分かってくれ」
分かっていても王が頭を下げるなは良くないと思っているのだろう。しぶしぶ引き下がった感じだな。
「家臣がお見苦しい所をお見せした、改めてもう一度お願いしたい、共に戦ってくれまいか?」
正直協力だろうなぁここで協力しなきゃ多分生きてけないだろ。
お、イケメン君が動き出したぞ。
「はい、私の力で良ければお貸し致します」
「おお!それは誠か!」
「ただ中には戦えない者もいます、そういった方には強制はしないでもらえますか?戦える者だけが戦うそれなら私は協力します」
おお…さすがイケメン、言うことが違うっすわ。
もうお前主人公でよくね?
「ふむ…良かろう、こちらの勝手な都合で呼び出したのだ、それくらいは構わん」
「ありがとうございます!」
頭を下げる天王寺。
「天王寺だけに良い格好させられないぜ!俺も戦う!」
「私も!天王寺君が心配だし…」
「ふっ!主人公たる俺も力を貸すぜ!」
次々に皆天王寺に続いて戦う決意をする。
「ん~まぁなるようになれだな」
「相変わらず双ちゃんはマイペースだね」
俺はリラックスした状態でのんびり聞いており、華凛は俺に寄り添ってボーッとしていた。
「まぁ強くしてもらえるしな良いんじゃないかね」
「双ちゃんの足手まといにならないようにしないと!」
「あんま無理すんなよ?」
「うん!」
「あんたら二人はこんなときでも相変わらずよね」
「ファンタジーの世界なのにな」
楓に俊が呆れたように言う。
「そなた達に感謝する!」
王が嬉しそうに言う。
「では今から説明しよう。そなた達にはこれから一週間訓練してもらう、その後学園に通って力を磨いてもらおう」
学園に通うんかい!
「この学園は優秀な術者、騎士を育てるための施設で、ここほど安全かつ育てる場所は他にはない、すぐに戦争という訳ではない、後2、3年は安全だ」
ほおほおそれは良いことだな。
「他に聞きたいことはあるか?」
皆は特にないのか質問はなかった。
「後々聞きたいことがあれば周りの者に聞くが良い、それでは明日から訓練ゆえ、今日はゆっくりと休むと良い」
こうして俺達の2日目が終わった。
あ、ちなみに今日も華凛は俺のベッドに潜ってきました。