表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

DIAMOND FIRE‐前日譚

赤い蓮

作者: 睦月火蓮

姉さんたちが修行に出てからは、たいくつだった。


たいくつしのぎに、紅蓮の目をぬすんで、人間の里へ…よくおりていた。



『ぐえーん(※紅蓮)、あれ…なぁに?』


『ん? ああ、あれは人間の里だ。』


『ねぇねえ。いってみたい。』


『駄目だ。』


『えーなんでー?』


『いいか、お前はまだ幼い。その強力な魔力をまだ制御しきれてねぇんだ。だからな…

 まだあの人間の里に行くなよ! 絶対だぞ!! …分かったか?』


『…うー…わかった…』


『よし、いい子だ♪』



なんて昔、言われたけど…理由がよく分からなくてあえてムシした。『ヒデェなおい…(汗)』

でも初めて下りた時…わかった。



『にんげんなんて…にんげんなんて…(超涙目)』


『…人間不信になってんなコリャ…だから言ったんだがな…(- -;)』




数日はそんなことをなげいてたけど…やることがなくて…しかたがなく下りてる。そんな感じ。



「…誰も…見てない…今のうちにっ…」


「おい! またアイツが来たぞ!!」


「!!」


また来た…わたしの大っ嫌いなただの(・ ・ ・)人間…


「こっちに来るな化け物め!!!」


「や、やめてよ…っ…わたし…ばけものじゃ…」


わたしのこと…いじめるんだもん…

わたしより…ちょっとお兄ちゃんの癖に…


「じゃあ何だよ! お前に憑いてるその人魂はよ!!」


「そ…それは…」


「お前が化け物だっていう証拠だろ!?」


「お前なんかさっさと消ええればいいんだ!!!」


「うっ…」


この魔力のせいで…普通じゃないってからかわれて…いつも泣かされて…

正直、そんな自分が嫌い。それ以上に、人間が一番大っ嫌い。


けど…


「コラ――――!!アンタ達――――――!!」


「うわぁ!鬼婆が来た――!!」


「逃げろ――!!」


「なっ…誰が鬼婆ですって!?待ちなさ――――い!!」


ただの人間のはずなのに…


「おいっ大丈夫か?…こんなに怪我して…」


「ったくも――う!! こんな可愛い女の子に小石投げるなんて~!!」


「落ち着けって…(-_-;)」


「…どうしてそんなに優しくするの?

 人間にも妖怪にも…成りきれない…こんな化け物に…どうして?」


そしたら、あの人間たちはこう答えた。


















「…俺達がお前に対して、普通に接する理由なんてないさ。」


「ただ魔力が極端に強いだけの、あたし達と変わらない、ただの女の子だもん。ね♪」


満面の笑顔で、そう──


「……う…ううっ…」


周りの人間たちとぜんぜんちがう反応をしてくる、あの人間たちだけは…


「あっ! Σ(゜△゜;) 春樹がこの子泣かせたっ!!」


「何で俺っ!? Σ(゜゜;)!?」


あの人たちだけは…姉さん達が修行に出てから…唯一本音が言える…『トクベツ』な人たち。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ