琉球独立ともし私が・・・ (3)
「もし、あなたが琉球独立の賛否を問う県民投票を実施して過半数の賛成を得れば、あなたは初代の琉球国元首になられることでしょう。もちろん、独立するとなれば解決しなければならない問題もたくさんあります。しかし、ご心配にはおよびません。私は中国国民を代表して琉球支援のためにあらゆる努力を惜しまないことをここでお約束します。もし知事が独立宣言を出されれば、わが国は速やかに琉球を国家として承認しましょう。また、常任理事国として琉球が国連に一日も早く加盟できるように手配しましょう。民主的な手続きを経て独立をするのですから、あの傲慢なアメリカでも国連加盟を拒むことはできないでしょう。真の独立国になって、占領軍にはもう彼らの祖国へ帰ってもらいましょう。」
「いや、しかし・・・。」
「心配されているのは経済的な自立のことですね。あなたは国家元首になられるお方ですから、心配されて当然です。そこで私から一つ提案があります。わが国が現在開発中の東シナ海にあるガス田を中国・琉球両国間の友好の証として共同開発としませんか?あそこは、もともとわが国と貴国の中間地点にあります。ですから、あのガス田から得られる利益の半分をあなた方琉球国民に差し上げましょう。」
中国は上手いこと言っておいて、独立後の琉球を併合しようとしないだろうか?それぐらいの不安は少し酔っていても沖縄県知事の頭をよぎるだろう。しかし、国連の加盟国になってしまえば中国といえどもそう簡単には手を出せまい。そうも考えるだろう。琉球王国の国王の姿と初代琉球国元首になった自らの姿を重ね合わせながら。そして、こうおもむろに応えるだろう。
「国連加盟の後押しと東シナ海のガス田共同開発。この2つを確約されますか?」
「もちろんです。その代わり野蛮な占領軍にはとっとと帰ってもらいましょう。独立した美しい琉球には彼らの存在は似合いません。」
ここまで読んでみなさんはこう思われたかもしれない。中国が台湾に対してやっているように常任理事国として琉球の国連加盟を妨害しながら、アメリカ軍が撤退するのを待つ。そして、撤退したらすぐに人民解放軍を使って琉球を占領するんだろう?と。しかし、私は紳士だ。約束はちゃんと守る。