延坪と天安
「朝鮮戦争の休戦協定無効化を宣言する。」
「アメリカに核の先制攻撃を警告する。」
北朝鮮の瀬戸際外交が止まらない。さらに、金正恩は2010年11月に延坪島へ砲撃をした砲兵部隊を視察し、延坪島への砲撃はもっとも痛快な戦いであったと述べたそうだ。
さて、読者のみなさんはここで何か疑問が湧かなかっただろうか?延坪島へ砲撃した部隊を視察したならば、なぜ同じ年の3月に韓国の哨戒艇天安を撃沈した北朝鮮海軍の潜水艦部隊を視察しないのだろうか?と。天安撃沈では韓国側に46名もの死者・行方不明者を出させている。彼の理論からいけば、延坪島への砲撃以上に痛快であったはずだ。
黄海上の北方限界線付近で韓国海軍の哨戒艇天安が沈没したとの情報が流れた直後にアメリカの国防総省は記者会見を行い、当日の北朝鮮海軍に特異な動きはなく、天安沈没事件に北朝鮮軍が関与した可能性ないと明確に否定していた。
一方で、韓国海軍内部からも天安は漏水がひどく何度も修理をしていたとか、事件の直前も漏水の修理から戻ってきたばかりだったとの話も洩れていた。また、救出された天安の乗員が艇の破断面はまっすぐだった(爆発ではなく溶接部分の破断)と証言してもいた。
韓国を訪れて独自に沈没事件を調査をしたロシアの調査団は、韓国軍は穀潰しか?とまでこけおろして北朝鮮魚雷説を否定する見解を出した。
天安沈没の真相はいまだ闇の中で、私にもまったくわからない。だが、北朝鮮から金正恩が砲兵部隊を視察したという情報は流れてきても、潜水艦部隊を視察したという情報が流れてこないことから考えると、やはり韓国海軍は穀潰しだったというのが天安沈没事件の真相ではないだろうか?