資源がない国のうそ (1)
新潟沖で天然ガスと石油の掘削調査を来年から開始することが報道された。埋蔵量は、中東の中規模油田に匹敵する可能性があるとのことだ。それから間もなく、今度は秋田でシェールオイルを試験生産するという報道があった。この相次ぐ資源開発のニュースに接した読者の方はこんな疑問を抱いたはずだ。
「日本は資源がない国ではなかったのか?」
私たち日本人は小学生のときから日本は資源がない国と教わってきた。ノーベル賞を受賞した学者さんまでも資源がない国と言い切っている。
ここで読者の方に質問する。
「世界で一番長い河川は?」
そう、ナイル川の6,650kmだ。
「では、二番めは?」
二番めは、アマゾン川の6,400km。
ちなみに、三番めが長江の6,300km、四番めがミシシッピ川の3,779kmだ。
ナイル川とチグリス・ユーフラテス川の河川の流れが中東の石油資源を、アマゾン川の河川の流れがブラジル沖の石油資源を、ミシシッピ川の河川の流れがテキサスとメキシコ湾の石油資源を堆積した。また、第三位の長江と第六位の黄河が流れている中国には、戦前から中東に匹敵する規模の石油資源が眠っているはずだと考えられていた。ただし、こちらは幻だったが。
日本で一番長い川は、信濃川の367kmだ。これが、日本には資源(化石燃料)がないの根拠だ。
私はたまたま外交を勉強しているという留学生と話す機会があった。日本の核武装の是非などさまざまな外交の話をしたあと、話はエネルギー問題に移った。そこで、私は日本の小学校でごく当たり前のように教えられていることを話した。
「恐竜や植物の死骸が川の流れによって堆積して化石燃料になる。だから、大河川がない日本には資源がないのだ。」
と。ところが、私の話が終わらないうちに、彼女は腹を抱えて笑い出した。
「アハハハハッー!ムリーッ!それなら、今私たちが消費している大量の化石燃料が堆積するために、太古の昔にどれほどの恐竜と植物が繁栄していたの?アハハハハッー!絶対ムリーッ!」
と。(実は小学生だった私も同じ疑問を抱いたのだが・・・。)