カメカメ仮面の活躍・帝国の騒音問題
ここはスットコドッコイ帝国。
カメがいました。カメは愛と正義の人。もとい、愛と正義のカメ、カメカメ仮面でした。しかして、その実体はすっぽんでした。
今日もカメカメ仮面はパトロールに出かけようとしたときです。いきなり、悲鳴が聞こえてきました。
「な、なんだ・・これは・・耐えられないぐらいの禍々しさに満ちた声だ」
カメカメ仮面はなにか耳を防ぐものはないかと探しました。その時、目についたのが、先日、サンタクロースのおじさんからもらった鼻めがねです。よくみると耳にあたる場所にコルク栓のようなものがついています。よし、これでなんとかしようとカメカメ仮面は鼻めがねをかけました。耳にちょうど、コルク栓がフィットしました。そうすると、悲鳴は聞こえるものの禍々しさは消えました。
カメカメ仮面が外に出ると何人もの人が倒れていました。カメカメ仮面は人々を助け起こすと自分の血を飲ませてやりました。すると元気になった人は襲ってくるのでカメキックをくらわせました。そんな事を延々と続けて悲鳴の元にきたときはすっかり疲れ果ててしまいました。
そこは王室の畑でした。カメカメ仮面は畑までくると倒れてしまいました。それをみつけたのはこの国の王子様でした。
「なんだ。すっぽんか。よし、今日はマンドゴラとスッポンのスープを父上に召し上がっていただこう」
そう、悲鳴は王子様がマンドラゴラを収穫していたときの声だったのです。王子様には耐性があるのかマンドラゴラの悲鳴はきこえないのでした。
王子様はカメカメ仮面を城に連れてかえりました。
このまま、カメカメ仮面はスッポンのスープにされてしまうのか。危うし、カメカメ仮面。
カメカメ仮面が目覚めたのは城の厨房でした。カメカメ仮面があわや、包丁を入れられそうになったとき、カメカメ仮面は逃げ出しました。厨房のシェフがおって来ます。
「はあ、はあ、カメのくせになんであんなに足が速いんだ」
そう、それは王様からもらったフクスケノタビを履いているからです。フクスケノタビはのろいカメでも早く走れるというスグレモノです。
カメカメ仮面が走っているとある人物にぶつかりました。それはスットコドッコイ帝国の王様でした。
「なんだ、カメカメ仮面じゃないか。ずいぶん変な仮面をつけているな。いつもの仮面はどうしたんだい」
そう、カメカメ仮面は鼻メガネをつけていたのです。
「あ。王様、実は、、」
と、カメカメ仮面が事情を話しうとしたとき、シェフが追いついてきました。
「あ、陛下、そのカメを渡していただけますか。陛下に召し上がっていただこうと王子が捕まえてきたのです」
「そうか。ありがたいことだ。だが、このカメは私の友人なのだ」
「そうでしたか。では、マンダゴラのスープをお召し上がりください」
「うむ」
シェフと王様の会話を聞いていたカメカメ仮面は、今までのいきさつをはなしました。
「そうなのか。帝国民はそのような被害にあっているのか。ところで、カメカメ仮面、そなたは平気なのか」
「平気じゃありません。さきほど話した通り、倒れていた人たちに血を分け与え、元気になった人たちをまた、倒しと延々と繰り返して力尽きたところを捕らえられてしまったのです。どうか、王子様にマンドゴラの栽培を辞めるように言ってください」
「そうはいっても、マンドゴラの苗は今年のサンタクロースのプレゼントだからなあ」
「えっ!サンタクロースのプレゼント、、、もしかしてクリスマスに僕が配った・・・」
「カメカメ仮面、なにか言ったのか」
「いえ、なんでも・・」
どうしょう、だとしたら僕にも責任が・・・カメカメ仮面の顔から冷や汗が流れてきました。
「そうだ。その鼻眼鏡をつけていると、悲鳴は聞こえても禍々しさは消えるといったな。それを大量に生産して、国民に配ろう」
「な、、、なんで、王子様にマンダゴラの栽培をやめてもらえばいいのでは・・」
「そうはいかん。被害が出ている以上、王子はもちろんのこと、サンタクロースやそれに関わったものたちも罰しなければいけなくなる」
「そ・・・そんな・・・」
カメカメ仮面の顔からまた、冷や汗が出てきました。
カメカメ仮面が住む帝国。その王城の大広間では大勢の家臣やメイドたちが内職をしています。みんなは鼻メガネを作っているのです。
「なんだって俺がこんなことしなくちゃならないんだ」
不満そうに、つぶやいたのはこの、国の王子様です。
「元はと言えば王子様が、マンダゴラなんかを栽培するからでしょ。僕もサンタのおじさんの手伝いをして王子様にそれを届けた責任があるから、こうして、鼻メガネを作るのを手伝ってるんだから」
カメカメ仮面も不満そうに言いました。
「ほら、そこ、しゃべってないで手を動かす」
カメカメ仮面と、王子様のおしゃべりを咎めたのサンタのおじさんです。
サンタのおじさんは鼻メガネの作り方を教えにお城まできているのです。
「わしも、何も考えずにマンダゴラなんかをプレゼントしたからな。王様に頼まれたら嫌とは言えず鼻メガネの、作り方を、教えに、来ているのだ」
「でも、もう国民には十分に行き渡ったんじゃ」
誰かが、言いました。そこへ王様がやってきました。
「あっ、王様、もう、十分に鼻メガネは国民に行き渡ったから、これでやめてもいいんじゃ」
カメカメ仮面が言いました。
「いや、わが国にはろくな生産物がないから、貿易はいつも赤字なのだ。だから鼻メガネを輸出して外貨をら稼ぐことにした」
「って鼻メガネを、ですか」
大丈夫かこの国。カメカメ仮面は心の中で思いました。
カメカメ仮面の活躍で世界は今日も平和ではありませんでした。




