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ミスター・ブルーズ 〜目覚めたら誰もいなかった〜  作者: マフィン
ラジオと嘘と宇宙人

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第二次地球防衛戦争

 地震を彷彿させるような大きな揺れとともに、爆音が病棟を襲った。窓ガラスは割れ、ガラスが飛沫のように飛び散った。


 恐らく窓際にいた患者はかなり悲惨な姿となっていたに違いない。


 僕は一目散に母親がいるであろう、集中治療室らしき部屋を探した。今度こそ、母親を救わなくてはならないという使命が、体を突き動かした。


 もちろん、院内はパニック状態だ。病棟は船に乗っているかのように、常に大きくゆっくりと揺れている。


 非難をさせるにしろ、どこへ避難させるのだろうか?点滴片手にふらふらと歩く患者たちをどうやって疲弊しきった医療従事者は救うのか・・・?


 この病院だけでもすでに世紀末な雰囲気が漂っている。だが、そんなことはどうでもいい。一刻も早く母のもとへ。


 「集中治療室はどこですか?」


近くにいた看護師に尋ねた。


 「あなた、何者?健常なら非難を手伝って。」


 もう丁寧な対応をしている余裕がないのはわかる。だが、看護師というのはこうも怖い人種なのかと思うほど、鬼の形相で迫力のある声だった。


 看護師はそう言い残して、どこかへ走っていくと、再び大きな揺れが病棟を襲った。


 早く助け出さねば・・・。


 すると、すぐ目の前にナースステーションがあり、その近くにも病床がいくつかあった。恐らくいつ何があってもすぐに対応しなければならない患者のための場所なのだろう。


 集中治療室ではないが、もしかしたら、ここに・・・。


 そう思ったとき、見覚えのある顔が目の前に現れた。


 「やっぱり、ここにいたのか。」


 カイだった。


 「早く逃げるぞ。」


 「なら、母も。」


 「お母さんはもう助からない!君もわかっているだろ?」


 カイは声を荒げた。


 「わかってる!でももしかしたら・・・、今ここで助けたら・・・。歴史が変わるかもしれないじゃないか!」


 するとカイは、服の後ろをつかみ上げると、我々の周りを見せつけてきた。


 「見てみろ!この惨状を!外の光景を!これは全部、君が歴史を変えたからこうなったんだ。君が、この病院へ来たから、こうなってしまった。これ以上歴史を変えることは、この僕が許さない。」


 なぜ、たかが自分が病院へ行っただけで、こうなってしまうのか?正直ただの言いがかりとしか思えなかった。


 「とにかくここを出なくちゃ!」


 すると再び爆風がこの病院を襲った。


 「伏せろ!」


 何かが飛んできたが、何だったのかすでに原型をとどめていない何かだった。


 僕はまた母を見捨てなければいけないのか?だが、抗おうにもこちらを掴むカイの力が強すぎて、抵抗できなくなっていた。


 母が入院している病院は、我々が脱出するのを待って、がれきの山へと姿を変えた。中の人たちはどうなってしまったのか?母は?僕は再び母を見捨てた。


 「言ったではないか?過去にとらわれるなと。僕が迂闊だった。もう少し君を調べておくべきだった。」


 「でもなんでこんなことになったんだよ。」


 カイはうなだれながら答えた。


 「僕のタイムロックが崩れたからだ。あのタイムロックは鎖のように無数に伸びるはずのタイムラインを一本にまとめるためのものだ。僕はさっきタイムロックをした。その時代でタイムロックできるのは一回。もし、タイムロックした後に、再び歴史を変えるとなると、再び最初からタイムロックをし直さなければならない。」


 随分とややこしい話だ。


 「じゃあ要するに、君がタイムロックした後に・・・。」


 「君がお母さんに会いに病院へ出向いたことが、この事態を引き起こした。」


 でも、よりによってこんなことになるなんて・・・。


 「じゃあ、今はタイムロックが解除された・・・?」


 「そうだ!つまり今まで僕らがしてきたことが、すべて水の泡になってしまった。」


 つまり、レットストーンもヴァインズ姉妹も、ケイの発明も全て、危険にさらされている・・・、いやもう危険に晒された後なのかもしれない。


 すると遠くの方で、また爆音が聞こえてきた。しかも何度も何度も聞こえてくる。


 あの宇宙船軍団と、地球の軍隊が衝突しているようだ。だが、そうは言っても、前回の戦いで、宇宙人よりも地球人の方が強いことが分かっている。確かに、あの時とは5年の差がある。しかし、あの大差であれば、きっと問題ないだろう。


 だがそれは甘い考えだというのも、ちゃんとわかっていた。そう思いたいだけだ。


 カテリエル製のやつらの船から発射される光線は次々と戦車を破壊し、空中を飛び回る戦闘機もどんどん撃ち落されていく。


 すると今度は、無数の地上を這う素早い影が、地球の軍隊にむかって攻め込んでいるのが見えた。


 「なんだあれは?」


 「ヴァインズ姉妹の実験の完成形だ。」


 それは、地上を這うものと、空を飛んでいるものと二種類確認できた。


 さらに上空を見ていると、ATシールドのようなものが地平線から上空へ向けて、地球の大気圏を包み込むように現れた。


 「これはやつから我々への宣戦布告だ!」


 「奴ってまさか?」


 「メイジーであり、コンビニ店員の君のフィアンセである、ゲルダファだ!」


 そのとき、紫色の閃光が上空ではじけたように空一面に飛び散った。


 「タガニウムだ!」


 カイはそうつぶやくと広角が上がった。


 「君は逃げろ!」


 カイはそう言いながら、メガホンレーザーをこちらに差し出した。


 「でもどこへ?」


 そして、カイは来ないのか?


 「場所はメガホンレーザーが教えてくれるさ。」


 そう言うカイは、やはり楽しそうだ。


 「君が生きていれば、この戦いに勝機はある!だから・・・、死ぬな!」


 そう言うとカイは、メガホンレーザーのスイッチを入れた。カイの相変わらず癇に障るどや顔を最後に見る見るうちに景色が変わって行く。


 急に心細く、孤独感が襲いかかってきた。これからどこへ投げ出されるのか、未来か?それとも過去か?


 どちらにしてもここからは、カイなしで行動しなければならない。


 周りは木々がうっそうと生い茂ったジャングルへと変貌した。


 「ここはどこだよ?」


 そう尋ねても、メガホンレーザーは答えてくれない。


 文明の痕跡は全くなかった。それどころか野生動物・・・、いや野生生物の声があたりにとどろいている。


 そして、今、目の前に図鑑や映画でしか見たことがない生物の、ちょうどお目覚めのタイミングに居合わせてしまったようだ。


 よりにもよって、自分の目の前で巨大なティラノサウルスが、寝起き眼でこちらを見ている。


 どうやら、メガホンレーザーは恐竜時代の地球に連れてきたようだ。

第二章終了!


評価、ブックマーク等もしていただけるとかなり嬉しいです!

よろしくお願いします。


感想も待ってます。


記念すべき第一話はこちら!https://ncode.syosetu.com/n3719ku/1

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