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ミスター・ブルーズ 〜命運を握る背中のあざ〜  作者: マフィン
地球と日本と総理大臣

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被害

 またあの夢を見ている。毎度のことながらひどい夢だ。


 同じ場所。懐かしい場所。懐かしい風景だ。別に美しいわけでも、奇抜なわけでもない。


 ごく普通のリビングに、ごく普通の家庭にある薄型テレビ。父親が奮発して買った48インチのテレビだ。


 本当に大画面の迫力は一週間で無くなるもんだ。


 テレビに映っているのは情報番組。それをぼんやりと観ている。


 のんびりできる時間をかみしめているところだ。


 そして、のんびりと過ぎていた時間が地獄と化す時間がやってくる。


 削岩機が突き上がろうとしているかのような衝撃、左右に大きく揺れる家。


 けたたましいサイレン音に、誰かの悲鳴や叫び声。まさに地獄だ。


 そして遠くの海の方角からでっかい海坊主のような黒い波が、家や電柱を巻き込んでこちらに向かってくる。奴らだ。


 今、こうして見ると確かに奴らも逃げてきているように見える。


 もう奴らもすぐ目の前まで来ている。そろそろ目が覚めるはずだ。だがそうやって、たかをくくっていたせいか、なかなか目が覚めない。


 奴らも家々の残骸と共にこちらに迫ってくる。


 そういえば、この夢は過去のトラウマを映している。そうだとしたら、この状況を過去の自分は脱出しているはずだ。


 そう思うと安心できた。そもそもこれは夢で死ぬわけではない。


 だが、やはり目が覚めない。ということはこれは、現実なのか?


 そして、迫り来る土砂はとうとうこちらに辿り着いた。家の中に大量に入ってくる海水や土砂で息ができない。いや、夢なら息ができるはずだ。だが、やはり息苦しい。


 一生懸命水面を目指している。もう、家の中には水面はない。


 窓枠を探し、外へと向かった。これは夢だから何をしてもうまくいくはず。


 家の外へ出て振り返れば、無惨な姿の家が自分から遠ざかり、反対側にはさらなる試練が待ち構えている。そして上には・・・。


 なんだ?あれは?


 間違いなく鳥ではない。明らかに人工物が、数機空に浮かんでいる。IGTO船なのか?いや、奴らの造形物は円や球体が多かったのに対して、あれは角ばっている。


 だが、遠すぎてあまり視認できない。もっと近づいてみようとした。だが、夢だからなのか、どんなに頑張って目を凝らしてみても、はっきりと見ることができない。


 見えても、紙飛行機みたいだという感想しか残っていない。


 そうこうしている間に、自分はどんどん流され、しまいには力つきて沈み始めた。


 あれ?死ぬのかな?


 そう思ったとき、何かが腕を掴んできた。一瞬だけ心拍数が急上昇した。


 「カイ・・・。」

 

 いつものように絶望感が広がると、目が覚める。最悪な目覚めだ。


 場所は、どうやらはやぶさ号の中のようだ。視界には無数のモニターや機械が見える。だが、全て電源が落とされている。


 そして小刻みなゆれと振動を感じる。どこかへ移動しているに違いない。


 「お!目が覚めたみたいだね。」


 いきなり総理の顔が現れた。総理の向く方を見る限り、他の二人は運転席にいるのであろう。


 「どうなったんですか?」


 わかりきったことを聞いているのはわかっている。


 「君は見事に世界を救ったぞ!」


 実感はなかった。だがどうやら、核爆弾が爆発することはなかったようだ。


 「我々の思惑通りにことが運んだみたいだ。これから、私は世界のリーダーたちに、いろいろと報告をしないといけないからね。ひとまず、首相官邸に向かってもらってるところだよ。」


 「どうやら、俺は総理大臣の専属運転手に昇格したみたいだぜ!」


 カニカマは相変わらずだ。


 「いなくなった人たちは?」


 「これまた大変なことになっててね。」


 総理がため息まじりに答えると、カニカマが何かリモコンのようなものを、頭上にあるモニターに向けた。モニターにはニュース映像が映し出された。


 「どうやら彼らは、地球のどこかに無作為に移動させられていたらしく、その場所が世界中に点在しているみたいなんだ。」


 モニターに映っているニュースには、世界各所で路頭に迷っている日本人たちが、次々と映し出されていた。


 「各国の政府が対応してくれているみたいなんだけど、果たして、全員を無事に日本に帰せるのはいつになることやら・・・。」


 それこそ、紛争地帯になんて移動させられていたら、命の危険もあるだろう。


 「奴らは?」


 今度はカイが答えた。

 

 「こっちもうまくことが運んだみたいだ。IGTOは地球を最重要惑星に認定した。つまり、どう接していいか分からず、保護はされているが手を出さないっていうよく分からない状態になっている。まぁこれで地球にとってはひとまず安心ってところだろう。」


 今の話のどこに安心要素があったのかは分からないが、まぁカイがそう言うならそういうことに今はしておこう。


 「おいおい!どうなってんだよ!」


 カニカマが運転席で唸っている。


 「こりゃ、また大混乱だねぇ。」


 総理が、運転席を覗き込んでいる。


 「どうしたんですか?」


 起きあがろうとしたら、止められた。別に、体はなんともない・・・と思う。


 「さっきの戦争に参戦した戦車やら何やらが、パレード状態になっちゃってるねえ。これはしばらくかかりそうだよ。」


 総理は、笑っている。


 たしかに、外が久しぶりに騒がしいと感じた。

 

 「そういえば結局レットストーンの爆発の威力ってどんなだったんですか?」


 「ありゃ、とんでもなかったなぁ・・・。それこそ、あのバリアがなかったら、みんなお陀仏だった。」


 カニカマが楽しそうに話している。


 「どんくらいの被害が?」


 「それが・・・。」


 カイが真面目な表情をしているのが、目で見なくても口調でわかってしまった。


 「IGTOの奴らにはかなりの被害が出たみたいだ。まぁ、全滅とまではいかなかったが、恐らく半壊以上の被害は出たと見ている。しかし、一方の地球人の軍隊は・・・。」


 「陸海空軍合わせても、爆発の被害はゼロだったんだよ!」


 カイの説明に続いて、大興奮中のカニカマが唾を撒き散らしながら答えてくれた。


 「地球人には無害・・・。」


 「でも、彼女は・・・。」


 ますます、謎が残ってしまった。


 「まっ犠牲が出ないのはいいことだ。それに、地球人に危害が加えられないのなら、地球上の戦争ではなんの役に立たないってことだし、かえってよかったのかもな!」


 そんな上手い話があるのだろうか?

こんな理想的な戦争の終結ある?


評価、ブックマーク等もしていただけるとかなり嬉しいです!

よろしくお願いします。


感想も待ってます。


記念すべき第一話はこちら!https://ncode.syosetu.com/n3719ku/1

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