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ミスター・ブルーズ 〜命運を握る背中のあざ〜  作者: マフィン
地球と日本と総理大臣

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力の差

 日本本土の埼玉県と茨城県の県境にて、IGTOと地球連合軍による戦争が始まった。こういう言い方をすると、どこか厳かな戦いのイメージを思い浮かぶ。


 だが、実際はそうでもなかった。


 戦場の天気は快晴、雲ひとつない天気で、気温26℃、湿度も50%とちょうど良い気候だ。


風速は3メートル。風が吹いていると感じるくらいで、気にもならない。


 ここが戦場でなければ、お弁当を広げて、ピクニックでもできそうだ。


 そんなことを考えていると、再びレーザーのような光るものが、こちらに向かって飛んできた。


 映画のような甲高い音が鳴るわけではなく、無音で光だけが飛んでくる。それはそれで、不気味だ。


 「とりあえず、我々は邪魔にならないように移動しよう。」


 確かにこのままだと、戦車やら戦闘機の空襲やらで、奴らからの攻撃ではなく、味方の攻撃で木っ端微塵になりそうだ。


 我々を乗せたカニカマのワンボックスカー、またの名を「はやぶさ号」は、一目散に戦場を離れた。


 あとはプロに任せるとしよう。と行きたいところだったが、レーザーはひっきりなしに撃たれている。幸いにもまだ被弾をしたような爆発音は聞こえていないが、油断はできない。


 はやぶさ号をしばらく走らせ、見晴らしの良い丘に停車させた。そして戦場を、文字通り高みの見物をすることにした。


 すると、大きな爆発音が聞こえてきた。上空を見ると、無数の戦闘機が降下しながら、爆弾を落としているのが見える。


 「アメリカ空軍の華麗な戦闘機捌きだ。」


 カニカマは、運転席から楽しそうに眺めていた。爆撃はIGTO艦隊のちょうど真ん中部分を攻めていた。その爆撃の影響で起きた土埃なのか煙なのかのせいで、戦況が全くわからなくなってしまった。


 「これは果たして、効果はあるのかどうか?」


 カイは、嘆いていた。果たして、本当に我々は奴らに歯が立たないのか?


 一方、奴らの艦隊の先頭部分と相まみえているどこかの国の戦車部隊も、いよいよ射程距離に入ったようだ。


 だが、ふとあることに気がついた。奴らの射程圏内はもう既に到達している。だからレーザーを撃っているのだが、それなのに爆発音ひとつ上がることなく、こちら側の奴らに対しての射程内に入っている。


 もしかしたら、こちらが確認できていないだけで、犠牲はすでにあったのかもしれない。


 「どうやら、戦車部隊も攻撃指示が出たみたいだぞ。」


 カニカマは、興奮している。確かに、かっこいいとは思っているが、それでもなかなか楽しむことはできない。それが、当たり前だと思いたい。


 いよいよこちら側の攻撃が始まる。奴らは容赦なく、レーザーで攻撃を続けている。白い光が戦場のあちらこちらで放たれている。


 そして、そこに鈍く低い音が仲間入りして、戦場はさらに荒れた様子になった。


 あちらこちらで爆発音が聞こえてくる。やはり、地球人の軍事力では全銀河を束ねる軍隊には敵わないのか・・・。


 だがしばらくすると、レーザーのものと思われる白い光が、明らかに減った。


 「あれ?なんか様子がおかしいぞ?」


 カニカマは、逐一戦況を報告してくれた。爆発の煙が薄くなると、カイは目を見開いて戦場に顔を近づけた。


 「嘘だろ・・・。」


 なんと、奴らの艦隊の先頭部分は、ほぼ壊滅状態だった。そして、中間部分の空爆を受けていた部分も、同じように煙をあげてボロボロの奴らの乗り物が横たわっている。


 「これって、俺たちが勝ってんだよなぁ?」


 カニカマも呆然としている。


 「こちら側の戦況は?どのくらいやられてるんだ?」


 総理がせがむと、カニカマは戦車がある方に視線を向けた。


 「あれ?」


 「なんだよ!」


 カニカマは首を傾げている。カイも助手席で目を丸くしている。


 それは当然だった。なぜなら、地球側の戦車はこの位置から見る限り、全くの無傷だった。まさかあの無数のレーザー攻撃を、綺麗にかわしているわけでもなかろう。


 すると、奴らの艦隊の生き残りが、再びレーザーを撃ち始めた。だが、こちら側の戦車は爆発も何も起きることがない。


 よく見ると、レーザーは確かに戦車に当たっている。しかし、少し焦げる程度で、ほとんどびくともしていない。


 それとは裏腹に、戦車が砲弾を撃てば撃つほど、奴らの陣形はどんどんと崩壊し、艦隊が壊滅していった。


 「降伏だって?」


 総理は、カイを煽っている。


 「まさか・・・。君たちがここまでの技術力を持っていたとは・・・・。」


 そう呟いたかと思うと、今度は急に慌てふためき始めた。


 「攻撃を中止しろ!」


 「さっきも言っただろ!これは一方通行なんだって。」


 カニカマはそう言いながら、気がついたらポテチの袋を持っていた。

 

 「だったら、総理でもいいから!この戦争は絶対に起きちゃダメだったんだ・・・。」


 しかし、総理は止めようとしなかった。


 「なんで?ここまで来たら、地球の技術力の高さを思う存分見せつけた方が、抑止力になるだろ!」


 「ダメだ!それは逆効果だ!」


 カイは、常に冷静というようなキャラクターではなかったが、今回は一段と取り乱しているように見えた。


 「僕はバカだ!なんで気が付かなかったんだ!彼らを甘く見ていたんだ・・・。」


 カイは、一人でぶつぶつと何かを言っている。


 そんな話をしている間に、奴らはどんどんと撃破されている。2回目の空襲が始まると、もはや奴らに勝ち目はなさそうに見えた。


 なのに、カイがここまで戦争を放棄させようとしているのには、いったいどんな理由があるのだろうか?


 「まずいぞ!」


 今度はカニカマだ。


 「アメリカの連中が、核兵器を使うつもりだぞ。」


 「なんでだよ!」


 今度は総理大臣が、声を荒げた。


 次から次へと・・・。そう考えると、今自分はこの戦争において、何も出来ていないような気がした。

多分宇宙人の中でも地球人の技術力はかなり高いと思うけどね。


評価、ブックマーク等もしていただけるとかなり嬉しいです!

よろしくお願いします。


感想も待ってます。


記念すべき第一話はこちら!https://ncode.syosetu.com/n3719ku/1

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