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ミスター・ブルーズ 〜命運を握る背中のあざ〜  作者: マフィン
地球と日本と総理大臣

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名前の由来

 トンネルの中は、入った時よりもジメジメとしていた。幼稚園の頃にやった芋掘りの記憶を彷彿させるような、湿った土の匂いが、鼻にじわじわと入り込んでくる。だが、一度その赤い粉が土からこぼれ落ちると、少し焦げた匂いがする。


 「熱を持っていないのに、なぜこんな匂いがするんだ?」


 カイはそう言いながら、メガホンレーザーを当て始めた。掘れば掘るほど、赤い粉が落ちてくる。そのせいか、今いる辺りだけ、妙に明るくなってきた。


 「そろそろこの物質に名前をつけなくちゃなぁ」


 確かに、ずっとタガニウムと呼んでいたが、どうやら厳密にはタガニウムとは異なる物質なっているらしい。となると、こっちの名前を決めなくてはいけない。


 「何かいいアイデアあるか?」


 そんな急に言われても、すぐに浮かぶものではない。何せアレルギーで、赤い粉を思う存分観察することができない。


 「どんな特徴?」


 「なんだろうなぁ?」


 カイは赤い粉を一掴みすると、手のひらに広げてまじまじと観察し始めた。


 「よく見ると、結晶みたいに透き通ってるんだなぁ。熱はなし。だけど発光している。」


 ある程度手の中で握っていると、赤い砂はお互いにくっつき始めて、まるで溶けかけの砂糖菓子のように連なり始めた。


 「決めた!」


 カイが、意気揚々と赤い砂を掲げた。


 「レッドスト・・・。」


 「ちょっとタイム!」


 ギリギリのところで、止めることができた。たぶん実際はしっかりと発言してしまっていたと思うが・・・。


 「何?」


 「いやそれはちょっと・・・・。」


 「なんだよ。レッドスト・・・。」


 「他のにしない?」


 「こんな見た目と特徴のやつ。レッド・・・。」


 「確かに赤い石だけど・・・。だったら、赤石ってどう?」


 「アカイシ?」


 明らかに不服そうな声だ。


 「セキセキでもいいけど?」


 「なんでレッドストー・・・。」


 「なんでそれがダメかって?だってもうすでにあるんだもん。」


 カイは、呆れた表情を浮かべた。

 

 「もしもし、お兄さん?僕を誰だと思ってる?僕は、この宇宙のありとあらゆる知識を持っている。だからこそ言えるが、そんな名前の物質は、まだ存在していない。」


 「いや、確かにこの自然界では、そう言った名前をつけられた物はないかもしれないけど、ちゃんとその名前は使われてるんだよ。」


 「どこで?」


 「ゲームの中でだよ。知らないの?結構有名だと思うけど?」


 カイは、鳩が豆鉄砲をくらったような顔で、こちらを見ていた。

 

 「ゲーム?なら別に良くないか?」


 「それが・・・そのゲームの中に出てくるやつと、なんていうか・・・。そのまんま!」


 分かっている。カイはかなり呆れた顔をしている。だが、たぶんこの場にカニカマがいても、同じことを言ったに違いない。


 いや、もしかしたら、ああいう感じの人間こそ、ゲームと現実の境界線を明確にしているかもしれない。


 「僕は知らないし、これ以上の名前を思いつける自信がないから・・・。」


 「分かった・・・。だったら、レットストーンならどう?」


 カイは、天井の先にある天を仰いだ。


 「それで満足ならレットストーンでいいよ。それでもし、名前の由来を聞かれたら?由来はその見た目、通り赤い石という意味だったんですが、どうやら、地球のテレビゲームというものに、同じようなものがあったので、レットストーンというなんとも間抜けな名前になりましたって言ったらいいのか?」


 「そう!」


 早口で捲し立てられたが、たった一言で片付いた。


 「全く、こんなすごい物質だっていうのに、なんちゅう間抜けな名前なんだ・・・。」


 カイは嘆いていた。まぁ、慣れれば悪くないだろう。カイの言葉が、だんだん分からなくなっていた。恐らく翻訳のガムが切れたのだろう。


 「それで、どうやって使えばいいんだ?」


 カイは、なぜか周りを見回している。


 「どうした?」


 言葉が返ってきたが、何を言っているのか分からない。


 「ガム!ガムを噛む!」


 ジェスチャー混じりで伝えると、カイは懐からガムを取り出すと、なぜか自分の口には頬張らず、こちらに渡してきた。


 「僕が?」


 カイは頷いた。


 今まで食べているところはよく見たが、自分が食べるのは初めてだ。どんな味がするのか?色は白、匂いはなし。無味無臭なのか?それはそれでガムとして食べるのは、かなりしんどい。だが、変に苦味やらなんやらある方が、もっときついかもしれない。


 ちなみに、ガムは甘味が少し入ってないと嫌なタイプである。


 カイが、ジェスチャーで急かしている。


 仕方がない。心を決めてやるしかない。鼻をつまんで、一気にガムを口に放り込んだ。一噛み、二噛み、無味無臭だ。だが時々、謎の苦味が来る時がある。


 「どうだ?なんて言ってるかわかるか?」


 「ああ、でもなんで?」


 「念の為だよ!念の為!備えあればなんたらっていうだろ?」


 軽い感じで返していたが、恐らく何か懸念すべきことが起きているのであろう。とりあえず従うことにした。

 

 「それで、どうやって使うんだ?」


 「分からん。発光しているのに、熱が発生していないし、火にでもかけてみるか?」


 絶対に今やって欲しくないことナンバー1だ。


 「発光しているってことは、電気の役割を担うのかも。」


 「なるほど。その可能性はあるぞ。しかも、電気の何倍もの力があるかもしれないぞ。」


 ゲームの知識も、たまには役に立つようだ。


 「よし!実験だ!スマホ貸してくれ。」


 「何に使うんだ?」

 

 「ちょっと持ってて。」


 たぶん、僕がアレルギーであることを、カイは忘れている。まぁ少し触れるだけなら、大丈夫であろう。


 そう思ったのも束の間、レットストーンの塊を手に持つと、急に塊が今までで一番強い光を放ち始めた。


 「まずい!それを投げろ!」


 「え?」


 「良いから早く!」


 咄嗟のことで良く分からず、焦って投げたせいで天井にぶつかり、かなり近いところで落ちてしまった。


 「ふせろ!」


 果たして、それは効果があるのかどうか?

濁点がないだけでなんか間抜けに見える


評価、ブックマーク等もしていただけるとかなり嬉しいです!

よろしくお願いします。


感想も待ってます。


記念すべき第一話はこちら!https://ncode.syosetu.com/n3719ku/1

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