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ミスター・ブルーズ 〜命運を握る背中のあざ〜  作者: マフィン
地球と日本と総理大臣

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あざの異変

 雲一つない空、照り付ける太陽、なのに風はそよりともしない。この広い田んぼや畑地帯は、影一つなく本当に暑かった。


 我々は、足跡疑惑のあるバッテン印を辿っている。ただ、そんな好奇心で辿って行ってしまって良いものなのか?もし仮に足跡であるという仮説が正しかったなら、この足跡の先には、高確率でその主がいるはずだ。


 戦車くらいの大きさの足を持つ生物・・・。もし本当に存在するなら、その大きさは果たしてどれくらいになるのか?それに足が1メートル半以上も沈んでしまうほどの重さだ。


 とてもじゃないが、こんな非力な地球人3人なんて虫けら同然だ。そしてそいつらが何か悪さをしているところを目撃し、運よく帰ってこれたとしても何ができるというのか?

 

 なら、なぜ我々はこのバッテンを追いかけているのか?我々?いや自分はなぜ?


 総理は日本のトップであり、日本で得体のしれない何かが起こっているのなら、それを知ろうとするのはむしろ当然、というより一国のリーダーとしてそうあってほしい。


 カニカマは・・・恐らくただの好奇心だろう。オタクとして、何があるのか確かめない選択肢はないのであろう。


 どちらかといえば同じ種類の自分も気になりはするが、今の懸念があるなら、別に知ることなく墓に入っても、後悔はない。むしろ印を追ったことで、墓に入ることになる方が後悔が残りそうだ。


 そんなことを考えながら歩いていると、気が付けばセンチュリーが、はるか遠くに小さく見える位置まで来てしまっていた。


 「そろそろ引き返さないか?これはただの印かもしれないし。」


 総理の提案を無視するように、カニカマは歩き続けている。


 「どうする?放っておくか?」


 自分は優柔不断とよく言われる。さっきまで、印を辿ることに消極的な理由を発見し、一人で悩んでいたのに、いざその答えが提示されると、もう一方の答えが恋しくなる。


 その時、少し離れた位置で、カニカマが歩み止めた。


 「どうした?」


 「なんじゃこりゃ?」


 カニカマの大声は、あたり一面に響いていた。そりゃ目の前に大きなトンネルが地面に掘られていれば、誰でも同じリアクションをとるだろう。


 トンネルは、真上から真下へ彫られているわけではなく、斜めにまるで坂道を降りるように彫られている。


 直径は大体10メートルくらいの穴で、断面はかなりごつごつとしていた。地面を見ると、バッテンの印がトンネルの奥へと続いている。


 カニカマは迷わず、おしりをかきながらトンネルへと入っていった。


 「おいおい、本当に入って大丈夫なのかよ!」

 

 「別にあんたは来なくてもいいですぜ?総理大臣さん。こういった危ない仕事は、一般市民にお任せください。」


 落ち着け、落ち着け総理!そう願うほかなかった。


 「でも、どうやってつくられているのかもわからないし、生き埋めにでもなったら・・・。」


 「まぁこの辺りは地盤も安定しているし、大丈夫だと思いますけどね。だからここに堀ったのかもしれないですし。」


 カニカマの声が、だんだん遠くなり始めていた。

 

「それともなんだ?何か隠していることでもあるんですか?」


 「い・・・いや・・・。そんなことは・・・。」


 その反応は、ますます怪しがられそうだと思った。だが、カニカマはそんなことは気にせず、どんどんとトンネルの奥へと進んでいく。


 あそこまで言われて、総理は着いて行かない理由どころか、むしろ着いていく理由しかなかった。そうなると、自分も中に行くしかない。足元がごつごつしていて、とても歩きにくかった。


 その時、急に体に違和感を感じた。


 かゆい。無性にかゆい。我慢できない。


 気づけば背中をかきむしっていた。


 「大丈夫か?」


 総理が心配そうにこちらを見ていたが、それに答えられないほどかゆい。


 何だろうこのかゆみは?背中・・・ということはあざ?


 だが、あざを認識してからも、今まで痛みもかゆみも感じたことがない。でもかゆみは背中の、しかもあざがある部分だけだ。


 すると、今度はカニカマの叫び声がトンネルの奥からこちらに迫ってきた。


 「いてぇえええええ!」


 カニカマが引き返してきた。

 

 「どうした?」


 「分かんねぇ!」


 カニカマは、地面でのたうち回っている。


 「一旦、外に出るぞ!歩けるか?」


 「一体何なんだよ!」


 そう言いながら総理は、カニカマを肩に乗せトンネルから出た。自分もとりあえず歩くことはできたので、急いで自力でトンネルから抜け出した。


 外に出ると、かゆみはだいぶ収まってきた。カニカマの方も、痛みが落ち着いているみたいだ。


 「二人共大丈夫か?」


「何とか、ありがとうございます。」


「すまねぇ・・・。助かった。」


 カニカマも総理に素直な感謝を述べていた。


 「もしかしたら、有害物質が蔓延してるかもしれないから、一旦車のところに戻ろう。」


 総理の言葉にみんなが従った。カニカマも相当おしりが痛かったのか、帰り道は静かだった。


 行きよりも帰りの方が早く感じるのは、なぜなのだろうか?センチュリーは先のない道を眺めていた。オーバーヒートもせず無事にそこにある。


 「もうここまで来たら大丈夫か?痛みとかないか?」


 すっかり背中に痛みもかゆみもなくなっていた。


 「それにしても、何だったんだ?」


 「分からないけど、あざと関係していると思います。」


 「あざって君の背中の?」


 「その可能性はありそうだ!」


 カニカマもなぜか同意した。


 「いやいや、だとしたら、なんであんたまで・・・。」


 総理は首を横に振りながら、否定していた。なにせカニカマに関しては、まるでお尻に火をつけられたかのようにのたうち回っていた。


 しかし、数十分前にカニカマが確かに言っていたことを思い出した。


 「だって今ここに残されているのは、あざがあるやつだけだろ?」


 そうだとしたら・・・。

 

 「もしかして、あなたにも?」


 恐る恐る尋ねる姿を、総理は不思議そうに見ていた。


 「ああ、もちろん!」


 そう言いながらカニカマは、後ろを振り向きながら、パンツを下ろした。

最後の部分は小学生の時に実際にいた友達がモデルです。


評価、ブックマーク等もしていただけるとかなり嬉しいです!

よろしくお願いします。


感想も待ってます。


記念すべき第一話はこちら!https://ncode.syosetu.com/n3719ku/1

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