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ミスター・ブルーズ 〜命運を握る背中のあざ〜  作者: マフィン
竹林と月とかぐや姫

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トラウマ

 樫太郎の説明の途中でブルターたちは、唐突にメガホンレーザーを手に取り、辺りの地面をくまなく照らし始めた。


 どうやら今の説明の中で、恐竜たちは何かわかったようだ。


 すると、樫太郎がゆっくりと耳元へ近づいてきた。


 「この者たち?は何なんだ?一体何を持ち、なにをしておるのだ?」


 僕も、彼らのことをどこまで話していいのか、話すにしてもどう説明していいのかわからなかった。この時代の人間に恐竜と言ったところで恐らくちんぷんかんぷんだろう。


 恐竜の存在を知っている身でも彼らの存在は理解に苦しむ。


 「異星人です」


 「異星人?つまりかぐや姫と同じなのか?」


 厳密にいえば違う。だが、ここでその事について言及しても話がややこしくなるだけだ。


 「まぁ、そんなところです」


 すると、彼は予想に反して急に鬼の剣幕になった。


 「なら、姫を連れ去ろうとしている月の使者ではないのか?だとしたら私は力を貸すわけにはいか・・・」


 僕は急いで彼の口元を抑え、彼の発言を恐竜たちに聞かせないようにした。彼を信用していないブルターたちに今の発言を聞かれてしまったら、どうなることやら・・・。


 もうすでに船に乗せて、いろいろなことを知ってしまった樫太郎は、恐竜たちによって消されてしまうかもしれない。


 僕はティランが彼を丸飲みにする姿を想像して、身震いした。


 幸いにも恐竜たちは気づいていないようだ。


 「何をする!」


 僕の手は簡単に振りほどかれた。


 「いや!異星人とは言っても、彼らは別の、月よりも遠く離れた星の住人なんです」


 僕は慌てて説明し直した。結局、急がば回れということなのだろう。結局ややこしくなるからと省略したことを説明するという非効率なことをしてしまった。


 だが、もちろんそんなことで、彼は納得していないようだ。腕を組みながら、僕をじろじろと見てくる。


 「おぬし、さては私を騙そうとしているな?」


 どちらかと言えば、あなたのために恐竜たちを騙しているのだが?と言いたいところだが、そんなことを言ったら、またいろいろとややこしくなりそうだ。


 すると、恐竜たちがいる方角から、デルの声が聞こえた。


 「多分ここじゃないでしょうか?」


 樫太郎も聞こえたのか、僕への疑いを切り上げ、デルの方へ向かっていった。


 「おぬしら!何か見つけたのか?」


 樫太郎は一瞬で少し離れた恐竜たちの元へ到着していた。


 「まだわかりませんが、とりあえずこの辺りを調べた方がよろしいかと」


 デルは樫太郎ではなく、ブルターに伝えた。


 「ティランとアルはレチウムに設定を切り替えて」


 「わかりました」

 「わかりました」


 彼らが集まっている場所にたどり着くと、そんな会話と何の変哲もない山肌が出迎えてくれた。


 「この中にレチウムがあるんですか?」


 今度は僕が質問をした。すると、その問いにブルターが答えた。


 「我々は彼の話のなかで、ある疑いが浮上したの。もし、その疑いが本当なら、それを辿ればレチウムが見つかるはず」


 「そして、それを辿った結果、この奥でそれが途絶えていました」


 この何の変哲もない山肌の奥にレチウムがあるということのようだ。


 「その疑いっていうのは?」


 ブルター以外の恐竜たちの目が泳いでいる。また、このパターンか・・・。そして、そのパターン通り、ブルターが代表して答える。


 「今はとにかく、この奥にレチウムがあるか、ないか、話はそのあと、あと」


 そう言うとブルターは山肌に向かってメガホンレーザーを構えた。すると、メガホンレーザーがから放たれた光が、その照らされている範囲の大きさのきれいな円の形で穴が開いた。

 

 樫太郎も同じように口をまん丸の円の形に開けたまま、その光景を見ている。


 そのとき・・・背中にとてつもないかゆみが襲い掛かってきた。


 久しぶりの感覚だ。僕の背中のあざに反応が現れた。これは一体何を意味するのか?


 穴が完全に開き切ると、恐竜たちはためらいもなく、そのまま中へと入っていく。果たして僕も彼らに連なってなかに入って良いものなのだろうか?


 もし、入ってとんでもないアレルギー反応が出てしまうと、もしかしたら、今度こそ死んでしまうかもしれない。


 「どうした?入らないのか?」


 後ろから樫太郎が不思議そうな顔でこちらを見ている。


 「ごめんなさい、ちょっとぼーっとしてしまって・・・」


 そう言いながら、穴の中に入ろうとした。


 「足震えてるけど大丈夫か?まさか、怖いってわけでもないよね?あんな化け物たちと一緒にいるし」


 「聞こえてます!」


 奥から、ブルターの声が聞こえた。するとすぐにブルターも異変を察知して、こっちに戻ってきてくれた。


 「どうした?何かあったのか?やっぱりこいつになんかされたのか?」


 ブルターは樫太郎を指さした。


 「やっぱりってどういうことだ?それに私は何もしておらんよ」


 彼らがケンカを始めてしまう前に、僕は必死に首を横に振った。


 「違います。樫太郎さんは僕を心配してくれてます」


 すると、樫太郎は得意げな顔を、ブルターに向けていた。


 「だったら、どうかしたの?疲れたなら、少し外で休んでた方が良いかもよ?」


 ブルターはそう言いながら、頬をそっと触れてきた。なぜか彼女は僕に優しい。だが、僕はそうされると、いつも強がってしまうのだ。


 「大丈夫です!ご心配をおかけしました」


 僕はそう言いながら、心配そうな表情で僕を見るブルターを横目に、穴の中へと入った。


 だがその瞬間、やはり恐れていたことが起こった。


 かゆい!とにかく背中が無性にかゆい!


 僕は、背中をかきむしっている。


 「おい、おい、こいつどうしたんだ?」


 「ミスターブルーズ!どうしちゃ・・・」


 ブルターは何かをつぶやいている。


 「ブルーズ・・・」


 僕は樫太郎に強い力で腕をつかまれたところで、意識を失った。

評価、ブックマーク等もしていただけるとかなり嬉しいです!

よろしくお願いします。


感想も待ってます。


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