シールド範囲
カニカマの指示を受けながら恐竜たちは、大急ぎで作業をしていた。そしてあっという間に試作品を完成させた。
「早くね?」
カニカマが電話越しに呟いた。
「突貫で作ったものなので、正常に作動するかどうかわからないですけど。何せ、設備がダイナー星のものとはかなり違うので・・・」
「とりあえず、一度これを使ってみる必要があるわね」
ブルターがそう言うと、一人のケツァルコアトルが舞い降りてきた。
「私が運びます。ティランさん座標を」
彼は爆弾を受け取ると、メガホンレーザーに話しかけた。そんな使い方があったなんて知らなかった。
「わかりました。早急に向かいます」
「ちょっと待って」
これまた突貫で作られた、スマホ用の翻訳装置を使ってこちらの会話を聞いていたカニカマが、急にこちらの行動を制止した。
ちなみにこの装置は、スマホをメガホンレーザーでスキャンしてからものの数分で、まるで3Dプリンターかなんかで作るかのように、簡単に出てきた。
「そのシールド装置は何個あるのかわかっているのか?一個じゃ無理だぜ?」
「それはどう言うことですか?」
ブルターが質問した。
「このシールドは強度は改良されているが、発生させる範囲は、親父が作った時と、何一つ変わっていない。つまり、ミスターブルーズなら分かるだろうが、惑星を覆うくらいの大きさのシールド作るには、その分発生装置が必要になる」
確かに、その乗り物をすっぽりと被せてさらに、雑木林のかなり広い範囲をカバーしていたが、小さな町すら埋めることはできないとなると、相当の数が必要なのかもしれない。
「ティラン、今の聞いてた?」
ブルターがメガホンレーザー越しにティランに呼びかけた。
「はい、今捜索させてます」
「シールドの範囲は分かるかしら?」
今度は施設にいる不特定多数に尋ねた。すると、ちゃんとどこからともなく、質問の答えが返ってきた。
「この区域から半径16キロです」
「ここからってどういうこと?」
「わかりませんが、こちらのデータではそのように表示されています」
施設内に、少しだけ動揺の空気が流れた。
「おかしいわね。だとしたらこの半径16キロ圏内から脱出したら、タイムトラベルできたってこと?」
すると、スマホからまたカニカマの声がした。
「落ち着きな、ラプトルの姉ちゃん。そのトリックは簡単だぜ」
「どう言うことですか?説明をお願いします」
ブルターは僕のスマートフォンに迫った。
「このシールドの強化は横に増幅されるわけじゃなくて、縦に増幅されている。つまり上へ上へと範囲を広げることで、自然と横の増幅をさせていると言うわけさ」
「だとしたら、我々の観測はその一番小さなシールドが邪魔をしているせいで、そのような数値が出ているだけと言うわけですね」
「その通り、さすがはダイナソーだぜ」
カニカマの最後の発言は相変わらず意味がわからなかったが、それ以外のことについては、だんだん理解できるようになってきた。
「ちょっと待って、と言うことはシールドの大元は・・・」
「今、あんたらがいるその場所ってことになる。だが、どうやってどれくらいの増幅をさせているのかが、まだわからない」
「それなら、問題ないです。今解析しています」
彼らは理論さえ分かれば、それを紐解いて答えを導く天才だ。
「ティラン聞こえるかしら?シールドの増幅装置をメガホンレーザーでスキャンしてくれないかしら?」
そんなやりとりをしている間に、爆弾がどんどん生産されている。こんな彼らをどこぞの悪い奴が悪用しないかが心配だ。
「ティラン、良いかしら?これからあなたのところに爆弾を5つ届けるわ。それを一つ壊したら、次の指示を待ってほしいの」
つまり、一つの増幅装置を壊したら、次の増幅装置の場所がわかるようになっていると言う構造なのだろう。
こちらからはティランの声は聞こえないが、どうやら話がついたようで、装置を持ったケツァルコアトルが、飛び立っていった。
あとは彼らからの吉報を待つだけだ。その間にもどんどん準備は進められている。
「明日にはここを抜け出せるわね」
すると再びカニカマの声が響く。
「でもお前たちはどうやってこっちに来るつもりだ?メガホンレーザーのタイムトラベル機能は期待しない方がいいぜ?すぐに奴らに探知されちまうからな」
「それに恐らく奴らはタイムロックをかけているはず。どちらにしろタイムトラベルをして2025年の地球に侵入することはできないだろう」
ブルターがカニカマの説明に補足をした。
「かと言って外からの侵入もシールドの破壊をしないといけないが、そんな時間はない」
僕は、自分が今までの経験に基づいて考案した作戦を披露した。
「バンブーネットワークならどう?」
「いい線だが、奴らがタイムロックを潜り抜けて移動できたのは、そのバンブーネットワークを使ったからだ。多分、対策はされているだろう」
あっさり却下されてしまった。
そもそもだが、なんで奴らは僕を警戒しているような口ぶりなのだろうか?
すると、ブルターの顔が花が咲いたように開かれた。
「いい方法があるかもしれない。多分奴らの裏をかけると思うわ」
そんな話をしていたら、ティランから一つ目の増幅装置の破壊に成功したとの連絡が入ったようだ。順調に準備が進んでいるとともに、戦いの日が、刻一刻と迫ってきている。
こっからどうしようかしら?
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