ロケットパンチ騒動!①
2章目で更新が2時間遅れてしまい、すみません!
次回こそは……!
次の日。
「火動、珍しいね。日曜日なのに、あんたがそんな大荷物で出かけるなんて」
玄関で呼び止められ、火動は足を止めた。台所から、祖母が顔を出している。
確かに珍しい。休日はいつも部屋で寝ている。特に、こんなノート一式を持って家を出るなんて。外出するとなればコンビニかその辺への散歩、持っていくものもベルトに引っかけるボディバック1つだけである。
「……図書館に行くんだ。気になることがあって」
答えると、少し心が痛む。無論、嘘である。
「そうかい。晩ご飯までには帰ってくるんだよ」
「分かってる」
晩飯までには終わるだろう……きっと、たぶん。そうであってほしい。
じりじりと熱されるアスファルトを歩く。やがて、白い建物が見えてきた。火動は小さく溜息を吐くと、自動ドアをくぐった。
◆
「昨日は十分に休んでもらったと思うが」
火動と陽給はアマテル本部に集まっていた。ノートと筆記具は手に持つように言われている。
「これより、巨神初心者講座を始める!」
「ぱちぱちー。ほら皆さん、拍手ですよ」
マリーゼのやる気ない拍手に、陽給一人が釣られた。
「まずは確認だ。発現した機体にはパイロット1人しか乗ることはできない。とっておきの機体には、とっておきの女性しか乗ることができないのだ」
とっておき。
火動にとっては量産機だが、他のメイカーにとっては世界に1つの機体なのだろうか。ロボットが好きなものなら、それはそれは凝りそうなものかもしれない。
だが。陽給をとっておきの女性というには……。
「なんだか不服そうですが、火動さんは他に意中の女性でも「いねぇに決まってるだろ!」はい。黙っておきます」
大人しくマリーゼは黙った。火動は肩で大きく息を吐く。気になる女性なんて、いないに越したことはない。
「よって、君と陽給君は必然的にコンビと言うことになる。これに異論はないな?」
「ないでーす!」
「……」
「火動?」
「……考えてる」
頷くと番匠は頷いた。
「これから決めてくれれば良い。それでも、君達が来てくれて良かった。一般製造者は人工知能を乗せていたからな」
「え、女の人が乗ってたんじゃないの?」
「人が集まらなかった……」
「えぇ……」
心底残念そうな声。
「運良く彼女なり妻なり候補が見つかった者がいたが、頼んだせいで破局に追い込まれてしまう悲劇も起こった……仕方が無い、ファーレンとの戦いは命懸けなのだ」
それもそうだが、メイカーの人徳が問題なのか、それとも2つ返事で引き受けた陽給がヘンタイなのか……。
「よって、パイロットとして女性型の人工知能を搭載していた」
「それでいけたのか!?」
「いけた」
「えぇ……」
番匠は妙に自信たっぷりに頷いた。火動はものすごく呆れたが、陽給は能天気な顔で手を上げる。
「というか、人工知能で女の人かどうかってどう判断するの?」
「それはカンタンです」
答えたのはマリーゼだった。
「女性の声をサンプリングしてもらうのです。それだけです」
「いいの!?」
「Herって言いますでしょ?」
「あれ? でもなんで私が呼ばれたの? AIじゃ駄目だったの?」
「AIでは出力が落ちる。どうしても動作がぎこちなくてな。それに火動君と交流のあった女子を辿ると、君しか居なかった」
陽給、ネコが宇宙を見た目で見るな。
「しかし君で良かった。反発されていれば、全員AI作動しか手段がなかったからな……」
ともあれ、と先を続ける。