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爆夏な日々③

 自室に入る。


 畳まれた和式布団と簡素な机にイス、本棚と勉強用具。シンプルだが、実家の部屋もこんな感じだった。だが、新しく見慣れない壁紙に天井、そして間取りのせいか、妙に落ち着かない。


 他にやることもなかったので、数日前番匠から渡されたタブレット端末を取り出した。もらってからずっと電源はつけていなかったが、ホームボタンを押すと電気がついた。だいぶ充電のもつ端末のようだ。


 言われた通り、リストにあるものから適当なロボットアニメを選び、とりあえず1話目を見てみる。


 ……。


 見終わった後、ただただ目と脳が疲れていた。


 いや、ロボットむつかしすぎるだろ。


 なぜこんなところに四角いハコがついているのか。この額とこめかみのV字は意味があるのか。この穴は視界用か? 一体何のためにあるのか?


 ハテナマークが積み上がっていくばかりである。


 デザインとして、これは人型の巨大ロボと理解できるが、自分でオリジナルを描くなど夢のまた夢だ。教科書を見て公式が理解できても、いざ応用問題を目にするとできないように。……ということは未だに分かっていないのか。巨大兵器というものを。


 ……つくづく、こんなロボット初心者でもクリアライズできる棺の高性能っぷりを感じる。ピーター含め製造者はどうやって自分のロボというものを空想しているんだ? 柞磨はメカ・エリナとやらを発現させていたが、それもただならぬ熱意があった。どこからそんな熱意が湧き上がってくるのか。


 陽給に聞いてみる。彼女はパイロットであるが、整備斑との盛り上がりからしてこういったものは詳しそうだ。


「ロボットはつまり、魂だよ! 己の魂を巨大ロボという形で顕すのさ!」


「ワケ分かんねぇこと言ってんじゃねぇ」


 拳を握られても。


「ワケ分かんないかなー。ロボ好きには一般論だで?」


 ……ロボ好きには関わらないでおこう。

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