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Fake Real Game  作者: まもる
18/19

それぞれの思い

材料を揃えた星輝は、いつでも終わらせることができる状況へと至った。

空、瞳はそれを知らない。

それぞれの抱える思いとは……

 空は意外と朝は早く起きる。

 毎日ランニングを習慣づけていたからだ。

 こちらの世界に来ても、それは変わらない。

 星輝には迷うからやめておけと言われていたけれど、それでは体が鈍ってしまう。なので深くは入らない、なるべく真っ直ぐな道で、帰りがわからなくならない程度なら許容された。

 空は、昇った日が空を照らし、寒さで息は白く染まる。

 走れば体が次第に熱を持ってくる。

 小刻みに息を吐きながら走る。

 だが、今日は走ることに集中できない。

 なぜなら、昨日……いや今日かもしれない。正確な時間はわからないが、気になることができてしまったからだ。

 頭がそれでいっぱいになっているうちに、いつのまにか家の前へと戻っていた。

「あれ?……もう戻ってきちゃった……」

 少し乾燥した喉で、少々息切れしながらも、ポツリと声が漏れた。

 自分が気にしても仕方がない。きっと彼には彼なりのやり方があり、考えがあるのだろう。

 今は……彼を信じよう。

 

 星輝はベッドで横たわりながら、考えを巡らせていた。

 空は朝のランニングに外に出ていて、瞳はまだ寝ている。

 自分なりに楽な体勢を試行錯誤して、ベッドの上で体をゴロゴロ動かしていたが、結局仰向けにする。

(もう確信へ至るための材料は揃った。もういくらでも好きにできる)

 はぁとため息を吐くと。改めて面倒なことに巻き込まれてしまったと思う。

(まあ正直、あいつ次第なとこあるけど……)

 体を横にして、壁際の方に顔を向けると、目を閉じた。

 

 瞳が起きたのは昼過ぎだった。

 昨日いや、今日寝たのは深夜と呼べる時間だったと思う。

 ここ数日、なかなか寝付けない。寝付けるわけがない。

 好きな人が、得体の知れない世界に一人で放り出されている。実際、瞳も獣に襲われた。彼も同じ目に遭っていたら……それ以上のことに遭っていたら……悪いことばかりが頭を埋め尽くし、支配している。

 瞳には助けてくれる人が現れた。運が良かったのだろう。

 でも彼は?今の彼には助けてくれる人が周りにいてくれてるだろうか。

 『王を殺すこと以外は罪には問われない世界』

 私はこの世界で、どう生きていけばいいのだろう。どうやって自分を保てばいいのだろう。

 ——辛い——辛いよ……

 胸がズキズキ痛む。

 瞳はベッドの上で、必死に胸を押さえた。

「……っ」

 目が潤む。薄い水の膜を張り、瞼に溜まっていく。

 現実から目を背けるように、目をギュッと閉じた。そこから生温かい水が流れ、シーツに丸い跡を残す。

「ゆー……くん」

 思わず声に出た。瞳が彼を呼ぶ名だ。

 きっとこの名前を呼びたかった。

 でも目の前には誰もいなくて、真っ暗で。

 彼の名を彼の目の前で呼びたい。

 今は、望みはそれだけでいいから。

 熱くなる瞼を開けると、やっとの思いで手を動かし、何もない壁に向かって手を伸ばした。

 だが、誰も手を握ってくれなかった。

 当然のことなのにな。

そろそろ終わりが近きそうです。

長いことすみません。

もう少しお待ちください。(お待ちくださいばかりですみません…)

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