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Fake Real Game  作者: まもる
14/16

空の場合

瞳を見つけて駆け出した空。これは、言語を理解できない空の視点。

 瞳を見つけて真っ先に駆け出した。

 星輝が何か言おうとしてた気がするが、今の私にはそれよりも優先すべきことがあった。

 瞳の元へ行く。

 私にできることなんてほとんどないが、足の速さには自信がある。逃げる時になったら、役に立つかもしれない。

 何か起こる前にと、私は瞳と女性の間に入り、瞳の前に立った。

 自然と目に力が入った。

 女性は何か言うでもなく、驚いたような顔をしている。

 この世界のことはまだよくわからない。どういう人がいて、どういう場所があって、とかわかることは全くない。

 とにかく、この状況を少しでも知るために、私は口を開いた。

「……誰ですか」

 自分の声が、いつもよりも低く感じる。

 全身に力が入り、声にまで影響してしまったのかもしれない。

「…………」

 女性は答えることなく、何を言っているんだ、という顔をしている。

「Uh... 」

 目を逸らしながら何かを呟いた。

 どうしよう、怪しい。

 警戒しているからか、どの行動も怪しく見える。

 女性の口が少し開いたところで、聞き覚えのある声が聞こえた。

「勝手に突っ走んなって……」

 そんな声と共に現れたのは、黒い格好にひょっとこの面、そう星輝だった。

 そういえば置いてきたんだった。

 私は頭の片隅にいた星輝を引っ張り出した。

「Your companion...?」

 女性が口を開いた。その姿は少し困惑していて、首を傾げている。

 それにいち早く反応したのは星輝だった。

「Yes, these two are my companions」

 相変わらず恐ろしいほど喋れることに、驚きを隠せない。慣れるのに時間がかかりそうだ。

「It seemed like you were talking to someone. What?」

 星輝は続けて女性に声をかける。

「That's right! You seem to be hungry, so I was thinking of bringing you over to eat!」

 何かハッとしたように女性は言う。

 それを聞いた星輝は何かを呟いた。

「ま……」

 小さくて聞こえなかったが、次の言葉は、はっきり聞こえた。

「マジですか?!」

「?」

 今度は英語ではなくちゃんと私たちが使う日本語で、明るい声色だった。

 もちろん女性はその言葉に首を傾げた。

 何について言っているのかはわからないが、何かいいことだったのだろう。

 星輝はハッとして小さく咳払いをすると、話し方が元に戻った。

「Really? That's very much appreciated!」

 またわけのわからない言葉だ。

「Does that mean it's OK?」

 おーけー?何か確認してる?

 わかる限りの言葉を拾うが、全く話が見えない。

 すると星輝がこちらに向かってきた。

 話はもういいのかと思うと、星輝はこれまでの話をし始めた。

「——というわけで、ご飯たべるかって」

「なんでそうなるの」

 星輝の話に、私は疑問しか浮かばなかった。

「いやなんか、そっちの……えっと……」

 星輝が瞳に視線を向けた。

「瞳ちゃんね」

「そうそう、えっと……瞳?が——」

「さすがに呼び捨ては……」

「瞳さんが……」

「ちょっときもい——」

「関係ねーだろ!」

 ゴホンッと仕切り直すように咳払いすると、星輝は続きを話し始めた。

「えっと、で、その子となんかご飯食べるって話になってたらしくて」

 名前を諦めた星輝は、そう話した。

 私は思わず瞳を見ると、瞳は驚いたように目を見開き、首を振った。

「い、いえ!まず私英語わからないですし!」

 そして次は星輝を見ると、少し考えるような素振りをして口を開いた。

「なぁ、瞳……さんは、あの人の言うことに何か答えたりした?」

 あの人とは今も待ってくれている女性のことだろう。

 悪い人……ではなさそうな感じだが、まだどうも言えない。

「答えたり……?」

 瞳は思い当たることがなく、当然のように首を傾げる。

 それに星輝が付け足す。

「答えるっていうか、何か言った?」

「何か……」

 星輝の言葉に瞳は考えを広げる。

 うーんと唸りながら、眉間にシワを寄せる。

 その姿さえも可愛い……ではなく。

 瞳は十秒ほど考えると、あ!と口を開いた。

「答え……た気がします……」

 瞳はそう口にして続けた。

「答えたって言うよりかは、お礼を言ったんですけど……」

 その言葉を理解した星輝はすぐに口を開いた。

「多分それだな。たまたまそれが、あの人の質問の答えになったんだな」

「そ、そうだったんですか!?」

 瞳自身も驚きを隠せないようだ。

「すみません!私のせいで……」

 申し訳なく言う瞳に対し、星輝は気にしてなさそうだった。

「いやいや、むしろ感謝したいよ。最近ちゃんとした飯食えてないし」

「それは星輝の食生活が悪いからでしょ」

「そこツッコむなって、意外と効く……」

「気にしてたんだ」

 そんな会話をして、なぜかご飯を食べるということで成立してしまった。

 星輝は女性の元へ戻ると、再び話し始める。

「That's okay!」

 大丈夫というように手を丸くして言った。

「Hey, are you okay?」

 女性はなにやら心配そうな声を出した。

「it's okay!」

 星輝は元気よく答えた。

 なぜか謎のオーラが出ているように見えるが……気のせいだろうか。

 女性を見ると、なぜか謎の圧に押されているような顔をしている。

 気のせいではない気がしてきた……

 そんなゾッとする雰囲気から一転させたのは、ほんの一瞬の出来事だった。

 ぐぅぅぅ〜

 そんな音がこの空間に鳴り響いた。

 その発生源がどこだか、私はすぐにわかった。

 私はそれに手を置いた。

 恥ずかしすぎる。

 その音の正体を知った途端、私の顔は急激に熱くなった。

 近くにいた瞳には確実に聞こえている。

 周りはとても賑やかだから、他の人には聞こえていないかも……と希望を持ったが——

「Well, let's go」

 女性は少し笑いながら何か言った。

(や……)

 私は叫びそうになる口をキュッと結んだ。

(やっぱり聞こえてたぁぁぁ!!)

 私はしばらく、なにも言えそうになかった。

おまけみたいなものなので、軽く読んでもらえると…

遅れ気味で本当にすみません……

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