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理想の恋人  作者: 月樹
9/14

7.ペンペン草の彼女

基本、毎週土曜日12時の更新を目指しております。

極マレに変則更新もあります。

「待ってください!!」

 バタバタと煩い足音ともに、息を切らして1人の女生徒が近寄ってきた。


 (正直『またか…』と思った。

 本当に、抜いても抜いてもすぐ蔓延る、ペンペン草なみのしつこさなのよね…。)


「もう、魁皇先輩を解放してあげてください!!」


 私の目をじっと見つめ、一生懸命大好きな彼のために勇気を振り絞って抗議しています!!という風の彼女。


 実は、魁皇とは、全くの無関係。


 彼は基本、後腐れのないグラマラス美人を選ぶので、こんな面倒そうなお子様には手を出さない。

 ただ学院長の親戚か何かで、最初入学した時に、学院の案内を頼まれたからしたというだけの間柄なのだそうだ…。


「親が決めた婚約者だと聞きました。でも結婚って、もっと神聖なものだと思います。

 ちゃんとお互いに好きな人同士がするべきです。

 京都からわざわざ転入して来られたという事は、あなたには思いがあるのかもしれませんが、じゃあ魁皇先輩の気持ちはどうなるんですか?」


 初めのうちは、彼とは婚約者でも何でもないと説明しようとしていたけれど、

「そんな嘘つかないでください!!みんな言ってます!!」

 と、他人の話を聞かないので諦めた。


 もう、最近では面倒になったので…、


「そんな…わたし…」

 と言って、涙をポロリとこぼすことにした。


 すると、どこからかワラワラと沸いた人達に回収されて行くようになった。

 たぶん二階堂家関連の人達なのだと思う。

 学生にも紛れているなんて…。

 顔を覚えて、彼等の近くでは迂闊なことを言わないように気をつけることにした。

 妙にわたしの欲しいものが、タイムラグなく手元に届くのは、きっと彼等のお陰だろう。

 決して盗聴器を仕掛けられているからとは思いたくない…。


 引きずられて行く彼女を見て、耐え忍ぶ()()をしながら思う。


(彼女、使えるんじゃないかしら?)


 (ちょっと予定より時期が早まるけれど、あのG()並みのしつこさ、たくましさ、神出鬼没さ、そして空気読まなさ…。

 彼に対抗出来るのは、もしかしたら彼女のような人かもしれない…。)


 (G()と言えば、高校に入ってから全く見かけなくなったわね。

 古いアパートだから、いくら退治しても、すぐ外から入ってくるので苦労したけれど、最近では一匹も見てないな…。)


 (とりあえず、せっかくの彼女候補(つかえるコマ)

 大切にしなくちゃ♡)

お読みいただきありがとうございます。


誤字脱字報告ありがとうございます。


京香の住むアパートは、魁皇が買い取った際に、全て駆除作業済みのため、虫もネズミも出ません。


本日はGWスペシャルで17:00にも投稿いたします。







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