表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理想の恋人  作者: 月樹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/49

41. 鬼瓦家(2)

 ()()()と呼ばれた尊大な男は、その青い目を眇めた。


「ミコトはアンタの可愛い孫の名前でしょ?僕は(たける)

 ()()()の名前くらいちゃんと覚えてよ」


「まだお前を後継者と認めたわけでは…」

 往生際悪く、言い返そうとする景虎を冷めた目で見つめながら、タケルはため息をついた。


「アンタが当主としての才能がないから、代々続いてきた鬼瓦家を傾かせ、没落寸前だったのを今の状態に戻したのは誰だと思っている?

 もうすでにこの家の実権を握っているのは、この僕。だから…アンタが勝手に配下の者を動かして京香を攫ってきた情報も()()()()()すぐ入る…」


 隠密に動いたはずの自分の行動が、全て把握されていることに、景虎は動揺を隠せなかった…。


「どうせ…雅の代わりに京香をアクラム氏に渡せば、実権を取り戻せる…なんて浅はかなことを考えたんでしょ?

 あの爺さん、いくつだと思っているんだよ…。表向きはともかく、もう()()()もとっくに代替りしているから、彼にそれほど力はない。

 僕が何のために根回しして、アンタが壊したアクラム氏との関係を、その後継者である長男のアフマド氏の事業に協力することで取り戻したと思ってるの?

 変に引っ掻き回して、余計な手間を掛けさせないでくれるかな〜」

「・・・・」


 自分の目論見を見事看破され、こんな孫と変わらない年の若造に好き勝手言われる屈辱に、景虎は何も言えなくなった…。


「後は僕が動くから、爺さんは黙って見ていて。大人しくしていられるなら、一応こんなのでも京香やミコトと血が繋がっているから、お飾りの当主としての体裁は整えてあげる。

 でも僕の邪魔をするようなら…潰すから…。婆さんにもよく言い聞かせておいてね…。次はない」


 そう言ってタケルは振り返りもせず、部屋から出て行った。



 〜・〜・〜・〜・〜



 その頃…京香は…


 自分の部屋と同じ作りなのに、全く異質な部屋の中で、居心地悪そうに現状を把握しようとしていた。

 スマホは没収され、連絡することも出来ない。


(あ〜あ、あんなに言われたのに…まんまと罠にはまってしまって…

 今頃みんな心配して、必死になって探してくれているんだろうな…)


 そう思いながら最初に頭に浮かんだのは、自分を守ると言った時の真剣な魁皇の顔…。

 今までの京香なら、間違いなく尊の顔が浮かんだと思うのに…自分でもそれが何故か分からなかった…。


 ()()()()


 そんなことをボーッと考えていたので、突然のノックの音に少しビックリした。


「はい…」


 こんな時間に誰だろう…?と思ったけれど、自分の家ではないし、居留守を使ったところで、鍵は向こうから開けられるので返事をすると…


「入ってもいい…?」


 祖母だとばかり思っていたけれど、遠慮深そうに尋ねてくるその声は思ったより若くて…ハスキーな声だった。


 とりあえず誰か分からないけれど、囚われの身である自分に『NO』と言えるはずもなく…


「どうぞ…」

 と答える京香の戸惑いが混じった返事に…

 静かにドアを開け、入ってきたのは…


 長い睫毛がおおうその伏せめがちな瞳に、懐かしい面影が残る銀髪に青い目の美少女だった…。


『アンジェラ…?』

お読みいただきありがとうございます。


誤字脱字報告ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ