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理想の恋人  作者: 月樹


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37. 体育祭(5)

 皆さん、私が誰を連れてゴールしたか気になりますか…?


 もちろん()()を連れて行きましたよ。

 アクラム氏もいるし、鬼瓦家の間者も忍び込んでいるのに…そうしなかったら、何のために婚約者(仮)になんてなったのか分からないじゃない!!


 くじを受け取った放送部の三浦君なんて、もう隠すことなく大笑いしていたし、『()()()、下僕にしてください』とか理由の分からない呼び声はかかるし…


「京香が女王様か…えらくカワイイ女王様だな…。そんな女王様なら、従うのも悪くないがな…ククッ」

 と魁皇にまでからかわれた…。


 あのくじのお題を考えた作者、出てこいや~!!


 と思っていたら、犯人は思いの外、身近にいました…。


「え〜っ、あのお題?

 卓球部部長の佐藤君に、何かいいのないかな?と聞かれたから、僕が考えたよ。

 姫が引いたら面白いな〜♪と思って作ったんだけれど…本当に姫が引いちゃったね」

 といつものエセ爽やかな笑顔で答える天馬くん…。

 偶然を装ってはいるけれど、絶対私が引くように仕組んでいる…。


 この短い付き合いの関係なのに、『彼なら()()』という謎の確信が生まれてしまった…。


 午前の競技が終わったところで、1位はS組率いる白組。僅差で我らが赤組が後を追う。

 午前最後の競技、綱引きでは田中君や柔道部のみんなが大活躍して赤組を勝利へと導き、午後の戦いへの景気づけとなった。


 午後からは、クラブ対抗リレーでスタートし、クラス対抗リレー、騎馬戦と花形競技が控えている。


 〜・〜・〜・〜・〜


 昼食は生徒会メンバーでお弁当を食べながら、午後のスケジュールの確認をした。


「生徒会としては、後は最後の来客の見送りだけだが…まだまだ何があるか分からないから、気を引き締めて行うように。

 特に京香、くれぐれも一人で行動しないように気をつけろ」

「分かってる。本部席にずっといるわ…」

「大丈夫。姫は僕が守るから…田中君はさっさとクラブ対抗リレーに行ったら」

「ではそろそろ時間ですので行きます。

 白藤さん、私がいない間は会長と日下部様に守ってもらってくださいね」

 2人とも、私を材料に当て擦りしあった後、田中君はクラブ対抗リレーの招集が掛かったので、先に本部を離れた。


 クラブ対抗リレーでは、陸上部、サッカー部、野球部が活躍し、田中君の柔道部は4位だったけれど、柔道着姿がかっこいいと女の子達の声援がすごかった。

 意外だったのは、普段アンニュイな感じの神宮寺君が実は陸上部のキャプテンでアンカーで…思わず見入ってしまうような綺麗なフォームで走り抜き、ダントツの1位でゴールしたことだ…。

 それには、来客席の神宮寺パパも大満足の笑顔で、村椿会長は渋い顔をしていた…。


 途中でクラス対抗リレーの招集が掛かり、魁皇と天馬君が本部席を離れて行った。

 それから少しすると、田中君が戻って来て、またクラス対抗リレーが終わる前に、最後の競技、騎馬戦の招集が掛かったので、席を離れて行った。


 〜・〜・〜・〜・〜


「白藤さん…実はさっきから、どうもお腹の調子が悪くって…。

 少し席を離れるけれど、絶対に君は本部席から離れないでね…」


 青い顔をした日下部くんが、ヨロヨロと本部席を出ていった。


(まさか…お昼のお弁当に当たった…?

 )


 私達がいただいたお弁当は、来賓用に用意されたケータリングのお弁当と同じものだった。

 たかが学校の体育祭に、何故こんな各界の重鎮が…?というお客様ばかりが来られているので、もし食中毒なんてことになったら…大変なことになる…。


 私は慌ててケータリングの手配をした担当の先生を探しに行った。




 もちろん、その時の私はみんなに口を酸っぱくして言われた…


『1人で本部から離れてはいけない!!』


 なんて言葉はすっかり頭から離れていました…。

お読みいただきありがとうございます。


誤字脱字報告ありがとうございます。

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