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理想の恋人  作者: 月樹


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25.月が綺麗ですね(3)

「イイね〜。こっちに視線向けて微笑んで。

 君、本当に初めて?素質あるよ〜」


 こんにちは。

 何故かいきなりポージングをとらされている白藤京香です。



 〜・〜・〜・〜・〜


 北海道旅行以来、魁皇が送り迎えしてくれるようになりました。

 何だか行動を監視されているようで息苦しいし、忙しい魁皇の時間を奪うのも申し訳ないので断ったら…


『京香は今、自分がどのくらい危ない状況なのか分かっているのか?

 父上に聞いた鬼瓦家は、家の利になると思ったら何でもする家だぞ?

 京香や尊のように、飛び抜けて容姿端麗、成績優秀な利用価値の高い人間を放っておくほど、あの家は甘くない。

 何かしらの弱味を握り、使い勝手の良い駒として使われるぞ』


 う〜ん、駒として使うと言われても…もう縁も切れてるのに?


『残念ながら名前を変えても親族であるのは変わりない。

 京香達には保護者がいない上に、まだ未成年だ。

 勝手にDNA鑑定でもされて、血縁を主張して連れ戻され監禁でもされたらたまらない…。

 とりあえず、成人になるまては大人しく守られてくれ』


 ということで押し切られ、結局毎日送り迎えしてもらっている。


 今日は珍しく、

『京香、ごめん。急に父上に呼び出され、今日は送れなくなったから…天馬と一緒に帰ってくれるか?』


 と言われたので、天馬くんと一緒に帰っていたら…


 〜purupuru♪〜


 天馬くんに、突然、電話がかかってきて…


『姫、ごめん…突然仕事が入って…少し寄り道するけれど、ちゃんと家まで送るから…ちょっと付き合ってくれる?』

 と有無を言わせず現場に連れて行かれて…冒頭に戻る。


 百歩譲って、天馬くんがモデルの仕事をするのは理解できても…どうして私まで一緒にカメラの前に立っているのかしら…?


 〜・〜・〜・〜・〜


「いや〜助かったよ天馬くん。

 どこでこんな逸材と知り合ったの?

 もしかして彼女?」


 無事撮影が終わり、機嫌よく広告代理店の人が声を掛けてくるのに…


「う〜ん、()()()()()()()()…でしょうか?」


 少し照れた笑顔で意味深なセリフを吐いていますが…単なる護衛対象です。



 天馬くん、本日はモデルの仕事がオフだったから、護衛の仕事を引き受けたはずなのですが…

 撮影予定だったモデルさんが季節外れのインフルエンザで倒れ、急遽ピンチヒッターを頼まれたそうです…。

 そこまではまだ良いのです…

 問題は、一緒に撮影する予定だった女性モデルも体調を崩しお客様の希望に叶う代役が見つからないからと、私がピンチヒッターをすることになったことです。本当、何故…?


「クライアントも、変更した君達の方が商品のイメージに合っていると喜ばれていたよ。

 本当にありがとう!!」


 〜・〜・〜・〜・〜


「いや〜姫のお陰で助かったよ。

 結構注文が細かいことで有名なお客さんなんだけれど…姫の美しさにはベタ褒めだったね。

 急なモデル変更も、かえって良かったと喜んでくれたし…。

 さすが、あの若が惚れるだけあるね」

 いい笑顔で満足そうな天馬くん…。


 とても大絶賛してくれていますが…

 普通、あり得ないよね…。

 護衛対象を自分の職場に連れて行って仕事させるなんて…


 大人しくしてないといけないはずなのに、こんな目立つことして…後で魁皇に怒られそう…。


「あの〜、天馬くん。今回のこの撮影のことは、もちろん魁皇には伝えてあるよね…?」

 私が恐る恐る尋ねると…


「あっ!!若に言うの忘れてた…」

 テヘッと擬音がつきそうな悪びれない笑顔に…


 バシッ!!


 思わず、天馬くんの頭を叩いてしまったのは仕方ないと思う…。

お読みいただきありがとうございます。


誤字脱字報告ありがとうございます。





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