18.ドキドキの夏休みin北海道(2)
空港には、既に真っ黒なリムジンが待機していて、THE執事という感じのダンデイーな坂田さんがお出迎えしてくれた。
またプライベートジェットと同じく、至れり尽くせりのサービスを受け、2時間程で別荘に着く。
「奥様は、もう到着されております。旦那様は夜には到着される予定です」
坂田さんの案内のもと、まずはそれぞれに割り当てられたお部屋へと行き、仕度を整えてからダイニングルームへ向かうことになった。
一緒の部屋だったらどうしようか?と思ったけれど、さすが広い別荘には何室も客室があり、隣り同士ではあったけれど、それぞれに部屋が用意されていて安心した。
私に充てがわれた部屋はラベンダー色を基調とした、上品で可愛らしいお部屋だった。
(後で、魁皇のお部屋も見せてもらおう。
とりあえずは自分のお部屋探検から…)
クローゼットを開けると、中には絶対これ高級品だよね〜と思われる素敵なワンピースや、ブラウス、スカート、ズボンなどが10着ほど掛けられている。
坂田さんからは、それは私がここで滞在するために用意したものなので、自由に使ってくださいと言われた。
中には、こんなのいつのタイミングで着るの?というゴージャスなドレスまで用意されている…。
とりあえず無難にワンピースに着替えたら良いかな?とシンプルだけれど綺麗目な紺のワンピースに着替え寛いでいると、コンコンとノックする音がした。
でも、音は扉側からではなく、壁側から聞こえる。
『えっ…?』と思っている間に、壁だと思っていたところが、パカッと開き、そこから魁皇が顔を出した…。
「え〜っ!?」
「何をそんなに驚いているんだ?コネクティングルームなんだから、そりゃ開くだう?」
魁皇は当たり前の顔をして、ズカズカ入ってくると、冷蔵庫から水を取り出しコップに注いでくれた。
「そんな突然来られて、私が着替えの最中とかだったらどうしたの?」
「一応ノックはしただろ?」
こちらの返答も待たず、すぐ入って来るノックに何の意味があるのかな…?
「まあ、もし着替え中でもいずれ結婚するのだから、責任はとるし問題ないだろう」
「問題大有りです!!」
(結婚しないし!!良かった、着替え終わってて…。
ちょっとすぐ開けられないように、ドアを封鎖する方法を考えなくちゃ…)
「そのクローゼットの中身は、母が用意したものだけれど、どうだ?いま着ているワンピースはよく似合っていると思うが…」
そうなんだ…センスが良いと思ったら、現役モデルのお母さんが選んでくれたんだ。
「素敵なお洋服ばかりよ。サイズもピッタリだし」
「それは俺が教えた」
何で、魁皇が私のサイズ知ってるの!?
「一応、うちでアパレルブランドも展開しているから、見ればだいたいの人のサイズは分かる」
(得意げな顔でこちらを見てくるけれど…どこまで多才なの…?そして怖すぎる…その特技…)
「母が昼食を一緒にと言っているので誘いに来たんだが…もう用意はいいか?」
(う〜ん、なるべく魁皇の家族には関わりたくないんだけれど…不本意ながら別荘にもお邪魔しているのだから、挨拶しないわけにはいかないよね…お洋服まで用意してもらってるし…)
「ええ、今から?」
「ああ。今回は家族だけの食事だから、服は今着ているワンピースで大丈夫だろう…。
このまま一緒に行けるか?」
(え〜っ、十分余所行きの服を選んだつもりなのに、これ以上に正式な服を着るようなことがあるの?
もしかして…あのクローゼットに入っていた、こんなのいつ着るの?と思っていたゴージャスなドレスも着る機会が出てきそうな…)
そんな疑問を抱いたまま、魁皇に連れられて食堂へと足を運ぶと…
テレビの中のセレブの晩餐などに出てくるような長〜い大理石のダイニングテーブルの先に、大輪の薔薇ような金髪美女が笑顔で待ち構えていた…。
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