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理想の恋人  作者: 月樹
11/14

番外編『理想の恋人』ファンクラブ

基本、毎週土曜日12時の更新を目指しております。

極マレに変則更新もあります。

 我が伝統ある紫明学院には、『理想の恋人』と皆の羨望を集めるカップルがおられる。

 その美しいお姿を拝見するだけでご利益があると言われる御二方には、当然のようにファンクラブが存在する。


 毎月、会報も出され、お二人のご迷惑にならない範囲で、微笑ましいエピソードなどが載せられている。


 例えば、二階堂様は入学式の日に桜の木の下におられた白藤様を見て、あまりの美しさに人ではなく、桜の精だと勘違いされたなんてロマンティックなお話もある。


 監修はもちろん、ファンクラブ会長の日下部様がなされる。


 私は『理想の恋人』ファンクラブ、会員番号3番。

 たかが1ファンである私の名前など、皆様にお伝えする必要はない。

 光栄にも白藤様と同じAクラスに在籍しているため、Sクラスの会長に代わり、クラス内での護衛を任されている。


 1年の時は、誰も白藤様に害をなすものなどいなかったので、ただ御見守りするだけで良かった。

 でも2年になってからは、しばしば頭のおかしい1年生がクラスに突撃してきて、白藤様に理由のわからない因縁をつけてくるので、クラスのみんなで警護した。


 二階堂様自ら、「良くやった」とお褒めいただいた時には、クラスのみんなで肩を抱き合って喜んだ。


「田中君、いつもありがとう」と白藤様から素敵な微笑みと一緒に御礼を頂いた時には、天にも昇る心地がした。

 彼女は本当に俺達と同じ人間なのだろうか?

 やはり二階堂様が思われたように、桜の精なのが正しいのではないか?


 あまりの感動に返答が「いえ…」の2文字だけになってしまったのは、ファンクラブ会員として大きな失態だ。

 みんなからは大ブーイングを受けた。


 そうやって、みんなで御守りしていたにも関わらず…事件は起きてしまった…。

お読みいただきありがとうございます。


誤字脱字報告ありがとうございます。

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