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01話 若葉

 ここは、とある国のギルド中。

 今日は新人冒険者の為の講習がある日だ。


 ギルドの広場には、教官の男が1人、その向かいには5人の新人たちが集まっていた。


「お前らちゃんと薬や武器などは持ったか?」


「「「「「はい!!」」」」」


 新人達が一斉に声を上げる。


「よし、これから初心者用ダンジョンに向かう。遅れずにちゃんとついて来いよ」


「遂に念願の冒険者デビューだ。本に出てくるサイクロプスなんかと早く戦いたいぜ!」

 新人の一人が意気込ごむ。


「バカヤロウ、そんな怪物現れたらお前らを庇いながら俺一人で戦ったら瞬殺だろう。それにな、そんなでかい怪物このダンジョンの高さじゃ入りきれねぇわ」


 そんな話をしながら歩いていたら、すぐに目的の場所まで着いてしまった。それもそのはず。講習で使う場所は外壁の内側にあり、ダンジョンの入り口の前にある建物内を通り抜けて、門は開いた先にある。


 教官は門の前で立ち止まり、新人達の顔を見ながら話し始めた。


「念のためダンジョンに入る前に、もう一度説明するが出てくる敵は2種類だ。スライムはコアを狙え!」


 教官は、一呼吸置き、続けて説明する。


「次にスケルトンだが、矢などの遠距離は心臓部分にある赤い球体を狙え。近接や魔法はどこでも構わん。当たった所が砕け散るからな」


 新人たちが騒めく。


「何か質問はあるか?」


「何でそんなどこに当たっても砕ける敵で練習するんですか?」


「いい質問だな。スケルトンは人型ということもあり山賊などを相手にするための練習になるんだ。」


 成程と新人達が納得した様子を見せる。


「次にスライムだが、弱点を狙う為の練習だな。因みにこれは余談になるが一部の地域では斬撃によってコアの切れ具合を競い合う『スライス杯』ってのがある」


「スライス杯!?」


「コアが地面に落ちるまでにスライスし、その枚数と厚さにて勝敗が決まる」


「おもしろそうだな」

 新人の剣士が興味津々に目を輝かせる。


「興味があるならその内出てみるんだな。まずは一人前になることからだがな。さてそろそろいくぞ!」



 中に入り、しばらくすると目の前に一匹のスライムが現れた。


「俺もーらい!」


 剣士が駆け出し、一刀両断にする。スライムは、コアを()()()()にされて体は()()してしまった。


「抜け駆けはずるいぞ」


「ほら、次来たぞ!」


「おらぁぁぁぁ」

 新人の一人がメイスを頭からスケルトンに叩きつけた。


 スケルトンは腕で防御するも空しく砕け散っていった。


「なんかこれ癖になりそうだわ」


「次は私もやってみたい」


「俺も俺も」


 楽しそうな声が遠のいていってしばらく経ったあと、残骸はいつの間にやら消えているのであった。

補足

スライムのコア部分は羊羹の様になっており、損傷するとすぐに死亡し、体は飛散してしまう。

なお、体部分はさらさらの水の様な成分で出来ており無害、形は表面張力の様な力で維持されている。

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